

監修医師:
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)
目次 -INDEX-
こむら返りの概要
こむら返りとは、筋肉が突然、自発的に強く収縮する現象で、特にふくらはぎに起こりやすい症状です。多くの場合、夜間や運動中に発生し、強い痛みを伴いますが、通常は数秒から数分で解消されます。こむら返りは経験したことのある人が多く、重大な健康問題とはみなされませんが、繰り返し発生する場合には注意が必要です。
こむら返りは一般的には一時的なものですが、頻繁に発生する場合は、潜在的な健康問題のサインかもしれません。そのため、症状が続く場合には医療の専門家に相談することをおすすめします。身体のことを第一に考え、適切な対策を行うことが大切です。
こむら返りの原因
こむら返りの原因を解説いたします。
筋肉の疲労
長時間立ち仕事をした日や、ハードな運動をした後にこむら返りが起こることがあります。筋肉が過度に使われると、疲労が蓄積し、筋肉が突然の収縮を起こすことがあります。例えば、マラソンを走った後や、長距離を歩いた後にこむら返りが発生することが一般的です。
脱水と電解質不足
体内の水分が不足すると、筋肉の機能が正常に働かなくなります。特に暑い日に十分な水分を摂取していない場合や、激しい運動をした後に水分補給を怠ると、こむら返りが起こりやすくなります。また、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質が不足すると、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れ、痙攣を引き起こす原因となります。
冷え
冷えもこむら返りの一因です。寒い環境にいるときや、冷え性の方は筋肉が収縮しやすくなります。冬の寒い夜に無理な体勢で寝ていると、足が冷えてこむら返りを起こすことがあります。
健康状態と薬剤
自身の健康状態がきっかけとなったり薬剤の副作用も、こむら返りの原因となることがあります。例えば、妊娠中の女性はホルモンの変化や体重の増加により、こむら返りを経験することがあります。また、一部の利尿剤や喘息治療薬など、特定の薬剤を服用している方も、こむら返りを引き起こす可能性があります。
こむら返りの前兆や初期症状について
こむら返りは、しばしば予告なく突然訪れるものですが、いくつかの前兆や初期症状に気づくことで、発生を予測し対処する準備ができる可能性があります。ここでは、こむら返りの前兆や初期症状をやさしく解説します。
こむら返りの前兆
- 筋肉のピクピクやツッパリ感: こむら返りになる前に、特にふくらはぎの筋肉に軽いピクピク感やツッパリ感が起こることがあります。これは筋肉が過度に緊張しているサインかもしれません。
- 局部的な冷感や痛み: 筋肉が突然の収縮に向かっているとき、冷たさを感じたり、軽い痛みがあらわれたりすることがあります。これは特に冷えた環境下や就寝中に多く見られます。
こむら返りの初期症状
- 急な激痛: こむら返りの最も一般的な初期症状は、ふくらはぎや足の筋肉が突然、強く収縮し、激しい痛みを伴うことです。この痛みは数秒から数分間続き、しばしば夜間に発生することが多いようです。
- 筋肉の硬直: 痛みと同時に、該当する筋肉が硬くなり、触るとその硬直を明確に感じることができます。たとえば、ふくらはぎの筋肉が石のように硬くなり、その形状が目で見てもわかるほどです。
こむら返りの前兆や初期症状が見られた場合に受診すべき診療科は、内科です。こむら返りは筋肉の痙攣であり、内科で診断と治療が行われています。
こむら返りの検査・診断
こむら返りの診断
こむら返り自体は特有の突然の筋肉の痛みと硬直によって認識されます。しかし、これが頻繁に発生する場合、医師は以下のような詳細な診察を行います。
- こむら返りの経歴と症状の詳細な聴取: 患者さんに対してこむら返りの歴、こむら返りが起こる状況、症状の頻度と強度を詳しく聞き取ります。これには、運動習慣、最近の体調の変化、現在服用中の薬などが含まれます。
- 身体検査: 筋肉、反射、神経系の機能を評価します。こむら返りの患部に対する触診も含まれ、筋肉の硬さや痛みの程度を確認します。
こむら返りの検査
こむら返りがほかの健康問題に関連している可能性がある場合、以下の検査が行われることがあります。
- 血液検査: 電解質バランス(カリウム、カルシウム、マグネシウム)、腎機能、甲状腺機能などをチェックします。これにより、電解質不足や代謝異常がこむら返りの原因でないかを評価します。
こむら返りの治療
即時対処法
- ストレッチ: こむら返りが発生した際には、痛みのある筋肉を穏やかに伸ばすことが効果的です。たとえば、ふくらはぎのこむら返りの場合、座った状態で足をまっすぐ伸ばし、つま先を身体の方向へゆっくりと引っ張ります。
- マッサージ: 痛む筋肉を優しくマッサージすることで、筋肉の緊張を和らげ、血流を促進することができます。これにより、こむら返りが解消されやすくなります。
- 温める: 痛む部分に温かいタオルを当てるか、温水浴を利用することで、筋肉がリラックスし、痛みが軽減されます。
長期的な治療と予防
- 適切な水分と電解質の摂取: 脱水や電解質の不足もこむら返りの一因です。特に運動をする方は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムを含むスポーツドリンクを摂取することが推奨されます。
- 定期的なストレッチと運動: 筋肉の柔軟性を保ち、血流を改善するためには、定期的なストレッチが有効です。特に、長時間同じ姿勢でいることが多い方は、数時間おきに軽いストレッチや歩行をとり入れると良いでしょう。
- 栄養バランスの良い食事: バランスの取れた食事は全体的な健康を促進し、こむら返りのリスクを減らします。特にカルシウム、マグネシウム、カリウムを豊富に含む食品を積極的にとり入れることが重要です。
- 適切な履物の選択: 不適切な靴は足への負担を増やし、こむら返りの原因となることがあります。特に運動時には、足に合ったサポートの良い靴を選ぶことが大切です。
こむら返りで使用される主な薬物
- ビタミンB群: 神経機能のサポートと筋肉機能の正常化を助けるために、ビタミンB群のサプリメントが推奨されることがあります。これにはビタミンB6が含まれ、筋肉の健康維持に役立つとされています。
- マグネシウム: 筋肉の収縮とリラクゼーションに必要なミネラルであるマグネシウムのサプリメントが、こむら返りの頻度や重症度を減少させるのに役立つ場合があります。特に妊婦や高齢者での使用が知られています。
- 芍薬甘草湯:漢方薬である芍薬甘草湯は一般的にこむら返りに対して治療目的や予防目的としても使用されるお薬の1つです。使用してからはやめに効果を実感できるので多くの方から愛されている薬物です。
こむら返りになりやすい人・予防の方法
こむら返りになりやすい人の特徴
- 高齢者: 加齢により筋肉の量が減少し、筋肉の柔軟性が低下するため、高齢者はこむら返りを経験しやすくなります。
- 妊婦: 妊娠中の女性は、体内の循環が変化し、足への血流が減少することがあります。これにより、こむら返りが発生しやすくなります。
- アスリートまたは運動を頻繁に行う人: 過度の運動は筋肉を疲労させ、こむら返りを引き起こす原因となります。
- 特定の薬物を使用している人: 利尿剤や喘息治療薬など、特定の薬物を使用している人は、これがこむら返りのきっかけとなることがあります。
こむら返りの予防方法
- 適切な水分と電解質の摂取: 脱水や電解質不足はこむら返りを引き起こす原因となります。特に暑い日や運動後は、水分補給に注意し、必要に応じて電解質を含むスポーツドリンクを摂取することが重要です。
- 定期的なストレッチ: 筋肉の柔軟性を保つために、特に運動前後のストレッチが効果的です。ふくらはぎの筋肉を中心に、適切にストレッチを行いましょう。
- バランスの取れた食事: マグネシウム、カルシウム、ポタシウムなどのミネラルが豊富な食事を心がけることで、筋肉の健康を支えることができます。バナナ、アボカド、ヨーグルト、ナッツ類を積極的に摂ると良いでしょう。
- 適切な靴の選択: 快適で適切なサポートを提供する靴を選ぶことで、足とふくらはぎへの負担を軽減し、こむら返りのリスクを減らすことができます。
- 適度な運動: 運動は健康維持に欠かせない要素ですが、過度な運動は避け、十分な休息を取ることが重要です。




