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歯列矯正にはどんな種類がある?メリットやデメリット・費用・治療期間についても解説します

 公開日:2023/05/30
歯をおさえる女性

歯列矯正と聞くとワイヤー矯正を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、マウスピース矯正ハーフリンガル矯正など、矯正方法にはいくつか種類があるのです。

全ての矯正方法が万人に合うわけではないため、自分の歯列状況や治療後の理想とする状態をきちんと見極めて矯正方法を選ぶ必要があります。

また、それぞれの方法にメリット・デメリットがあり費用も異なることを知っておくことが大切です。

この記事では、歯列矯正の種類やメリット・デメリット、費用や治療期間について詳しく解説していきます。

歯列矯正を検討されている方、どの矯正方法が適しているか悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。

古田 博久

監修歯科医師
古田 博久(歯科医師)

歯科矯正とは

マウスピース
歯列矯正とは、歯並びがガタついている・噛み合わせが悪いなどといった状態を、矯正器具を用いて改善していく歯科治療のことをいいます。
歯列矯正を行うことで、八重歯・出っ歯・すきっ歯などのお悩みの解決が可能です。
また、歯並びを整えることで噛み合わせが良くなるケースも多くあります。
食べ物が嚙み切れるようになるだけでなく、フェイスラインが変化し小顔になったり顎関節症が改善されたりする例もあるのです。
子どものうちに治す方が多いと思われがちですが、口腔内の健康や美に対しての意識が強まり、大人になってから治療を始める方も少なくありません。
このように年齢問わず望まれる方が多い歯科治療であることが分かります。
また、歯列矯正はいくつか種類があることを覚えておきましょう。1人1人歯並びの状態に合わせて適切な治療方法を選択することが大切です。
治療方法によって治療期間や費用などが異なるため、まずは歯科矯正を専門とする歯科医のカウンセリングを受けることをおすすめします。

歯列矯正の種類?

マウスピース
先述した通り、歯列矯正にはいくつか種類があります。今回は下記の4つの治療方法について詳しく説明していきます。

矯正治療を始める前にぜひ参考にしてみてください。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正はその名前の通りワイヤーを用いて歯を動かし、綺麗な歯並びになるよう矯正していく方法で、治療期間は平均2~3年です。
ブラケットと呼ばれる装置を歯に付けて、そこにワイヤーを引っ掛けることで力がかかり歯が引っ張られ動いていきます。
数週間から~1ヵ月に1回ほどの通院が必要ですが、きちんと通うことで治療期間が短く済むケースもあるため、治療期間中はなるべく間を開けずに通うことが理想です。
通院時ごとにワイヤーを調整していくのですが、その処置から2~3日が痛みのピークとされています。
「目立つから嫌」という理由で敬遠される方もいらっしゃいますが、近年のブラケット装置は白や透明も多く目立ちにくい工夫がされているため、そこまで気にならないでしょう。
ワイヤー矯正は幅広い症状に適合しやすく歯列矯正の中でも有効とされる治療方法です。

裏側矯正

裏側矯正は前で紹介したワイヤー矯正を歯の裏側で行う治療方法です。

ブラケットを歯の表面ではなく裏側に取り付けるため目立ちにくく、他人にバレずに治療を進められるため、大人の方はこちらを選択される方も多くいらっしゃいます。
治療の進め方はほとんど変わりませんが、通常のワイヤー矯正より複雑な技術が必要になるため費用が加算されることを覚えておきましょう。
また、裏側矯正は高度な専門技術も必要です。歯科医によっては対応できない場合もあります。
矯正治療を専門とし経験豊富な歯科医がいるクリニックに通うか、カウンセリング時に事前に必ず確認しておくようにしましょう。

ハーフリンガル矯正

矯正した歯
ハーフリンガル矯正は、上の歯と下の歯で別々の矯正方法を取り入れることをいいます。下の歯は表側矯正・上の歯は裏側矯正で行うことが一般的です。
目立ちやすい上の歯の矯正装置を裏側に付けることで、矯正してる感が弱まるためワイヤー矯正に抵抗がある方でも始めやすいでしょう。
上下とも裏側矯正を行うよりも費用が抑えられるというメリットもあります。
また、下の歯は表側に矯正装置を付けるため、裏側に付いているよりも口の中の違和感や滑舌への影響が少なく済むでしょう。
ただし、裏側矯正と同じくクリニックによっては対応してもらえない場合もあります。
そのため、カウンセリング時にハーフリンガル矯正が可能かどうか確認することが大切です。

マウスピース矯正

マウスピース
マウスピース矯正は歯の型を取って作った透明のマウスピースを装着することで歯並びを改善していく治療方法です。
マウスピース矯正は他の矯正方法よりも目立ちにくいという利点があるため、矯正に抵抗感を抱く方や人と対面で接する機会の多い接客業の方などが選ばれています。
取り外しが可能なため食事と歯磨きがしやすく、清潔感を保ちやすいのもこの矯正方法の特徴です。
通院回数も比較的少なく済むため、学校やお仕事などで忙しい方でも通いやすいでしょう。
ただし、マウスピース矯正にはいくつか注意も必要です。
マウスピースは基本的に1日21時間以上の装着が必要とされています。付け外しが可能な分、自分自身の管理と努力で治療効果が左右することを覚えておきましょう。
また、歯並びの状態によってはマウスピース矯正が向かない場合もあります。
自分自身の歯並びに合った適切な治療を受けるためにも、初めにしっかりと医師のカウンセリングを受けることが大切です。

歯列矯正を行うメリット

頬をおさえる女性
歯列矯正を行うことで得られるメリットは、見た目の面だけではありません。
歯並びや噛み合わせが良くなることで口腔内の健康が保たれやすくなるなど、心身ともにメリットが多くあります
下記では歯列矯正によって得られるメリットの内容を詳しく解説していきます。

口腔内の健康を保ちやすい

歯列矯正で歯並びが整うことで、口腔内の健康が保てるというのは事実です。
歯並びが整っていないと隣り合う歯同士が重なってしまい、歯磨きがしづらいでしょう。
通常の歯ブラシだけでは磨き残しが残ってしまうため、歯垢が溜まりやすく虫歯や歯周病などの口腔内トラブルが起こりやすいです。
年齢を重ねていくにつれ口腔内トラブルは増加する傾向にありますが、歯列不正はそのスピードを早めてしまう可能性があるのです。
歳を重ねても自分の歯で食事がしたいと考えるのであれば、まずは歯並びを見直してみるのも良いでしょう。

噛み合わせが良くなる

歯並びが整うと噛み合わせも改善されるケースがほとんどです。噛み合わせの良し悪しは身体への影響を大きく左右することをご存じでしょうか。
噛み合わせが悪いと食べ物を上手く噛み切れません。そうなると一部の歯に負担がかかってしまい、歯の損傷に繋がる可能性もあります。
また、噛み合わせの不調は歯やあごの骨の成長にも影響する場合があり、肩こり顎関節症などのリスクも増える傾向にあります。
正常な噛み合わせが行えるようになるとこれらの不調が改善され、口腔内のバランスも取りやすくなる可能性が高くなります。

食べ物をしっかり噛めて消化が良くなる

噛み合わせが改善されると食べ物がしっかり噛み砕けるようになるため、消化がされやすく自然と便秘改善に繋がるなど身体の内部にもメリットが多くあります。
きちんと噛み砕けていると、食事の際に胃や腸にかかる負担を軽減させられるのです。
消化が良くなると栄養素をしっかり取り入れられるようにもなるため、より一層口腔内トラブルの予防にも繋がるでしょう。

歯並びのコンプレックスをなくすことができる

歯並びにコンプレックスを持っていると、人前で歯を見せてしゃべったり笑ったりすることに抵抗を覚える方も少なくありません。
自然と口元を手で隠してしまうような仕草が癖になってしまう方もいらっしゃいます。
歯並びが綺麗になることで自分に自信が持てるようになり、自然と笑顔も増えていくでしょう。

歯列矯正を行うデメリット

歯磨きをする女性
歯列矯正にはメリットもあればデメリットに感じてしまう部分もあります。
具体的には歯磨きのしづらさや、矯正器具の見た目が気になるなどに対してデメリットを感じてしまう方が多いようです。
下記で詳しく解説していきます。

歯磨きがしづらい

矯正をしていると思う様にブラシが歯間に入っていかず、磨き残しとなってしまうケースもあります。特にワイヤー矯正の際に不便に思う方が多いのではないでしょうか。
歯垢が溜まってしまうと虫歯や歯周病になるなど、口腔内の健康が損なわれてしまう恐れがあります。
特に矯正中は虫歯になりやすいともいわれていますので、ワイヤー矯正をしている際は医師の指導をよく聞き口腔内トラブルを未然に防いでいきましょう。

種類によっては目立つ

歯列矯正は、種類によって目立ってしまいます。特にワイヤー矯正は表側に付いていると笑ったときに目立ちやすいでしょう。
なるべく周りにバレずに矯正を進めたいと考えている場合は、ハーフリンガル矯正マウスピース矯正がおすすめです。
医師に相談すると治療方法を変えてもらえるケースがあるため、ご自身の意思を事前に医師へ伝えておくことが重要です。

歯列矯正の費用は?

計算機
歯列矯正の費用はワイヤー矯正の場合でおよそ80~100万円かかります。内訳としては装置代・検査・診断・毎回の調整代などです。
裏側矯正になると処置が複雑になることから、上記の金額に約30万円が上乗せされます。
決して安い金額ではありませんが、ワイヤー矯正はより正確に歯の移動ができる治療方法です。
見た目だけでなく心身の健康にも大きく影響するものですので、さまざまな悩みが解決できるという点では妥当な費用といえます。
マウスピースによる治療はおよそ60~110万円がかかります。1人1人にぴったり合う装置を作るため、歯並びの状態によって金額が異なるのです。
歯列矯正は分割払いを選択できるところが多く、一括払いのみとしている病院はほとんどありません。
なお、矯正治療費は医院によって異なります。
その他、歯のクリーニングやメンテナンスなど、矯正中にかかる費用や、支払い方法についてもカウンセリング時にしっかりと相談しておくと安心できるでしょう。

歯列矯正の治療期間はどのくらい?

歯を触る女性
治療期間は治療方法や1人1人の歯並びの状態によっても大きく異なります。
全体的な治療であればワイヤー矯正・マウスピース矯正ともに2~3年ほどかかりますが、「前歯だけ」のような部分矯正であれば1年程度で終わるケースもあります。
治療期間中にこまめにクリニックへ通うことで治療期間の短縮に繋がるため、面倒くさがらずに2週間~1ヵ月ペースでの通院が理想的です。
また抜歯が必要な場合などは、矯正器具を装着するまでに1ヵ月ほどかかるケースもあります。
具体的な治療期間についてはカウンセリング時に医師から説明してもらえるでしょう。

歯列矯正の種類について詳しく知りたいなら

インプラント
歯列矯正の種類についてきちんと把握するためには、矯正治療を専門としているクリニックの医師への相談が大切です。
矯正治療を専門としている医師であれば治療実績も多く数多くの症例を把握しているため、適切な治療方法を見極めてくれるでしょう。
反対に矯正治療の実績が少ない医院では行える治療方法も限られており、理想とする歯並びにならなかったり時間がかかってしまったりするケースも少なくありません。
治療方法の種類やかかる費用、おおよその治療期間について事前にきちんと医師とのすり合わせが大切です。

編集部まとめ

マウスピースを持つ女性
歯列矯正の治療方法にはいくつか種類があり、多くはワイヤー矯正かマウスピース矯正を用いて行われます。

理想的な歯並びを求めるのであれば、歯並びや噛み合わせの状態をきちんと見極めて適切な治療方法を選択することが大切です。

歯列矯正は決して安い費用ではありません。「失敗した…」なんてことにならないよう、治療前にきちんと医師とカウンセリングを行うようにしましょう。

この記事の監修歯科医師