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ガミースマイルは子供のうちに治療すべき?おすすめの治療法・そのメリットを詳しく紹介

 公開日:2023/02/08
笑顔な男の子

ガミースマイルとは、笑ったときに歯茎が目立つ口元のことをいいます。

笑った時のチャームポイントとも捉えられることがありますが、コンプレックスの原因になることもあり、悩んでいる方も少なくありません。

お子様にガミースマイルが見られた場合、将来のことを考えて治療するべきか悩んでいる方もいるでしょう。

そこで、本記事ではガミースマイルがお子様のうちに治療すべきかを解説します。おすすめの治療法やそのメリットを詳しく解説するので、参考にしてください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

プロフィールをもっと見る
徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

ガミースマイルは子供のうちに治療すべき?

笑顔の女の子
ガミースマイルは、笑った時に歯茎の露出がみられる状態のことをいいます。厳密にいうと、笑った時に3mm以上の歯茎が見られる場合がガミースマイルです。

普段口を閉じている時には、全く見えていないのですが、笑って口が空いた状態となると歯茎が必要以上に見えてしまいます。

そのため、見える歯茎を周囲から指摘されるなどで、笑うことに抵抗を覚える方も少なくありません。

笑った時に口元を隠すなど、コンプレックスに思ってしまう方もいるのです。

また、虫歯や歯周病になりやすくなったり口臭に悩む可能性があったりもするため、放置によるリスクもあります。

お子様がガミースマイルの場合、子供のうちに治療すべきか悩んでいる方も多いかもしれませんが、早期に治療を進めることで将来のリスクを減らせるため治療をおすすめします。

ガミースマイルは矯正治療がおすすめ

マウスピースを持つ子供
子供のうちにガミースマイルの治療をすべきです。しかし、治療にもいくつか方法があります。

中でも矯正治療であれば、歯茎の露出量の多い少ないに関わらず対応可能です。手術を用いるような方法もありますが、大がかりになるだけでなく入院が必要となります。

筋肉への注射などで治療を進める方法もありますが、効果が切れるため継続的な注射が必要です。

矯正治療であれば、歯だけでなく顎の成長をコントロールしながらの治療を進められます。

特に子供のうちの治療となるため、成長状況や歯の生え具合に合わせて進められる点が特徴です。

きれいな歯並びに整えられるとともにガミースマイルの治療を進められるため、非常におすすめの方法です。

矯正治療の種類

マウスピース
ガミースマイルの治療には矯正がおすすめとご紹介しましたが、矯正治療の中でもいくつか種類があります。

治療方法を選択するためにも、それぞれの特徴を把握しておきましょう。ここでは、矯正治療の種類をご紹介します。

マウスピース矯正

マウスピース矯正でガミースマイルの改善ができます。例えば、前に歯が出ていることで歯茎が余分に見えているケースなどは対応可能です。

この治療方法では個人に合わせて透明なマウスピースを作成するため、ワイヤー矯正のように見た目が気になりにくい点も特徴です。

しかし、この治療法が使えるのはガミースマイルの中でも、比較的軽度の場合が中心となります。

重度の場合はマウスピース治療だけでは改善が難しいため、状況や症状に合わせて他の治療方法と組み合わせて進めることも多いです。

ワイヤー矯正

口元
歯列矯正用のワイヤー矯正でも改善効果が得られます。ワイヤー矯正は、歯の表面に金属製のブラケットを固定しワイヤーを通して矯正する方法です。

ワイヤーなどが見えるため、見た目が気になることが挙げられますが、歯列矯正とともにガミースマイルを治療できるでしょう。

特に子供の場合は、顎や歯が成長途中です。骨が頑なっていないため、ワイヤー矯正によるコントロールにより効果的に治療が進められます。

近年では、金属製の見た目が気になりにくいように歯に近い色のワイヤーやブラケットが使われることもあります。

また、歯の裏側に固定する方法などもあるため、見た目が気になる方は歯科医と相談して治療方法を決めると良いでしょう。

アンカースクリュー

矯正用のアンカースクリューを用いた治療方法も、ガミースマイルの効果的な治療方法です。

アンカースクリューとは小さなチタン製のねじのことであり、歯茎の骨にアンカースクリューを埋め込んで使用します。

埋め込んだアンカースクリューを支点にして歯を動かし、噛み合わせや歯並びも改善します。

埋め込んだ直後は痛みがありますが、その後痛みは引いていき、食事なども問題ありません。

アンカースクリューに汚れが溜まることがあり、放っておくと炎症を起こすことがあるため、清潔に保てるようにしなければなりません。

矯正治療以外の治療方法

歯列模型
ガミースマイルの治療方法として矯正治療をご紹介しましたが、その他にも治療方法はあります。

ガミースマイルの中でも重度の場合に対応できる治療方法もあるため、把握しておきましょう。

ヘッドギア

矯正治療以外の方法としては、ヘッドギアと呼ばれる器具を装着して治療する補法があります。

ヘッドギアとは加強固定装置のことであり、頭部に装着して使用します。この装置によって、上顎の骨の成長を抑制するのです。

上顎の骨の後方を引っ張り、上顎の過度な成長を抑えることで、下顎とのバランスを整えます。

特に出っ歯の傾向があるガミースマイルのタイプであれば、この装置により矯正の効果を期待できるでしょう。

MFT

ガミースマイルは、口周りの筋肉の動きに問題が関係していることもあります。その場合は、MFTとよばれる治療方法が効果的です。

MFTでは、次のような異常や習慣を改善します。

  • 咀嚼や嚥下の異常
  • 舌や唇の位置異常
  • 指しゃぶりなどの悪い癖

咀嚼や嚥下の異常や、舌や唇の位置の異常があると口周りの筋肉を正しく使えません。すると、口周りの筋肉の影響でガミースマイルを引き起こすようになります。

また、指しゃぶりを長く続けていると、口腔習慣によって出っ歯になりやすいです。

先述したように、ガミースマイルと出っ歯は関係が深く、MFTにより筋肉の問題を改善して出っ歯の改善とガミースマイルの改善を行います。

MFTによって口周りの筋肉を正しい動きで使えるようになれば、ガミースマイルを改善させられるのです。

外科手術

外科手術を用いて、ガミースマイルの治療を行う場合もあります。例えば、ガミースマイルになりやすい骨格の方に対しては、手術が必要となる可能性があります。

面長の方などは上顎の骨が縦に長く、その場合は上顎の骨を調整するため手術が必要となるのです。

また、歯茎を切除してつなぎ合わせることで、笑った時に見える歯茎の量を調整する手術もあります。

子供のうちにガミースマイルを治療するメリット

メリットとデメリットを比較する男性医師
ガミースマイルの治療方法をいくつかご紹介しましたが、なぜ子供のうちに治療を行ったほうが良いのでしょうか。

大人になってからでも遅くはないのではと感じている方も多いでしょう。実は子供のうちに行った方が、メリットがあるのです。

ここでは、子供のうちにガミースマイルを治療するメリットをご紹介します。

治療期間が短い

カレンダー
子供のうちに治療するメリットのひとつが、治療期間が短いことです。子供のうちは顎の骨や筋肉が成長段階です。

そのため、この成長途中の期間を利用して矯正治療ができます。大人の場合、すでに骨が硬くなってしまっているため、治療方法によっては期間が長期になる可能性があります。

特に10歳ごろまでの間は、骨が柔らかく動きやすいためスムーズに治療を進めることが可能です。

ある程度大きくなってからは、色々な都合で治療がスムーズに進まない可能性もあるため、子供のうちに治療を進めたほうが、治療期間が短くなる傾向なのです。

歯周病・虫歯のリスク軽減

ガミースマイルは、歯周病や虫歯のリスクとなる可能性があります。そのため、子供のうちに治療を進めておくことで、歯周病などのリスクを軽減することにもつながるのです。

ガミースマイルの場合、歯茎が空気にさらされやすくなるため口の中が乾燥しやすいです。

乾燥した状態が続くと、殺菌作用のある唾液が減少し口内の細菌や雑菌が繁殖します。すると、歯周病や虫歯になってしまうのです。口臭の原因などにもなります。

子供のうちからガミースマイルの治療を行えば、口内の環境を清潔に保てるようになります。虫歯などのリスクや口臭のリスクも減らせるため、早期治療が良いのです。

見た目のコンプレックスをなくせる

見た目のコンプレックスを無くせることも大きなメリットです。幼少期の子供は気にならないことも多いですが、思春期を過ぎると次第にコンプレックスを感じるようになります。

この時、ガミースマイルをコンプレックスに感じる方もいるでしょう。そうなると、人前で笑えなくなったり、人と話すことが嫌になったりするケースもあります。

早いうちに治療しておけば、強いコンプレックスとなったり、精神的な問題を抱えたりするリスクを回避できるでしょう。

早期に治療しておくことが将来的な問題にも役立つため、子供のうちに治療することはメリットが大きいのです。

子供のガミースマイルの治療は何歳から?

指を指す男の子
治療に適した年齢は、治療方法によっても異なります。例えばワイヤー治療などの場合、本人の歯並びやガミースマイルの問題を理解したうえで治療を進める必要があります。

そのため、治療に適した年齢としては7歳前後からが目安といえるでしょう。

この年齢であれば、歯や顎の成長との兼ね合いと、本人の治療の必要性を認識して治療の協力も可能と考えられます。

また、ヘッドギアによる治療であれば矯正できる期間が限られており、6歳~8歳までの間が目安となってきます。

治療方法と個人の骨の成長具合を相談しながら、適切な治療開始のタイミングを歯科医と相談の上で決めましょう。

ガミースマイルの治療にかかる費用

電卓
ガミースマイルの治療を始める年齢をご紹介しましたが、治療費かかる費用はどれくらいなのでしょうか。

通常の歯の矯正とは違うこともあり、どれくらいの費用がかかるのか不安に思っている方もいるでしょう。ここでは、ガミースマイルの治療にかかる費用をご紹介します。

歯列矯正の場合

歯列矯正でガミースマイルを治療する場合には、開始時期によっても異なります。仮に乳幼児から治療を開始した場合は、30万円前後~60万円前後となるでしょう。

また、永久歯になってからの場合は40万円~100万円ほどかかることもあります。治療は自由診療となります。

保険適用外のため、治療費は歯科医院によっても異なるため注意が必要です。費用の面で心配な方は、治療前に内容と費用をしっかりと相談して決めるようにしましょう。

その他の治療法の場合

歯列矯正でガミースマイルを治療する場合、治療の内容によって異なります。例えば、MFTの場合は1回あたり3,000円~5,000円程度です。

しかし、MFTだけでは治療が完了しないケースもあります。その場合は、他の治療内容の費用がかかってくるでしょう。

ヘッドギアの場合であれば、第1期治療の一環として行うことを考慮すると、30万円~60万円が相場です。

編集部まとめ

ドクター
ガミースマイルは、笑った時に歯茎の露出が見える状態のことです。チャームポイントのようにいわれることもありますが、コンプレックスに感じている方は少なくありません。

大人になってからも治療は不可能ではありませんが、子供のうちの治療の方が、治療期間が短く治療の幅も広がります。

また、子供のうちに治療を進めるメリットが大きいです。治療方法などを把握したうえで、将来のためにも子供のうちに早期治療を検討してみましょう。

しかし、治療費用も高額です。治療に対して不安に思う方も多いでしょう。少しでも疑問や不安を感じている方は、歯科医に相談して治療を進めることをおすすめします。

参考文献

この記事の監修医師