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精度の高い治療を実現!歯科における顕微鏡治療とは?

 更新日:2023/03/27

虫歯や歯周病などの口腔内トラブルは誰にとっても憂鬱なもの。
これらの口腔トラブルは放置するとさらなる重症化へとつながってしまうため速やかな治療が求められますが、憂鬱な歯科治療だからこそ再発リスクの少ない確実な治療が望ましいのは言うまでもないことでしょう。
そこで今回は、正確かつ確実な診断・治療を実現する歯科における顕微鏡治療とは一体どのような治療なのかについてMedical DOC編集部がお届けいたします。

この記事の監修歯科医師
原田 裕之 (フェルナスデンタルクリニック 院長)

歯科における顕微鏡治療についての基礎知識


歯科における顕微鏡治療の特徴などについて探ってゆく前に、まずは顕微鏡治療の基礎知識について確認しておきましょう。

顕微鏡治療とは?

理科実験などでもお馴染みの顕微鏡。
対象物を拡大して視認するために用いられる道具であることは誰もがご存知のことかと思います。
肉眼では視認することのできない細部の視認を可能とする顕微鏡は、歯科治療においても歯科用顕微鏡(マイクロスコープ)として取り入れられており、その高い可視性がもたらす確実な診断によって多岐にわたる歯科診療において大変優れた治療効果を実現しているのです。

歯科用顕微鏡の優れた特徴

視認対象を拡大し診療をおこなうという用途では、歯科治療において古くから使用されている拡大鏡(ルーペ)を使用した診療と同様であると言えるでしょう。
しかし、歯科用顕微鏡には視認対象をおよそ3倍~30倍程度にまで拡大し観察することができるという圧倒的な拡大能力があるため、これまでの肉眼や拡大鏡による治療では視認することができなかった小さな虫歯や歯の根である根管内部、さらに被せ物や詰め物と歯との微細なズレなども視認することができるのです。
このような歯科用顕微鏡の優れた可視性は、一般的な虫歯治療や根管内部の治療に加えて、歯周病治療・型取り・インプラント治療など多岐にわたる歯科治療内容において正確な診断と確実性の高い治療をもたらしているのです。

顕微鏡治療のさらなるメリット

このように、非常に優れた可視性によって治療や診断の精度の向上をもたらす顕微鏡治療は、同時に治療や診断のミスを大幅に軽減することにもつながります。
従来どおりの肉眼や拡大鏡による治療では、初期の虫歯や根管内部など視認することができない箇所も多く、経験やカンに頼った治療によって治療後の虫歯の再発や治療ミスなどが生じてしまうケースも懸念されましたが、微細な部分の視認を可能とする顕微鏡治療においてはこのようなリスクは大幅に軽減される点もメリットであると言えるでしょう。
さらに、顕微鏡治療がもたらす治療・診断精度の向上は治療効果を長持ちされることにもつながります。
また、歯科用顕微鏡で撮影した映像を治療を受けている患者も見ることができるという点も顕微鏡治療の大きなメリットとしてあげられます。
患者自身が実際に自分の口腔内部や治療箇所を視認することができるため、治療に対する理解度の向上や口腔内セルフケアに対する意識の向上に大きく働きかけることができるのです。

治療内容ごとに見る顕微鏡治療


非常に優れた可視性をもつ歯科用顕微鏡を使用しておこなわれる顕微鏡治療は、歯科のあらゆる治療内容において治療・診断精度の飛躍的な向上をもたらしたことがここまでの解説でおわかりいただけたかと思います。
ここからは実際におこなわれる顕微鏡治療について、いくつかの治療内容を具体例として取り上げつつ解説してまいります。

初期虫歯の治療

虫歯治療において、初期段階で虫歯を発見し早期治療をおこなうことがもっとも望ましいのは言うまでもありません。 しかし、発生段階の虫歯は肉眼や拡大鏡では視認できない場合も多く、見過ごされてしまうことによって重篤化に至るまで進行してしまうケースもありました。
抜群の可視性をもつ顕微鏡治療によって虫歯を初期段階で発見することで、患者にとっての身体的・費用的にも負担が少ない早期治療によって虫歯を完治させることが可能となりました。

歯の内部や神経の治療

歯の表面組織であるエナメル質を突破し歯の内部にまで達してしまった虫歯は、やがて歯根内部やその中にある歯髄(神経・血管の束)にまで広がります。
非常に狭く複雑な形をしている歯根内部にまで達してしまった虫歯は、従来では抜歯による治療が一般的とされていました。
また、歯根内部の治療である根管治療によって抜歯を行わない場合でも、勘に頼った手探りの治療では虫歯や汚れなどの感染源が残ってしまいそこから虫歯が再発してしまうケースも多くみられました。
しかし、歯根内部までしっかりと視認し治療をおこなうことが可能となる顕微鏡治療は、感染源をしっかりと視認しつつ的確に除去することが可能となり根管治療成功率の飛躍的向上をもたらしました。
また、非常に狭く入り組んだ根管内部を治療する際には大変微細な治療器具が使用されますが、従来の治療ではこの器具が破損することによって歯根内部へと落ちてしまい、取り出すことが出来ずに根管治療を断然せざるを得ないケースもありましたが、根管内部までしっかりと視認することができる顕微鏡治療では器具を除去し治療を継続することも可能となったのです。

詰め物・被せ物による治療

虫歯治療によって削り取った歯を詰め物や被せ物などの人工物によって補う治療において、治療箇所の虫歯がしっかりと除去されていることが重要となります。
見落としによって虫歯が残ったまま人工物を被せてしまうとその内部で虫歯が進行してしまい、再発どころかさらなる重症化へと至ってしまうケースもあります。
治療箇所をしっかりと拡大して確認することができる顕微鏡治療は、虫歯の的確な除去による確実な治療を実現します。
さらに、必要以上に歯を削ることなく虫歯のみを的確に除去することができる顕微鏡治療は、治療をうける患者の身体的な負担の軽減にもつながります。
くわえて、従来では被せ物などの人工物と歯の間にスキマがあり、そこから虫歯菌が発生してしまうケースもありましたが、顕微鏡治療によってより精緻な人工物の作成と装着箇所の視認が可能となり、より確実な詰め物・被せ物の治療がおこなえるようになりました。

あらゆる歯科治療に効果を発揮する顕微鏡治療

顕微鏡治療は上記で取り上げた治療内容以外にも、歯科治療におけるあらゆるシーンにおいて絶大な治療効果を発揮します。
歯周ポケットなどに溜まったプラークやこびり付いた歯石・バイオフィルムの的確な除去が求められる歯周病治療において顕微鏡治療の優れた可視性はこれらの的確な除去をもたらします。
また、人工歯根を直接顎の骨に埋入するインプラント治療においても、顕微鏡治療がもたらす確実な視認がより確実な治療へとつながっています。
さらに、撮影した口内の映像を患者自身もリアルタイムで観ることができる顕微鏡治療は、患者自身の予防意識の向上やブラッシング指導などの予防においても非常に高い効果を発揮しています。

顕微鏡治療のデメリットとは?


その優れた可視性によって非常に高精度な診断・治療をもたらす顕微鏡治療には、治療自体のデメリットは皆無であると言っても過言ではないでしょう。
顕微鏡治療によってもたらされる間接的なデメリットとして挙げるならば、その高い可視性によって今までは見過ごされていた口腔内トラブルまでが明るみとなってしまい、次々と治療箇所が見つかり治療が長期化してしまうことが挙げられます。
また、顕微鏡治療は保険治療の対象となりますが、上記のように次々と治療をおこなうことによって自費診療となる治療内容が含まれ想定以上の治療費負担が生じてしまうケースもみられます。
しっかりと医師と相談し、治療範囲や治療目的を明確にしておくことを心がけると良いでしょう。
さらに、導入費用が高額で操作に高い技術力が求められる歯科用顕微鏡は、日本においてまだまだ普及が進んでいるとは言い難く、お住まいの地域によっては歯科顕微鏡を導入している歯科医院が無いため顕微鏡を受けられないというケースがあることもデメリットとして考えることができるでしょう。

原田 裕之 歯科医師 フェルナスデンタルクリニック 院長監修ドクターのコメント
今回は、歯科治療における顕微鏡治療とは一体なにかについて、その特徴やメリット・デメリットに加えて具体的な治療例なども挙げて解説いたしました。
肉眼や拡大鏡とは比較にならない程の優れた視認性をもつ歯科顕微鏡を使用した顕微鏡治療は、あらゆる歯科治療内容において非常に精度の高い診断や治療を実現することがおわかりいただけたかと思います。
正確かつ信頼性の高い歯科治療を実現する顕微鏡治療を検討してみてはいかがでしょうか?

監修ドクター:原田 裕之 歯科医師 フェルナスデンタルクリニック 院長

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フェルナスデンタルクリニック

出典:https://fernas-dc.com/

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