虫歯の治療法は進行度によって異なる!進行度別治療法まとめ
一口に虫歯の治療法といっても、その方法はさまざまです。1回の施術で終わるものもあれば、半年以上の継続的な通院が必要な場合もあるでしょう。また、治療費用も選択した治療法によって数千円〜数十万円と非常に大きな差が出てきます。
この記事では、虫歯の治療法だけでなく、治療法を選択するときに重要視される進行度の分類、そして治療にあたって気になる治療法ごとの治療費用について、Medical DOC編集部がお届けします。
この記事の監修ドクター:
池下 久登 歯科医師 山の手デンタルオフィス田町三田 院長
目次 -INDEX-
進行度ごとの虫歯5分類
虫歯は進行度によって5つに分類されており、進行度によって適用となる治療法が異なります。ここでは、まず虫歯の進行度の分類についてみていきましょう。
厳密に言えば虫歯ではない「C0」
もっとも初期の虫歯は「C0」と呼ばれ、この状態は厳密に言うと虫歯ではありません。「C0」は歯の表面にある「エナメル質」という部分が溶け始めている状態で、歯が白っぽく見えるのが特徴です。この状態では、虫歯特有の痛みや知覚過敏の症状を感じることはないでしょう。
軽度の虫歯は「C1」
「C0」から症状が進行し、エナメル質がかなり溶けて小さな穴が空いてしまうと「C1」という状態になります。「C0」はいわば虫歯になりかけの状態でしたが、「C1」は明確に虫歯と診断されるでしょう。「C0」と同じく痛みを感じることはほぼありませんが、まれに冷たいものが「歯にしみる」症状が現れます。また、「C1」になると、虫歯によって空いた小さな穴が黒や茶色に変色するため、外見上からも虫歯であることがわかるようになるでしょう。
早期の治療が必要な「C2」
歯の表面にあるエナメル質の下には「象牙質」という階層があります。虫歯菌がこの部分まで達した状態は「C2」と呼ばれ、「C1」では感じなかった虫歯特有のズキズキする痛みが発生するだけでなく、歯にしみる症状もより強くなってくるでしょう。「C3」や「C4」まで進行しないうちに、迅速に治療することをおすすめします。
かなり重症な「C3」
歯は、表面から順に「エナメル質」→「象牙質」→「歯髄(=歯の神経)」という階層によって成り立っている器官です。「C3」は虫歯が歯の神経である歯髄まで達した状態で、虫歯の中でもかなり重度に分類されます。この状態になると虫歯菌が歯の神経を直接刺激しているため、とても強い痛みが現れたり、知覚過敏の症状がより強くなったりするでしょう。痛みなどの自覚症状がかなり明確に出てくるので、日常生活に支障を及ぼすレベルの虫歯と言えます。
治療法が限られる末期の「C4」
「C4」は「C3」よりもさらに虫歯が進行した状態で、範囲があまり広くなければ被せ物で対処できますが、虫歯が広範囲に広がっていると抜歯する必要がある可能性が出てきます。「C4」では神経そのものが死んでいることも多いため、逆に痛みを感じていないケースも珍しくありません。
進行度によって異なる虫歯の治療法
虫歯の進行度が「C0」〜「C4」の5段階に分類されていることはおわかりいただけたでしょうか。虫歯は、この進行度ごとに適用される治療法が異なります。ここからは、進行度によって異なる虫歯の治療法について、それぞれ解説していきます。
「C0」は丁寧なブラッシングを心がけよう
最も初期の虫歯である「C0」は、厳密に言えば虫歯ではありません。そのため、丁寧なブラッシングなどのセルフケアで十分に対処可能です。毎日食後にしっかりと歯を磨き、口の中に歯垢が残らないようにしておけば、症状は徐々に改善していくでしょう。また、歯科医院でフッ素を直接塗布してもらったり、歯磨きの際にフッ素入りの歯磨き粉を使用したりするのも、セルフケアのひとつとして有効です。
「C1」は1〜2回の治療が必要
「C1」になるとセルフケアでの症状改善は難しく、歯科医院での治療が必要になってきます。治療の内容は、虫歯になった部分を専用の器具で削り、削った部分に詰め物をするのが一般的です。治療は1〜2回で、体への負担も少なくてすみます。また、症状がごく軽度であれば、虫歯部分を削ることなく経過を観察する場合もあるでしょう。
「C2」の治療法は基本的に「C1」と同じ
「C2」の治療法も、基本的に「C1」と同じく、虫歯になった部分を削って、その部分に詰め物をするのが主流です。ただ、「 C2」は「C1」に比べて治療範囲が大きくなる傾向にあるため、1回だけで治療完了するのはまれで、最低でも2回以上の治療が必要となるでしょう。
「C3」は虫歯と神経を取り除き被せ物をする
症状が「C3」まで進行すると、虫歯になっている歯だけでなくその神経まで取ってしまうケースが多くなります。神経がかろうじて残せる場合でも特殊なお薬で神経をガードしてあげる必要があります。残念ながら神経治療になってしまった場合は、神経を取ったところに土台を入れて内部から補強し、更にその上から被せ物をすることで外部から補強するのが一般的です。治療期間の目安は、約1〜3ヶ月となっています。。
「C4」になると歯を残すのは難しい
進行度が「C4」になると、いわゆる歯の神経が腐ってしまった状態で歯もほとんどが崩れてしまっているため、歯を残したまま治療するのは困難となります。一般的には、抜歯をしたあと、炎症がおさまったら入れ歯やブリッジなどで補う、補綴治療という治療を行います。よく話題になるインプラント治療もこの補綴治療にあたります。治療機間は治療法によっても異なりますが、3〜6ヶ月以上かかるのが一般的ですが、長いもので年単位の治療になることもあります。
虫歯治療にかかる治療費の目安
ここまでいくつかの治療法を紹介してきましたが、やはり気になるのは「治療法ごとにどれぐらいの治療費がかかるのか?」ではないでしょうか。ここでは、代表的な治療法とそれにかかる治療費のおおまかな目安をまとめてみました。虫歯治療をする際の参考のひとつにしてみてください(※3割負担の保険が適用された場合の実費負担額)。
- 詰め物(プラスチック)…約1,500円
- 詰め物(銀歯)…約3,000円
- 被せ物(銀歯)…約4,500円
- 抜歯…約2,000円
- 神経を抜く…約4,000円
- 入れ歯…約5,000円
- ブリッジ(銀歯)…約1万5,000円
※以下はすべて保険適用外の自由診療
- 詰め物(セラミック)…約4〜7万円
- 被せ物(セラミック)…約5〜12万円
- ブリッジ(セラミック)…約20〜40万円
- インプラント…約30〜50万円
このように、治療法やその治療材料によって治療費用にはかなりの差が出てきます。例えば、審美性(=見た目の良さ)は銀歯よりもセラミックの方が優れていますが、そのぶん治療費が高くなっている点には注意しておきましょう。治療方法や治療材料については担当医とじっくり話す必要があります。
一般的には進行度ごとにかかる治療費は虫歯の進行が進むほど高額になります。早期の対策や治療が大事ですね。
虫歯の最善の治療法&予防法
このように、虫歯には進行度に応じたさまざまな治療法があり、その治療費もかなりの幅があることはお分かりいただけたでしょうか。
虫歯は、症状が進行すれば進行するほど治療費が高くなるだけでなく、治療に要する期間も長期化してしまいます。自分の健康のためだけでなく、金銭的・時間的な負担を少しでも軽くするためにも、定期検診を欠かさずに早期発見・早期治療を心がけましょう。そして一番大事なのは日頃のセルフケアです!虫歯の予防にはもちろんのこと、虫歯の進行抑制、さらには虫歯になりかけの「C0」であれば、自宅でのセルフケアで症状が改善できます。
1にセルフケア、2に定期検診。これが最善の治療法&予防法です。
虫歯が進んだ!実際どんな歯医者を選んだらよいか
今回記事では虫歯の進行度についてお話させていただきました。では実際虫歯が進んでしまった場合どんな歯医者を選んだらよいのでしょう?
前回掲載の『虫歯が欠けるとどんな治療が必要になる?』(リンク貼れるなら貼ってください)でお話させていただいた歯科医院選びのポイントに加え、虫歯の進行度が上がってしまった場合の歯科医院選びのポイントとして、予約の際に『マイクロスコープ』があるかないかを聞いてみてください。
虫歯の進行度が上がった際に特に有効になるのがマイクロスコープという大きな治療用顕微鏡です。例えば神経を取るか取らないかのギリギリまで虫歯が進行してしまった場合でもマイクロスコープを使いながら虫歯を取ることで歯を削る量を最小限度におさえることができ、結果的に神経を残せる可能性が出てくるわけです。また残念ながら抜歯を選択しなければならないほど虫歯が進んでしまった場合も、マイクロスコープを使って抜歯することでまわりの組織へのダメージを最小限度にすることができるかもしれないので、その後の治療期間を短くなったり治療の幅が広がる可能性があります。
現在の歯科治療の基本は『歯はできるだけ削らない』です。ですから神経はもちろん歯そのものも取ることにならないように、僕ら歯科医師が努力していかなくてはなりません。
歯でお悩みの際は歯科医師にご相談ください。
歯医者さんに行きたくても怖くていけないで悩んでいる方は、まずは一度ご連絡ください。
僕が必ず力になります!
監修ドクター:池下 久登 歯科医師 山の手デンタルオフィス田町三田 院長
虫歯治療でおすすめの歯医者さん 関東編
山の手デンタルオフィス田町三田
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