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歯周病の治療とは|歯周病治療の重要性・歯周病を放置するリスク

 更新日:2024/05/02
歯周病の治療とは|歯周病治療の重要性・歯周病を放置するリスク

歯周病は、歯垢の中に繁殖した細菌が歯肉を弱らせ炎症を引き起こす感染症です。歯周病が進行すると歯茎や歯を支える骨を溶かしてしまいます。

そのため、膿が出たり歯がぐらぐらしたりして、最終的には歯を失うことになります。

歯周病の原因は歯垢ですが、歯磨きが不十分な部分に付着して時間が経つと硬くなり歯石とよばれる物質に変化します。

歯垢が歯石に変化すると歯磨きだけでは取れず、やがて歯周ポケットに入り込んだ細菌が歯周組織を破壊して炎症を繰り返すことになります。

また、炎症によって毒性がある物質が作られ、この炎症性物質は歯肉の血管から全身に潜り込みさまざまな病気を引き起こす原因となるのです。

本記事では、歯周病治療の重要性と歯周病が関連する病気や治療法などを解説します。また、歯周病の予防法なども解説するのでぜひ参考にしてください。

谷口 善成

監修歯科医師
谷口 善成(たにぐち歯科)

プロフィールをもっと見る
昭和61年神奈川歯科大学卒業
平成元年太陽歯科医院に分院長として勤務
平成3年埼玉県さいたま市(JR東浦和駅前)にて「たにぐち歯科」開設
平成7年医療法人社団善歯会 設立
平成10年埼玉県さいたま市(JR武蔵浦和駅前)にて「ラムザ歯科クリニック」開設
平成14年ハーバード大学インプラント科にてインプラント技術研修・研究(ピーター・ハンス・ウェーバー教授に師事)
平成15年日本口腔インプラント学会研修施設(総合インプラント研究センター)学術担当理事に就任
平成17年G.O.I.A JAPAN常任理事に就任
同年10月横浜にて行われたG.O.I.Aワールドコングレス実行委員(外渉・進行委員)
平成18年5月再渡米し、ハーバード大学インプラント科の学生に講義を行なう
同年イツフライドブルク大学にてインプラント手術研修
平成19年6月ポルトガル(リスボン)にあるマロ・クリニックを訪問し、Dr.パウロ・マロに師事、オールオン4プライベートコース修了
同年12月スタッフセミナースウェーデン方式(インプラント術前準備における感染予防対策)
平成20年10月フランス(パリ)にて、Dr.フランク・レノワーによるインプラント研修
平成22年6月横浜にて、オールオンフォーライブオペ参加
【Dr.フランク・レノワー、春日井昇平先生(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科教授)、古賀剛人先生】

歯周病治療の重要性

歯周病治療の重要性
歯周病は成人の約8割がかかっているといわれており、歯を失う原因の多くを占めています。
歯周病を放置すると全身に多くの影響を及ぼす恐れがありますが、歯科医院にて早期発見することで完治が期待できる病気です。
一方、重症度が増すと歯を残して治すことが困難になり、抜歯しか治療する方法がなくなります。また、歯周病が中等度以上になると治療時間も長くなります。

近年、歯周病はアルツハイマー型認知症を引き起こす要因の1つであることがわかってきました。
アルツハイマー型認知症は、アミロイドベータなどのたんぱく質が脳に蓄積して発症すると考えられます。歯周病菌はこのアミロイドベータの蓄積スピードを速めてしまうのです。
また、歯周病は歯を失うリスクが高い病気ですが、残存歯の本数が少ない程認知症を発症しやすいと報告されています。
そのため、歯周病を治療することは認知症の発症リスクを軽減させることにもつながります。

歯周病を放置するリスク

歯周病を放置するリスク
歯周病が進行して生じた炎症性の毒性物質は、全身に感染して悪化させると考えられています。歯周病関連の疾患は以下のものがあります。

  • 糖尿病
  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 狭心症
  • 妊娠性歯肉炎
  • 骨粗鬆症
  • 誤嚥性肺炎
  • 早産・低体重児出産
  • 関節炎
  • 腎炎
  • メタボリックシンドローム

下記では、主な疾患について解説します。

糖尿病

歯周病と糖尿病は双方向の関連があることが多く報告されています。歯周病は血糖値を下げる役割を持つインスリンの働きを妨げて糖尿病を悪化させるのです。
一方、糖尿病は免疫不全やストレスから歯周病を悪化させることもわかっています。このように歯周病と糖尿病は密接な関係があります。
そのため、糖尿病患者さんには歯周病の治療を行うことで、炎症性サイトカインが減少してインスリンの抵抗性が改善され、糖尿病の治療につながると考えられています。

心筋梗塞や動脈硬化など

血管内が炎症を起こすと、白血球やリンパ球が誘導され脂肪が血管内の内壁に泡状の細胞となって定着します。
その泡沫細胞はコレステロールの塊となって動脈硬化をもたらすのです。動脈硬化が起こると心筋に血液を送ることが難しくなります。
動脈硬化は食生活・運動不足・ストレスなどが要因と考えられますが、ほかに歯周病の原因菌の細菌感染が要因することがわかってきました。
しかし、歯周病の治療を行うとCRP(C反応性たんぱく質)値や血管内皮機能は改善されますが、動脈硬化症の直接的な抑制になるかは報告されていません。

誤嚥性肺炎

歯周病は、75歳以上の高齢者の罹患率が増加しています。また、肺炎は日本人の死亡原因の第3位に挙げられるものです。
高齢者が肺炎で亡くなる要因として考えられるものに誤嚥性肺炎があります。誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が誤って気道に入り込むことで、唾液中の細菌やウイルスなどが肺に炎症を起こす病気です。
この細菌の多くは歯周病菌であるといわれています。また、口から食べ物を摂取していない人でも口腔の自浄作用の低下で誤嚥性肺炎を起こすことがあります。
免疫力が低下している高齢者は、誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなるのです。誤嚥性肺炎の3大リスク因子は次のものになります。

  • 口腔内の微生物の増加=ケア不足や歯周病など
  • 口腔機能の低下=咀嚼嚥下機能低下など
  • 免疫力の低下=高齢・糖尿病・低栄養など

誤嚥性肺炎の予防には、歯周病治療が重要になります。

早産・低体重児出産

妊娠すると女性ホルモンが特定の歯周病原細菌の増殖を促すことから、歯茎が赤くなって出血や腫れるなどの症状が考えられる妊娠性歯肉炎にかかりやすいといわれています。
この歯肉炎はやがて歯周炎(歯の骨を減少させる炎症)になり、早産や低体重児を出産するリスクが高まると考えられるのです。これは、歯周病の細菌が血中に入り込み、胎盤を通じて胎児に感染させるためと考えられています。
歯周病の胎児への影響は、喫煙・飲酒・高齢出産よりも高いです。ただし、歯垢が残らないように口腔内を清潔に保てば重度の歯周病になることはないので、過度に心配しないよう妊娠中も定期的に歯科受診することをおすすめします。

歯周病の治療法

歯周病の治療法
歯周病の治療は主に歯周基本治療になりますが、歯周病が歯肉の奥深くに溜まった場合には歯周基本治療だけで取り除くことが難しく、歯周外科治療を行うことになります。
治療後に再検査を行い、歯周病が改善できていれば口腔機能回復治療やメンテナンスに移行し、改善がみられなければ再度治療することになります。

歯周病基本治療

歯周病の治療の最初に行う方法が歯周基本治療です。

  • モチベーションとプラークコントロール=患者さんの動機づけと歯磨き方法の指導
  • スケーリングルートプレーニング=歯垢や歯石を機械で除去・歯の表層をきれいに整える
  • 咬合調整=噛み合わせの調整
  • 暫間固定=ぐらぐらしている歯を隣の歯と接着して固定する
  • 不良修復物および補綴装置の除去
  • 治療後の修復と補綴治療
  • 歯ぎしりの治療
  • 局所薬物配送システム=歯周ポケットの内部に抗菌剤を注入する
  • 歯周病検査

歯周組織の改善や歯周ポケットの深さが2~3mm程度になればメンテナンスに移行することができます。

歯周病外科治療

歯周基本治療後の再評価検査で改善がみられない場合や歯周病が重度の場合は歯周外科治療を行います。

  • 歯周ポケット搔爬術=汚染歯根面を徹底的に掻き出して除去する
  • フラップ手術=歯肉面を剥離して不良肉芽を除去・スケーリングルートプレーニング・歯肉や歯槽骨の整形・歯肉弁の縫合
  • 切除療法=一部の歯肉を切開して歯周ポケットの減少や除去を行う
  • 暫間固定=ぐらぐらしている歯を隣の歯と接着して固定する
  • 歯周組織再生療法
  • 歯周形成手術=口腔内環境の確保と審美性の改善
  • 根分岐部病変治療=歯周ポケットの除去・患者さんのメンテナンスのできやすいように分岐部を修正する
  • レーザーの応用
  • 部分的再評価

歯周外科治療後の検査で歯周病の治癒が確認されればメンテナンスへ移行します。また、ポケットの深さが4mm未満で歯肉に炎症が残っている場合は、歯周病重症化予防治療を行うことになります。

口腔機能回復治療

口腔機能回復治療は、歯周病の治療後に歯の欠損部分や咬合の回復のために、被せ物・ブリッジ・入れ歯義歯)を装着する補綴や修復する治療です。これにより噛む力を向上させます。

メンテナンス

歯周病が治癒したと判断された後は、新たな歯周病の発症予防のために定期的に歯科受診して口腔内の検診をする必要があります。メンテナンスの手順は以下の通りです。

  • プラークの染め出し=歯を染色して磨き残しを確認する
  • 研磨剤の塗布
  • 歯間の清掃と研磨
  • 歯のクリーニング
  • 噛み合わせのチェック
  • 動揺度検査
  • 歯肉の確認と歯茎のマッサージ

歯周病は油断すると再発しやすい病気です。メンテナンスの期間は歯周病の重症度や状態により異なりますが、定期的なメンテナンスで再発を防ぐことが可能です。

歯周病を予防する方法は?

歯周病を予防する方法は?
歯周病は歯磨きが不十分だったりメンテナンスを怠ったりすることで、細菌が繁殖し再発します。そのため、定期的な検診は歯周病の再発防止に有効な手段です。

定期検診

歯周病は容易に再発しやすい病気です。メンテナンスは継続する必要があり、期間を設定して検診することで歯周病を早期発見することができます。3~6ヵ月毎の定期健診がおすすめです。

定期的な歯科医院でのクリーニング

歯垢は毎日の歯磨きでほとんどを除去できますが、歯周ポケットや歯並びの悪い部分の歯垢は除去することが難しいです。
そのため、除去しきれなかった歯垢を専門的な技術や機械で取り除く必要があります。
定期的に歯科医院でクリーニングすることや、必要であれば歯周ポケットに抗菌剤を注入すれば歯周病の再発防止につながります。

歯周病のことならたにぐち歯科にご相談を

たにぐち歯科 診療室
痛みの少ない歯周病治療をしてくれる歯科医院を探している方は、JR東浦和駅から徒歩1分のたにぐち歯科がおすすめです。

たにぐち歯科は、早くからスウェーデン式歯周病治療を取り入れた歯科医院です。また、たにぐち歯科は歯周病治療のほかにさまざまな診療を行っています。

たにぐち歯科の診察室は間仕切りされているので、ほかの患者さんを気にすることなく治療ができます。また、予約をすれば診察しなくても酸素カプセルを使用することが可能です。

スウェーデン式予防治療を提供

たにぐち歯科では、スウェーデン式歯周病治療ぺリソルブを使用した歯周病治療を行っています。ぺリソルブを使用するメリットは4つあります。

  • 歯肉への負担が少ない
  • 痛みが少なく腫れが引きやすい
  • 抗生物質ではないので刺激や副作用がない
  • 殺菌して歯石を除去する作用があるので細菌が体内に侵入しない

ぺリソルブはスウェーデンで開発された歯周病治療薬ですが、この薬剤は歯石をやわらかくし殺菌するので、歯肉への負担や痛みが少ないです。この歯周病治療薬を使うことで、痛みの少ない治療の提供が可能になるそうです。

スウェーデンの先進的な歯科医療を学んだ歯科医師・歯科衛生士

たにぐち歯科 院長先生
たにぐち歯科の院長である谷口善成院長は、医療法人社団義歯会グループの理事長も務め、日本スウェーデン歯科学会の理事も兼任しています。

また、歯科先進国のスウェーデンで歯科治療や予防法を学び、スウェーデン式のプログラムで歯周病治療を行っています。

たにぐち歯科の歯科医師や歯科衛生士も同じように、スウェーデンの先進医療を学んでいるそうです。

スウェーデン式予防的治療の費用はおおよそ88,000円(税込)です。酸素カプセルや高精度体成分分析装置(体の4大構成成分・骨格・筋肉バランスの測定装置)・血流スコープ・半導体レーザーなどを使用した治療が行われています。

自分の歯をできるだけ残す治療で全身健康をサポート

たにぐち歯科は、1991年に開業して以来、全身の健康をサポートする治療を重視した治療を行っているそうです。たにぐち歯科のコンセプトは健康寿命を延ばすことだといいます。

口腔機能の向上は健康寿命を延ばすという考えから、治療は予防に重点を置いてむし歯や歯周病対策を行っているそうです。

もちろん、すでに歯周病にかかっている患者さんの治療後のメンテナンスにも対応しています。

口腔機能の向上によって健康寿命を延ばすことを大切にしているたにぐち歯科で、一緒にお口の健康を考えてみてはいかがでしょうか。

たにぐち歯科の基本情報

アクセス・住所・診療時間・費用・治療回数・治療期間

JR武蔵野線 東浦和駅 徒歩1分

埼玉県さいたま市緑区東浦和1-1-1 プレンティー東浦和2F

診療時間
9:00~13:00
14:30~19:00

最終受付は18:30
水曜(祝日のある週は診療)
▲:土曜は18:00まで(最終受付 17:00)

【費用(税込)】
歯周病菌PCR検査 5,500円
【治療回数・治療期間】1回

この記事の監修歯科医師