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口臭の原因は1つだけとは限らない! 歯科医院で原因を究明することが解決への第一歩

 更新日:2023/03/27

自分自身が気になったり、あるいは周囲の人に指摘されたりと、口臭で悩まされている人も少なくないのではないでしょうか。最近は、「口臭外来」という標榜科目も見かけるようになってきましたが、はたして、口臭の予防法はあるのでしょうか。また、気にしすぎによるストレスも気にかかるところです。そこで、口臭についての知っておくべき解決法と予防法を、「えがおこもれび歯科」の大原先生に解決していただきます。

大原 正太郎医師

監修歯科医師
大原 正太郎(えがおこもれび歯科 院長)

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明海大学歯学部卒業。同大口腔外科第1講座入局後、民間歯科医院勤務を経た2019年、大阪府吹田市に「えがおこもれび歯科」を開院。笑顔で安心して通える歯科医院を目指している。

口臭の原因とは?

口臭の原因とは?

編集部編集部

自分の口臭で悩んでいます……。どうすればいいでしょうか?

大原 正太郎医師大原先生

前提として、「何をすれば口臭を防げるのか」と考えがちですが、口臭の原因の多くは複合的で、個人ごとに異なります。ですから、口臭を心配されているとしたら、まずは歯科医院へ受診して、複数考えられる原因を洗い出すことからはじめてみてはいかがでしょうか。

編集部編集部

なるほど。ちなみに、頻度として多い口臭の原因はなんでしょうか?

大原 正太郎医師大原先生

最も多いのは「舌苔(ぜったい)」と言われています。舌の上に白く見えるザラザラしたもので、その正体は老廃物や菌などです。目立つようであれば、「舌ブラシ」を活用してください。なお、歯ブラシでは刺激が強すぎるため、舌ブラシを推奨しています。

編集部編集部

口の中の「乾燥」が口臭の元という説も聞いたことがあります。

大原 正太郎医師大原先生

たしかに、乾燥も関係しています。口腔内の乾燥は、菌の繁殖に好都合ですし、唾液による洗浄効果も望めません。また、「なぜ乾燥しているのか」という原因も突き詰める必要があります。「唾液の分泌が元々少ないのか」、「習慣的に口呼吸をしているのか」、「花粉症などの季節要因で口呼吸になっているのか」、「服用している薬が関係していないか」など、考えられる点は多岐にわたります。

編集部編集部

そのほかに、口臭の原因はありますか?

大原 正太郎医師大原先生

むし歯や歯周病も原因として考えられます。そして、むし歯や歯周病の自覚がある場合と、気づいていない場合があります。こうしたお口の状況は、歯科医師が診てみないとわかりません。インターネットで調べてみても、「見当違い」になる可能性があります。さらに、原因が1つとは限らないので、やはり自分の口臭が気になったら歯科医院に受診してほしいですね。

根本的な原因の解決がカギ

根本的な原因の解決がカギ

編集部編集部

口臭の原因は、「口」以外も考えられるでしょうか?

大原 正太郎医師大原先生

考えられますよ。例えば、鼻づまりや副鼻腔(びくう)炎です。口呼吸の原因にもなりますし、鼻水に含まれる菌が臭いを発生するからです。あるいは、消化器系・呼吸器系の内臓疾患も口臭に関係してくるかもしれません。

編集部編集部

そうなると、歯科医院に相談しても解決しないケースがありそうですね。

大原 正太郎医師大原先生

たしかにそうですが、まずは頻度として多い歯科領域の原因を洗い出してみてはいかがでしょうか。そのうえで、例えば「口腔乾燥症」が自己免疫疾患によるものと疑われれば、内科を受診してみるようにアドバイスいたします。

編集部編集部

それでも、受診が手間に感じて、ついマウスウォッシュで済ませてしまいます。

大原 正太郎医師大原先生

一時的には役に立つかもしれませんが、根本解決をしていないので、1時間もすれば口臭が元に戻ってしまうと思います。やはり、根本的な原因の解明をしておきたいですよね。

編集部編集部

市販されている消臭タブレットの類も同様でしょうか?

大原 正太郎医師大原先生

そうですね。口臭の原因が舌苔やむし歯にあったとしたら、解決していません。たしかに、大事な場面での「エチケット」としては有用なのかもしれませんが、「臭いを消す」ことより、「原因を治す」ことに比重を置いてほしいと思います。

口臭に対して歯科医院でできること

口臭に対して歯科医院でできること

編集部編集部

口のケアばかりしていても、根本的には解決しないということですね。

大原 正太郎医師大原先生

そういうことになります。様々な原因が積み重なって口臭を引き起こしているため、「一つひとつ原因を取り去っていくような治療」があるべき姿だと考えます。その際、どこまで除外すればゴールなのかは個人で異なり、「原因がゼロになるまで治療を続ける」必要もないと思います。また、他人が気にならない程度なら治療は不要なので、その点も注意してほしいです。

編集部編集部

たしかに、自分で不安を感じていても、実際には「臭っていない」場合は考えられそうです。

大原 正太郎医師大原先生

はい。その点も含めて、歯科医師に診てもらうことが重要なのです。実際、「気にしているほど臭っていない」ケースはあります。昨今、マスクをする機会の増加によって呼気が口の中にこもってしまい、口臭を気にされる人も多くなりました。しかし、「病的な臭い」とは言えないこともあるのです。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

大原 正太郎医師大原先生

口臭のご相談をきっかけにして、歯やお口の病気が見つかることもあります。被せ物や詰め物が劣化して、むし歯の再発リスクを高めている場合もあるでしょう。そうなると、治療内容は歯科領域になってきます。やはり、口臭のご相談の入り口は「歯科医院」がふさわしいと考えます。ぜひ、一度は受診していただきたいです。

編集部まとめ

口臭は、他人から指摘されるようなことが少ないため、主観で思い込んでしまうのかもしれません。その意味でも、第三者的な歯科医師に確認してもらうことが重要とのことでした。そして、「口の中に潜んでいた病気や異常」を解決した結果として、口臭が解決されることもあります。

医院情報

えがおこもれび歯科

えがおこもれび歯科
所在地 〒〒564-0083 大阪府吹田市朝日が丘町16-5
アクセス JR「吹田駅」 徒歩11分
診療科目 歯科、小児歯科、口腔外科、矯正歯科

この記事の監修歯科医師