セラミック治療で歯茎が黒くなる原因は?予防法や治療費用も解説
公開日:2025/08/19

歯を白くしたくてセラミック治療を行ったはずが、歯茎が黒くなってしまったという悩みを持つ方も少なくありません。 では、なぜセラミック治療で歯茎が黒くなってしまうのでしょうか。本記事では、セラミック治療で歯茎が黒くなる原因や予防法、治療費用について解説します。 セラミック治療を受けた経験があり、歯茎が黒くなってきていると心配している方に少しでも参考にしてもらえると幸いです。

監修歯科医師:
石毛 俊作(大神宮デンタルクリニック)
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東北大学歯学部卒業。千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 臨床研修医。千葉大学大学院 医学薬学府 医学博士。独立行政法人地域医療機能推進機構。船橋中央病院。歯科口腔外科/インプラントセンター勤務。いとう歯科クリニック勤務、海岸歯科室勤務。
目次 -INDEX-
セラミック治療の特徴と種類
セラミック治療の特徴を教えてください。
セラミック治療にはどのような種類がありますか?
セラミック治療には主に5種類あります。具体的な治療方法は以下のとおりです。
オールセラミックは天然歯に近い色味を再現できます。治療部位が前歯の場合は、見た目が重視されるため、選ばれやすい治療方法です。ジルコニアセラミックは、ジルコニアで作られたキャップにセラミックを何層にも塗り重ねて焼き付ける治療方法になります。フルジルコニアセラミックは割れにくく強度があるため、噛む力の強い奥歯に対応できる治療方法です。ハイブリッドセラミックは歯科用レジンとセラミックを混ぜた素材になります。治療費用を抑えつつ、見た目にもこだわりたい方に適した治療方法です。メタルボンドセラミックは、内側に金属、外側にセラミックを使用した被せ物です。金属を使用することで高い耐久性がありますが、金属によっては歯茎に黒ずみが生じる場合があるため、審美性を重視する部位には慎重な検討が必要になります。
セラミック治療のメリットとデメリットを教えてください。
天然歯に近い治療方法として注目されているセラミック治療ですが、もちろんメリットとデメリットが存在します。まず、メリットは以下のとおりです。
- 天然歯のような透明感と自然な色味を再現できる
- 治療の跡が目立ちにくい
- 変色しにくい
- 金属アレルギーのリスクがない
- 汚れがつきにくい
- 耐久性が高い
- 費用が高額になる
- 天然歯を削る必要がある
- 割れるリスクがある
- 再治療が必要になることもある
セラミック治療で歯茎が黒くなる原因
セラミック治療で歯茎が黒くなる原因を教えてください。
セラミック治療で歯茎が黒くなる原因はいくつか考えられます。そもそもセラミック治療を受ける前に、銀歯を装着していた場合は歯茎が黒くなる可能性が高いようです。銀歯を長期間使用していると、唾液や食べ物の酸などによって金属イオンが溶け出して歯茎に沈着します。沈着した金属イオンは、歯茎の組織に吸収されると色素沈着となって黒くなります。金属イオンによる色素沈着はメタルタトゥーと呼ばれ、銀歯を装着していた方にみられる一般的な原因の一つです。ほかには、金属の外側にセラミックを焼き付けているメタルボンドセラミックをしている場合は、加齢によって歯茎が退縮した際に金属部分が黒く見えることがあります。セラミック治療後に歯茎が黒くなった場合は、むし歯の可能性が高いでしょう。むし歯以外にも喫煙や過度な歯磨きによって歯茎に悪影響を及ぼし、結果的に黒くなることもあります。歯茎が黒くなる原因はセラミック治療以外でも起こるため、歯科医院を受診することをおすすめします。
歯茎の黒ずみ以外に、痛みなどの症状はありますか?
歯茎が黒くなっても痛みを伴うことはほとんどありません。特に、金属イオンによる色素沈着や歯茎の退縮によって被せ物の金属が透けて見えている場合がほとんどです。しかし、黒くなっている原因がむし歯や歯肉炎を起こしている場合は、以下のような症状が見られます。
- 歯茎が赤黒く腫れる
- 歯みがきや歯茎に触れると簡単に出血する
- 痛みや歯茎に違和感がある
- 口臭が悪化する
放置しても自然治癒しますか?
セラミック治療後に歯茎が黒くなった場合は、自然に治癒することはありません。特に、金属イオンによる色素沈着は、一度発生してしまうと消えることがないため注意が必要です。被せ物の金属が透けて見えている場合は、被せ物を交換する必要があります。歯茎が退縮してしまうと、もとには戻りにくいため、適切な治療を受けることが重要になります。歯周病や歯肉炎を発症していた場合は、放置すると症状はどんどん悪化する一方です。歯茎が黒くなっているかもしれないと感じた場合は、早急に歯科医院を受診することが大切です。
黒ずみが生じた場合の治療法を教えてください。
歯茎が黒くなってしまった場合は、原因によって治療方法が異なります。金属イオンによる色素沈着が原因の場合は、レーザー治療または外科的切除が行われます。歯茎の退縮によって被せ物の金属が透けている場合は、金属部分をオールセラミックやジルコニアセラミックへ交換する治療方法が一般的です。むし歯や歯肉炎が原因の場合は、むし歯や歯肉炎の治療が優先されます。プラークや歯石除去を行い、炎症を改善させて歯茎への負担を軽減することで、健康的な歯茎を取り戻して黒ずみを解消します。ただし、どの治療方法も患者さんの口腔内の状態と希望に応じて、歯科医師と相談して決めることが大切です。
セラミック治療による歯茎の黒ずみを予防する方法や治療費用
セラミック治療による歯茎の黒ずみを防ぐ方法はありますか?
歯茎の黒ずみに気付いたら、まず何をすべきですか?
歯茎が黒くなっていることに気付いたら、速やかに歯科医院を受診しましょう。黒ずみは様子を見ても改善することはありません。早期発見と早期治療が歯茎の黒ずみを食い止める唯一の方法です。
歯茎が黒くなった場合の治療費用を教えてください。
歯茎が黒くなった場合の治療費用は、治療方法によって大きく異なります。また、保険適用か自費診療なのかや前歯か奥歯なのかによっても、治療費用に大きな差が出るため注意が必要です。一般的な治療費用は以下になります。
- レーザー治療:4,000~15,000円(税込)
- 外科的切除:13,000~50,000(税込)
- 被せ物の交換:18,000~100,000(税込)
- 歯周治療:1,000~27,000(税込)
編集部まとめ
今回はセラミック治療で歯茎が黒くなる原因や予防法、治療費用について解説しました。 かつては銀歯による治療が主流でしたが、近年は金属イオンによる色素沈着や金属アレルギーに対応できるセラミック治療が注目されています。 多くのメリットがあるセラミック治療ですが、デメリットを理解したうえで歯科医師と治療について決めていくことが大切です。




