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歯根端切除の術後はどのようなケアが必要?治療後の注意点やトラブルへの対応方法も解説

 公開日:2025/08/17
歯根端切除の術後はどのようなケアが必要?治療後の注意点やトラブルへの対応方法も解説

歯の根の治療、特に根管治療はデリケートな処置ですが、それでも改善がみられない場合に選択肢となるのが歯根端切除術です。この外科処置は、術後の適切なケアがその成否を大きく左右しますので、手術を受けた方、これから検討する方にとって、術後の痛みや腫れへの対応、そしてトラブル発生時の対処法を知っておくことはとても大切です。

松浦 京之介

監修歯科医師
松浦 京之介(歯科医師)

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歯科医師。2019年福岡歯科大学卒業。2020年広島大学病院研修修了。その後、静岡県や神奈川県、佐賀県の歯科医院で勤務。2023年医療法人高輪会にて勤務。2024年合同会社House Call Agencyを起業。日本歯科保存学会、日本口腔外科学会、日本口腔インプラント学会の各会員。

歯根端切除の基礎知識

歯根端切除の基礎知識

歯根端切除とはどのような治療ですか?

歯根端切除術は、精密な根管治療後も症状が改善しない場合に行われる外科的処置の一つです。これは、歯の根の先端(根尖)とその周囲の病変部を取り除くことで、治りにくい根尖性歯周炎を治療し、歯を救うことを目的としています。

歯根端切除が行われるケースを教えてください

歯根端切除術は、通常の根管治療では治癒が難しい、または対応できない場合に歯を保存するために行われます。
具体的には、根管治療を繰り返しても歯の根の先に炎症や膿(根尖病巣)が残る場合や、根管が複雑な形状で治療器具が届かない場合に検討されます。

この処置では、歯茎を切開し、歯の根の先端と病巣を直接切除します。これにより、通常の根管治療では除去しきれなかった感染源を取り除き、歯の保存を目指します。過去に根管治療を受けた歯が再感染した場合や、根管に亀裂や穿孔のリスクがある場合、または根の側面に病変が広がっている場合などにも適用されることがあります。

歯根端切除の治療の流れを教えてください

まず、局所麻酔を施し、治療部位の歯茎を切開します。
次に、超音波器具などを使って歯の根の先端(根尖)を数ミリ切除し、同時に病巣組織を徹底的に除去します。その後、切除した根の断面にMTAセメントなどの特殊な材料を充填し、根管内の再感染を防ぎます。最後に、切開した歯茎を縫合して処置は完了です。

治療は通常、マイクロスコープ(高精度歯科用顕微鏡を使用して行われます。肉眼では見えにくい細部まで精密に処置することで、成功率を高めることができます。術後は痛み止めが処方され、数日から1週間程度で抜糸を行います。定期的な経過観察を通じて、治療部位の治癒を確認していきます。

歯根端切除の術後の注意点

歯根端切除の術後の注意点

歯根端切除の術後に生じやすいトラブルを教えてください

歯根端切除術を受けた後に生じやすいトラブルはいくつかあります。

まず、術後の痛みや腫れは多くみられますが、これは外科処置を伴うため避けられない反応です。痛み止めが処方されますが、長引く場合は歯科医師に相談が必要です。

次に、切開した歯茎の縫合不全や感染のリスクも考えられます。稀に、治療した歯の再感染が起こり、症状が再発することもあります。これは、目に見えない細菌が残っていたり、新たな細菌が侵入したりすることが原因です。

さらに、治療により構造的に歯の強度が低下することで、将来的に歯根のひび割れや破折が生じる可能性もあります。それにより歯がぐらついたり、痛みや腫れが起こることがあります。

これらのトラブルを避けるためには、術後の歯科医師の指示に従い、適切なケアを行うことが重要です。気になる症状があれば、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。

歯根端切除の術後にしてはいけないことはありますか?

歯根端切除術の術後には、いくつかの注意点があります。

まず、血行を促進する行為は、出血や腫れを悪化させる可能性があるため避けましょう。具体的には、激しい運動、長時間の入浴、飲酒は控えてください。また、術部を刺激しないよう、強くうがいをするのはやめましょう。細菌感染や再出血の原因となることがあります。

麻酔が切れると痛みを感じ始めるので、処方された痛み止めを我慢せずに服用しましょう。
食事は麻酔が完全に切れてから、やわらかいものをゆっくりととりましょう。
傷口に触れると感染のリスクが高まるため、舌や指で術部を触ってはいけません。歯磨きをする際は、術部を避けて、やわらかい歯ブラシで優しく磨くようにしましょう。

さらに、喫煙は傷の治りを遅らせる原因となるため、術後しばらくは禁煙することをおすすめします。

抜糸や経過観察のため、指示された定期検診には必ず足を運びましょう。もし、強い痛みや腫れ、出血が続く場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。

歯根端切除の術後はどのように口腔ケアをすればよいですか?

まず、歯科医院で指示されたケア方法に従うことが重要です。
そのうえで、以下の点についても留意しましょう。

まず痛みについてですが、処方された痛み止めを適切に使用し、それでも痛みが辛い場合は我慢せずに歯科医院に相談しましょう。

術後しばらくは、再感染のリスクがあるため、感染予防にしっかりと取り組むことが大切です。抗生物質が処方された場合は、指示どおりに服用しましょう。手術直後は過度な刺激を避けた方がよいため、強くうがいしたり、歯ブラシで擦ったりするのは避けて、術部以外の歯を歯ブラシで優しく丁寧に磨いた後に軽くゆすぎましょう。

術後の経過が順調かを確認するために、歯科医師の指示にしたがって、定期的に診察を受けてください。

歯根端切除の術後の痛みや腫れはどの程度で引きますか?

歯根端切除の術後の痛みは、2〜3日がピークで、その後徐々に軽減していきます。多くの場合、1週間程度で落ち着きます。

歯根端切除の術後、どのような状態であれば歯科医院を受診するべきですか?

一般的には、術後は抜糸のために1週間後に再診が必要となります。そのほかにも、歯科医院によって経過を確認する目的などでの再診を指示される場合がありますので、指示にしたがってきちんと受診するようにしましょう。

また、出血が続いている、腫れが引かない、あるいは腫れがひどい、痛みが強いなどの症状やトラブルが起きている場合には、指示された再診のタイミングを待たず、できる限り早く歯科医院に連絡し、受診をしましょう。

歯根端切除を受けるクリニックの選び方

歯根端切除を受けるクリニックの選び方

歯根端切除の成功率を高める方法はありますか?

歯根端切除の成功は、手術そのものが問題なく終わることだけでなく、再発がしにくい状態を維持できることもポイントとなります。

手術においては、感染源をしっかり診断し、徹底的に細菌を除去することが大切です。歯科用CTなどを用いて診断したうえで、マイクロスコープを用いて肉眼ではとらえることの難しい病巣までしっかりと確認しながら処置を行うことで、より確実性の高い治療ができます。

さらに、逆根管充填を行うことで再発リスクを抑えることが可能となります。逆根管充填とは、歯の根の先端を切除した後に、根元側から根管内部を清掃し、根管に特殊なセメントなどを充填する処置です。病巣が切除した歯根端だけであれば行なう必要はないのですが、歯の内部に細菌が潜伏している場合を考慮し、逆根管充填をしておくことで、より再発のリスクを減らすことができます。

歯根端切除を受ける際のクリニック選びのポイントを教えてください

歯根端切除術の成功率を高めるためには、いくつかのポイントがあります。

歯根端切除術は、一度で完了できる可能性の高い治療を行うことがとても重要です。そのため、歯科医師の経験と技術が大きく影響します。
特に奥歯などの処置が難しい部位では高度な技術が求められるため、歯科医師選びが重要になるといえるでしょう。
医師の技術力や経験を知ることは難しいですが、日本歯内療法学会 歯内療法専門医の資格を持つ医師などであれば、安心感のある治療が期待しやすいといえます。

次に、使用する医療機器や材料が成功率に大きく影響するため、保険診療だけでなく自由診療も行なっている歯科医院がよいでしょう。保険診療でも歯根端切除術は受けられますが、使用できる機器や薬剤が制限されるため、成功率は低くなりやすく、予後も不安定になりがちです。
一方、自由診療ではマイクロスコープ(高精度歯科用顕微鏡)や歯科用CTのような、より精密な治療を可能にする診療機器を使用できます。保険診療でも一部の症例においてこうした診療機器の利用が認められていますが、保険適用外の症例の場合は、自由診療も含めて歯科医師と適切な治療法を相談してみるとよいでしょう。

これらのポイントを踏まえて歯科医院を選ぶことが、歯根端切除術の成功、そして大切な歯を長持ちさせることにつながります。

編集部まとめ

編集部まとめ

歯根端切除術は、通常の根管治療では難しいとされる歯の根の病気を外科的に治療し、大切な歯を救うための有効な手段です。

術後の痛みや腫れは避けられないものの、適切な術後ケアで、良好な回復が期待できます。
歯科医院選びには、マイクロスコープや歯科用CTといった先進的な設備を使った自由診療を選択できるか、そして歯科医師の経験と専門性も、治療の成功率を大きく左右します。ご自身の歯を守るために、歯科医院選び、そして術後ケアを適切に行いましょう。

この記事の監修歯科医師

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