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CR充填とは?適応となる症状やメリット・デメリット、注意点を解説します

 公開日:2026/05/05
CR充填とは?適応となる症状やメリット・デメリット、注意点を解説します

CR充填という言葉に耳馴染みがないという方は多いでしょう。しかし、実はCR充填は歯科治療においてとても一般的な処置なのです。
では、CR充填とはどのような処置なのか、メリットやデメリットはなんなのかなど、注意点も含めて詳しく解説します。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

CR充填の基礎知識

CR充填とはどのような治療ですか?

CR充填とは、軽度や中程度のむし歯治療において歯を削った箇所を充填する処置のことです。CRとはコンポジットレジンの略称で、コンポジットレジンとは歯科医院で歯の治療に用いられる白い色の樹脂素材を指します。
むし歯治療において、歯を削った箇所を補う方法としては詰め物(インレー)や被せ物(クラウン)といった補綴物がありますが、これらは歯を削った後に型取りを行い、採取した型に合わせて歯科技工士などが丁寧に補綴物を作成し、歯科医院で固定するという流れで行います。そのため、歯を削ってから最終的な状態になるまでの期間が長く、通院も複数回必要になるというデメリットがあります。
一方、CR充填は、型取りが不要であり、直接穴に詰めて表面の形を整えるだけで完了できるため、治療期間が短く、歯を削る量も少なく抑えることができるというメリットがある治療方法です。

CR充填の具体的な治療の流れを教えてください

CR充填によるむし歯の治療は、まずはじめに必要に応じて事前に麻酔を行い、痛みが生じるのを抑えます。その後、むし歯の感染箇所を丁寧に削り、消毒を行います。
それから、CR充填の前処理として、エッチングと呼ばれる歯の表面を粗造化する処置を行い、接着剤となるボンディング材を塗布します。そのうえでCRを充填し、LEDの光を照射して硬化させます。仕上げとして噛み合わせを確認し、必要に応じて表面を削るなどして形を整え、滑らかに研磨して完了です。

CR充填のメリットを教えてください

CR充填にはさまざまなメリットがあります。
まず、型取りをせずに詰め物ができるということです。複雑な形状の治療箇所に対しても、流動的な状態で充填できるため、隙間なく治療によって削った箇所を埋めることができます。これによって治療を行った歯に細菌が入りこみにくく、むし歯の再発を防ぐ効果が期待できます。
また、型取りの工程が省けることで治療時間を短く抑えることができ、通院回数も少なく済みます

次に挙げられるのが、高い審美性です。コンポジットレジン歯の色に近い自然な白色を選択することが可能であるため、周囲の歯の色に馴染みやすく、治療箇所が目立ちにくく美しく整います。
さらに、経済的にもメリットがあります。CR充填は原則として保険診療で可能なため、費用負担が軽く抑えられます。ただし、歯科医院の判断や使用する材料によっては自費診療となる場合もあります。

CR充填にデメリットはありますか?

CR充填におけるデメリットもいくつか存在します。
まず、天然の歯や自費診療のセラミックに比べると強度が低いため、欠けや離脱などが起きる場合があります。そのため、強い力が加わりやすい奥歯や、広範囲への充填には不向きといえます。

また、経年変化によって変色や着色することがあるため、治療を行っていない箇所との色の差が目立ってしまうなど、長期間の使用で審美的な低下が見られる場合があります。
さらに、経年変化が生じるとむし歯の再発リスクが高まってしまう点も欠点といえます。強度が限られていることや接着力の低下が原因で、歯と材料との間に微細な隙間ができやすく、そこから細菌が入り込み再感染してしまうリスクがほかの補綴物に比べて高い傾向にあります。

CR充填の適応

CR充填の適応

CR充填が適応となるのはどのような症状ですか?

CR充填は、軽度や中程度のむし歯の治療が主な適応となります。エナメル質や象牙質の層にとどまっているむし歯の症状に対し、感染箇所のみを削った小さめの範囲に充填するのが適切です。
一方で、重度のむし歯の場合は削る範囲が大きく、強度が限られるCR充填では支えきれないため不向きと判断されます。

進行したむし歯はCR充填の適応とならない場合がありますか?

はい、むし歯の進行が重度になると、CR充填の適応にならないことが多いです。
CR充填のデメリットとして、強度がほかの補綴物に比べて低いことや、摩耗や経年変化によって隙間ができやすく再発のリスクがあることなどが挙げられます。

そのため、広範囲への充填や、再発による重度化のリスクが高い状態の歯に対する充填は適応外となることがあります。進行した重度のむし歯の場合は、歯を大きく削ることで歯そのものの強度が低くなってしまっているため、より強固な詰め物や被せ物などが選択されます。

CR充填を保険適用で受ける場合の費用の目安を教えてください

CR充填を保険適用で受ける場合、3割負担の窓口支払いで1本あたり700円から1500円程度となるのが一般的です。これには診察料や処置料が含まれますが、お口の状態などによって多少前後することがあります。

CR充填の適応とならない場合の治療

CR充填の適応とならない場合の治療

適応外の症例でも自費診療ならCR充填を受けられる場合はありますか?

保険適用外の症例であっても、自費診療としてCR充填を受けられる場合があります。自費診療でのCR充填はダイレクトボンディング治療と呼ばれ、保険診療では適用外となるような広範囲の欠損修復や、すきっ歯の隙間を埋める治療、歯の形を整えたり変色を修正したりといった審美的な治療などが対象の方法です。

例えば、過去に治療した金属の詰め物が劣化した箇所のやり直しや、より自然な白さを追求したい場合などが自費診療の範囲です。金属アレルギーがある方にとっては、メタルフリー治療のなかでは費用を抑えやすい選択肢といえます。

CR充填の適応とならないむし歯の治療法を教えてください

CR充填が適応とならないケースは、例えば大きなむし歯に対する治療の場合です。CR充填は強度が十分ではないため、広範囲に使用すると割れたり欠けたりしやすく、歯全体の強度を損なう恐れがあります。
同様に、噛み合わせが強い箇所への治療などの場合も、歯に強い負担がかかりやすいためCR充填の適応となりません。

このようにCR充填が適応とならないむし歯の治療の場合、ほかの治療法が検討されます。具体的には、インレーやクラウンといったほかの補綴物による治療が選択されることが多いでしょう。
インレーやクラウンも人工物で削った箇所を補うという点ではCR充填と同じですが、CRよりも強度が高い金属製の素材などで補綴物を作るため、CR充填では難しいような症例でも対応可能です。

CR充填とダイレクトボンディングは別物ですか?

CR充填とダイレクトボンディングは似た治療法ではありますが、明確な違いがあり別物として扱われます。
CR充填は、主に軽度から中程度のむし歯治療における欠損を埋める処置として、保険が適用される治療法です。

一方、ダイレクトボンディングもCRを充填するという点では共通していますが、より高品質な材料を多層的に盛り付けることで天然歯のような質感を再現します。こちらは重度のむし歯治療における広範囲の充填や、すきっ歯の改善などを目的とした審美治療などとしても受けることができますが、保険適用外の自費診療です。

編集部まとめ

編集部まとめ

CR充填は、歯を削る量をできる限り抑えつつ、白い見た目を維持できるとても優れた治療法です。保険診療の範囲内で手軽に受けられる一方で、適応可能な症例が限られる点や、強度や変色といった面で注意が必要な部分もあります。

ご自身のむし歯の状態や、見た目に対するこだわりに応じて、保険診療のCR充填にするか、あるいはインレーなどの治療や、自費診療のダイレクトボンディングを検討するか、歯科医師とよく相談して決めることが大切です。

この記事の監修歯科医師