1. Medical DOCTOP
  2. 【NEWS】“ライト”なタバコにがん抑制効果なし 米国学会発表(医師コメント3件)

【NEWS】“ライト”なタバコにがん抑制効果なし 米国学会発表(医師コメント3件)

サウスカロライナ医科大学のニナ・トーマス医師らは、5月に開かれた米国胸部学会で、「タバコに含まれるタール量の“差”と、肺がん罹患率(りかんりつ)・がん死亡率・全死亡率との間には、有意な関係性が認められない」と発表した。

同医師らは、スクリーニング試験(National Lung Screening Trial)に参加した約1万4000人の喫煙者を対象に、喫煙行動の調査をおこなった。被験者が吸っていたタバコの種類は、タール含有量が高い順に、レギュラー55.7%▽ライト33.0%▽ウルトラライト11.1%となっていた。しかし、それぞれの「タバコのタイプ」による罹患率などには、明確な違いが見られなかった。メンソールタバコと普通のタバコの比較でも、同様の結果が得られた。また、「軽いタバコを吸っている人ほど、禁煙しにくい」という発見もあった。

日本国内で流通しているタバコのタール含有量は、「1mg」などと、数字で示されていることが多い。この数字の少ない方が「より安全」だと考えている人も、少なからずいるだろう。同医師らは、「全てのタイプのたばこが重篤な健康リスクをもたらす」と警鐘を鳴らしている。

目次 -INDEX-


 

医師のコメント

 

  • 武井 智昭(小児科・内科医)

タバコにはタールやニコチン以外にも、かなりの数の有害物質が含まれています。結果としては、ライトなタバコであっても呼吸機能への影響は懸念されるため、きちんとした禁煙が呼吸器の疾病予防には重要であることを再確認しました。

 

  • 田嶋 美裕(内科医)

タバコは癌だけでなく、脳梗塞、心筋梗塞などの心血管系の病気のリスクにもなります。タバコは1本でも吸っている限り、これらの病気のリスクは減りません。健康を意識するのであれば、タバコを減らすのではなく、きっぱりと禁煙することが大切です。

 

  • 山崎 佳子(内科医)

タバコは医学的には、肺がんになるリスクが高い、薬の効果を下げるといわれ、確かに学会の報告の数字通りかもしれません。ライトのタバコであっても。しかし、精神疾患をもつ方にとっては、そうとは言い切れないものを感じます。精神疾患者は、常に不安や孤独を抱えています。それを緩和するツールとしてタバコは欠かせないもののように感じます。薬では効かない「孤独」をしばし癒してくれる友人的な役割もあるように感じます。強引な禁煙は病気を悪化させることもあります。医師は患者さんに向き合い、少しずつ禁煙はやっていくべきではないかなと思います。

© 身近でやさしい医療メディア Medical DOC.