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シーラント処置は保険適用で受けられる?処置の内容や適用条件を解説

 公開日:2026/05/03
シーラント処置は保険適用で受けられる?処置の内容や適用条件を解説

子どもの歯を守るための予防治療としてよく耳にする処置にシーラントがあります。しかし、実際にどのような処置なのか、また費用や保険適用の条件については詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、シーラント処置の基礎知識から、保険適用で受けられる条件、大人でも受けられるのかといった疑問まで、詳しく丁寧に解説していきます。
歯の健康を長く保つための知識として、ぜひ最後までお読みください。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

シーラント処置の基礎知識

シーラント処置の基礎知識

シーラント処置とはどのような処置ですか?

シーラントとは、主に奥歯の噛み合わせ部分にある溝を、歯科用のプラスチック素材であるレジンなどで物理的に塞ぐ処置のことを指します。

奥歯の、特に生え変わったばかりの永久歯の表面には、複雑で深い溝が存在しています。この溝は歯ブラシの毛先が届きにくいほど細かく、食べかすやプラークが溜まりやすい場所となっています。シーラントは、この溝をあらかじめ埋めて平らに整えることで、汚れが溜まるのを防ぎ、日々の歯磨きをしやすくする予防処置です。

この処置の大きな特徴は、歯を削る必要がないという点にあります。一般的なむし歯治療では悪くなった部分を削ってから詰め物をしますが、シーラントは健康な歯の表面に薬剤を塗布して固めるだけです。そのため、歯科医院に対して苦手意識がある子どもでも、無理なくスムーズに受けることができる処置といえます。

シーラント処置を行う目的を教えてください

シーラント処置を行う主な目的は、奥歯の溝から発生するむし歯を未然に防ぐことにあります。
特に乳歯から永久歯に生え変わった直後の時期は、歯の表面を覆っているエナメル質がまだ十分に硬くなっておらず、むし歯になりやすい状態にあります。くわえて、新しく生えてきた奥歯は手前の歯よりも背が低いため、通常の歯磨きでは毛先が届かず、磨き残しが生じやすくなります。

こうしたリスクの高い時期に、汚れの入り口となる溝をあらかじめ封鎖しておくことで、大切な歯の健康を維持し、将来的に歯の寿命を延ばすことにつなげます。一度むし歯になって歯を削ってしまうと、その歯の寿命は削っていない歯に比べて短くなる傾向があります。そのため、早いうちからむし歯にさせないという予防の考え方は、一生自分の歯で食事を楽しむためにとても重要となります。

シーラント処置にリスクやデメリットはありますか?

シーラント処置そのものは、歯を削る必要がないため、痛みを感じることもなく安全性の高い処置です。しかし、いくつか留意しておかなければならない点も存在します。
一つ目のポイントは、シーラントをすれば必ずしもむし歯を防げるわけではないという点です。シーラントは歯を削らずに表面に接着させているだけであるため、硬いものを噛んだときの衝撃や、経年変化によって欠けたり、外れたりすることがあります。もし一部が欠けて隙間ができると、そこから細菌が入り込み、歯の中でむし歯が進行してしまうリスクが生じます。これを防ぐためには、定期的に歯科医院でシーラントの状態を確認してもらう必要があります。

二つ目のポイントが、予防できるのは溝からのむし歯のみであるという点です。歯の根元や、隣の歯と接している側面からのむし歯を防ぐ効果はありません。そのため、シーラントをしたからといって安心しきってしまうのではなく、毎日の丁寧な歯磨きやデンタルフロスの使用を継続することが不可欠です。あくまでも、むし歯になりやすい箇所を一つ減らした状態であると理解しておくのがよいでしょう。

保険適用でのシーラント処置

保険適用でのシーラント処置

シーラント処置は保険適用で受けられますか?

はい、シーラント処置は厚生労働省が定める対象条件に適合していれば、保険適用で受けることが可能です。

日本の公的医療保険制度では、単なる予防のみを目的とした処置は保険外となることが多いですが、シーラントについてはその高い予防効果が認められているため、特定の条件下で保険診療の対象となっています。

保険適用でシーラント処置を受ける条件を教えてください

保険適用でシーラントを受けるためには、一般的に以下のような条件を満たす必要があります。
まず、対象となる年齢が6歳から12歳程度の範囲内であることです。これは、乳歯から永久歯への生え変わりが活発に行われる時期であり、特に予防が必要とされる段階だからです。
次に、対象となる歯が、生えて間もない永久歯の奥歯や、むし歯のリスクが高い乳歯の奥歯であることです。具体的には、第一大臼歯や第二大臼歯と呼ばれる大きな奥歯などが該当します。
そして、歯科医師によって初期のむし歯の兆候があると診断された場合、またはむし歯になるリスクがとても高いと判断された場合も条件に含まれます。従来は初期むし歯があることが厳格な条件とされていましたが、現在は予防の観点から、定期的な管理を行っている歯科医院において、適切なタイミングであれば適用されるケースが多くなっています。

大人も保険適用でシーラント処置を受けられますか?

原則として、大人が予防目的でシーラント処置を希望する場合、保険適用外の自由診療となることがほとんどです。
保険適用の基準は、あくまでもむし歯のリスクがいちじるしく高い生え変わり期の子どもを主な対象としているためです。大人の歯はすでにエナメル質が成熟して硬くなっており、溝も長年の摩擦によって浅くなっていることが多いため、子どもほどの緊急性や予防効果が認められにくいという背景もあります。

ただし、歯科医師が診察した結果、特定の疾患や口腔環境の変化によって、著しくむし歯のリスクが高いと判断した特殊なケースにおいては、例外的に認められる可能性もあります。基本的には、大人の場合は自費診療になると考えておいたほうがよいでしょう。

保険適用で受けられるシーラント処置以外の予防治療はありますか?

保険適用で受けられる予防につながる治療は、シーラント以外にもいくつか存在します。

まずあげられるのが定期的な歯科検診です。歯科医師や歯科衛生士がお口の状態を詳しくチェックし、将来的なリスクを把握します。
次にあげられるのが、スケーリングなどの汚れを除去する処置です。むし歯や歯周病の原因となる歯石や歯垢、歯の表面に付着しているバイオフィルムなどは、セルフケアで除去することが難しいため、歯科医院での専門的な方法で処置することができます。
さらに、フッ素の塗布もあげられます。フッ素は歯の再石灰化を促し、エナメル質を強化することができる成分です。フッ素を塗布することで、むし歯の予防をしながら歯を強くすることができます。

保険適用外のシーラント処置

保険適用外のシーラント処置

保険適用外でシーラント処置を行う場合はありますか?

保険適用外であっても、シーラント処置を行う場合は十分にあります。

例えば、13歳以上の方や、むし歯の兆候がまったくない健康な歯に対して、あくまで念のための予防を目的としてシーラントを希望する場合などは、原則として保険適用外の自由診療となります。保険診療はあくまで病気に対する治療を目的としているため、純粋な予防の範囲とみなされる場合は自費での対応となります。
また、保険診療のルールで定められた回数や期間を超えて、より頻繁なケアを希望する場合も自費診療の扱いとなります。

保険適用外のシーラント処置の費用目安を教えてください

保険適用外でシーラント治療を受ける際の費用負担額は、歯科医院ごとに設定が異なりますが、一般的には1500円から3000円程度が相場です。

保険適用の数百円程度と比較すると負担は増えますが、将来的に大きなむし歯になって高額な治療が必要になるリスクを考慮すれば、十分に検討に値する価格帯といえるでしょう。
シーラント処置を検討される際は、事前に費用の総額を確認しておくことをおすすめします。また、歯科医院によっては定期検診の費用に含まれている場合や、複数本の処置をセットで行うことで費用を調整している場合もあります。

保険適用外なら大人でもシーラント処置を受けられますか?

大人の方であっても、ご自身の希望でシーラント処置を行いたい場合は、歯科医師に相談したうえで治療を受けることが可能です。

大人の方は子どもに比べて噛む力が強く、歯の摩耗も進んでいるため、シーラントが外れやすいという注意点があります。しかし、親知らずの周辺や、もともと溝が深くて汚れが溜まりやすいと感じている方には有効な選択肢といえます。お口の状態を適切に診断してもらったうえで、メリットとデメリットを比較し、適切な予防計画を立てることが推奨されます。大人の場合は、シーラントだけでなく歯科クリーニングと併用することで、より高い予防効果が期待できます。

編集部まとめ

編集部まとめ

シーラントは、奥歯の溝を埋めてむし歯を予防する有効な手段です。6歳から12歳の子どもであれば保険適用となるケースが多く、大人の方でも自由診療で受けることが可能です。

処置後も定期検診とセルフケアを継続することが、健康な歯を長く保つための鍵となります。大切な歯を守るために、まずはかかりつけの歯科医院で相談することから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修歯科医師