歯根端切除の術後はどのようなケアが必要?治療後の注意点やトラブルへの対応方法も解説

歯の根の治療、特に根管治療はデリケートな処置ですが、それでも改善がみられない場合に選択肢となるのが歯根端切除術です。この外科処置は、術後の適切なケアがその成否を大きく左右しますので、手術を受けた方、これから検討する方にとって、術後の痛みや腫れへの対応、そしてトラブル発生時の対処法を知っておくことはとても大切です。

監修歯科医師:
松浦 京之介(歯科医師)
目次 -INDEX-
歯根端切除の基礎知識

歯根端切除とはどのような治療ですか?
歯根端切除が行われるケースを教えてください
歯根端切除の治療の流れを教えてください
歯根端切除の術後の注意点

歯根端切除の術後に生じやすいトラブルを教えてください
まず、術後の痛みや腫れは多くみられますが、これは外科処置を伴うため避けられない反応です。痛み止めが処方されますが、長引く場合は歯科医師に相談が必要です。
次に、切開した歯茎の縫合不全や感染のリスクも考えられます。稀に、治療した歯の再感染が起こり、症状が再発することもあります。これは、目に見えない細菌が残っていたり、新たな細菌が侵入したりすることが原因です。
さらに、治療により構造的に歯の強度が低下することで、将来的に歯根のひび割れや破折が生じる可能性もあります。それにより歯がぐらついたり、痛みや腫れが起こることがあります。
これらのトラブルを避けるためには、術後の歯科医師の指示に従い、適切なケアを行うことが重要です。気になる症状があれば、すぐに歯科医院へ連絡しましょう。
歯根端切除の術後にしてはいけないことはありますか?
まず、血行を促進する行為は、出血や腫れを悪化させる可能性があるため避けましょう。具体的には、激しい運動、長時間の入浴、飲酒は控えてください。また、術部を刺激しないよう、強くうがいをするのはやめましょう。細菌感染や再出血の原因となることがあります。
麻酔が切れると痛みを感じ始めるので、処方された痛み止めを我慢せずに服用しましょう。
食事は麻酔が完全に切れてから、やわらかいものをゆっくりととりましょう。
傷口に触れると感染のリスクが高まるため、舌や指で術部を触ってはいけません。歯磨きをする際は、術部を避けて、やわらかい歯ブラシで優しく磨くようにしましょう。
さらに、喫煙は傷の治りを遅らせる原因となるため、術後しばらくは禁煙することをおすすめします。
抜糸や経過観察のため、指示された定期検診には必ず足を運びましょう。もし、強い痛みや腫れ、出血が続く場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。
歯根端切除の術後はどのように口腔ケアをすればよいですか?
そのうえで、以下の点についても留意しましょう。
まず痛みについてですが、処方された痛み止めを適切に使用し、それでも痛みが辛い場合は我慢せずに歯科医院に相談しましょう。
術後しばらくは、再感染のリスクがあるため、感染予防にしっかりと取り組むことが大切です。抗生物質が処方された場合は、指示どおりに服用しましょう。手術直後は過度な刺激を避けた方がよいため、強くうがいしたり、歯ブラシで擦ったりするのは避けて、術部以外の歯を歯ブラシで優しく丁寧に磨いた後に軽くゆすぎましょう。
術後の経過が順調かを確認するために、歯科医師の指示にしたがって、定期的に診察を受けてください。
歯根端切除の術後の痛みや腫れはどの程度で引きますか?
歯根端切除の術後、どのような状態であれば歯科医院を受診するべきですか?
また、出血が続いている、腫れが引かない、あるいは腫れがひどい、痛みが強いなどの症状やトラブルが起きている場合には、指示された再診のタイミングを待たず、できる限り早く歯科医院に連絡し、受診をしましょう。
歯根端切除を受けるクリニックの選び方

歯根端切除の成功率を高める方法はありますか?
手術においては、感染源をしっかり診断し、徹底的に細菌を除去することが大切です。歯科用CTなどを用いて診断したうえで、マイクロスコープを用いて肉眼ではとらえることの難しい病巣までしっかりと確認しながら処置を行うことで、より確実性の高い治療ができます。
さらに、逆根管充填を行うことで再発リスクを抑えることが可能となります。逆根管充填とは、歯の根の先端を切除した後に、根元側から根管内部を清掃し、根管に特殊なセメントなどを充填する処置です。病巣が切除した歯根端だけであれば行なう必要はないのですが、歯の内部に細菌が潜伏している場合を考慮し、逆根管充填をしておくことで、より再発のリスクを減らすことができます。
歯根端切除を受ける際のクリニック選びのポイントを教えてください
歯根端切除術は、一度で完了できる可能性の高い治療を行うことがとても重要です。そのため、歯科医師の経験と技術が大きく影響します。
特に奥歯などの処置が難しい部位では高度な技術が求められるため、歯科医師選びが重要になるといえるでしょう。
医師の技術力や経験を知ることは難しいですが、日本歯内療法学会 歯内療法専門医の資格を持つ医師などであれば、安心感のある治療が期待しやすいといえます。
次に、使用する医療機器や材料が成功率に大きく影響するため、保険診療だけでなく自由診療も行なっている歯科医院がよいでしょう。保険診療でも歯根端切除術は受けられますが、使用できる機器や薬剤が制限されるため、成功率は低くなりやすく、予後も不安定になりがちです。
一方、自由診療ではマイクロスコープ(高精度歯科用顕微鏡)や歯科用CTのような、より精密な治療を可能にする診療機器を使用できます。保険診療でも一部の症例においてこうした診療機器の利用が認められていますが、保険適用外の症例の場合は、自由診療も含めて歯科医師と適切な治療法を相談してみるとよいでしょう。
これらのポイントを踏まえて歯科医院を選ぶことが、歯根端切除術の成功、そして大切な歯を長持ちさせることにつながります。
編集部まとめ

歯根端切除術は、通常の根管治療では難しいとされる歯の根の病気を外科的に治療し、大切な歯を救うための有効な手段です。
術後の痛みや腫れは避けられないものの、適切な術後ケアで、良好な回復が期待できます。
歯科医院選びには、マイクロスコープや歯科用CTといった先進的な設備を使った自由診療を選択できるか、そして歯科医師の経験と専門性も、治療の成功率を大きく左右します。ご自身の歯を守るために、歯科医院選び、そして術後ケアを適切に行いましょう。