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網膜剥離の原因や症状、治療方法とは?

網膜剥離(読み方:もうまくはくり)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
木村隆 医師(きむら眼科 院長)

網膜剥離とは

網膜は光を感じてそれを伝える神経網膜と、その土台になっている網膜色素上皮の二層に分かれていて、神経網膜がその下の色素上皮から剥がれるのが網膜剥離です

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/38/03.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
網膜剥離には大きく分けて2つのタイプがありますが、大半を占めるのは、網膜に孔や裂け目が生じることなどで起きる「裂孔原性網膜剥離」です。網膜周辺部に変性がある場合などでは、その部分が硝子体と癒着が強くなっていることがあり、加齢に伴って起こる後部硝子体剥離がきっかけとなり、網膜に裂孔を生じ網膜剥離を引き起こすケースがあります。この後部硝子体剥離は50~60歳代ぐらい、近視が強い場合はもっと早い年代で起こります。網膜剥離を予防するためには、眼科で定期検査を受けて目に弱っている箇所がないかチェックしておき、早期治療につなげることが重要です。弱い箇所がある患者さんの中には、予防的な治療をしている方もいらっしゃいます。

網膜剥離の症状

網膜剥離の前駆症状として飛蚊症(小さなゴミのようなものが見える症状)や光視症(視界の中に閃光のようなものが見える症状)を自覚することがありますが、無症状のこともあります。病状が進んでくると視野欠損〔カーテンをかぶせられたように見えにくくなる症状(図3)〕や視力低下が起きます。網膜には痛覚がないので、痛みはありません。

引用:日本眼科学会
http://www.nichigan.or.jp/public/disease/momaku_hakuri.jsp

木村隆 医師 きむら眼科 院長ドクターの解説
飛蚊症とは、視界に虫のようなものが動いているように見える症状で、視線を動かしてもついてくるように動く場合もあります。動いて見えるものの大きさ、形などはさまざまで、色も人によって見え方が異なります。飛蚊症が急激に悪化したり徐々に悪化する場合は、すぐに眼科を受診してください。また、網膜剥離を疑う症状の一つに光視症という症状もあります。これは網膜に接している硝子体が離れる際や網膜に付いている硝子体が引っ張る際に起こり、暗い場所にいる時にチカチカと光を感じやすいようです。

網膜剥離の原因

網膜剥離は、加齢や糖尿病網膜症などの一部の病気、事故などによる頭部や眼球への物理的ショックが原因で引き起こされます。いずれも網膜の裂け目(網膜裂孔)が網膜剥離の第一歩となります。 眼球の中は硝子体(しょうしたい)というゲル状の物質で満たされていますが、何かのきっかけでこの硝子体に網膜の一部が引きずられ、網膜に小さな裂け目ができてしまうことがあります。 裂け目をそのまま放置しておくと、この小さな穴から網膜とその下の層との間にどんどん水分が入り込んでいき、最終的には網膜がペロリと剥がれてしまいます。

引用:参天製薬
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/retinal_detachment/index2.jsp

網膜剥離の検査法

網膜剥離は、目の外観から診察しただけでは判断することができません。眼底検査といって、眼底鏡という機械を使い、瞳孔から光を入れて観察します。その際、網膜をすみずみまで観察するために、瞳を拡大する目薬を投与します(散瞳)。瞳孔が目薬で拡大すると、まぶしくなって、ピントが合いにくくなります。目薬の効果は数時間持続しますので、検査後は車を運転したりできなくなります。眼底検査を受けるためには、そのつもりで眼科を受診してください。
硝子体出血があって眼底が観察できないようなら、超音波検査など他の検査を行います。

引用:日本眼科医会
http://www.gankaikai.or.jp/health/38/07.html

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
飛蚊症や光視症は、網膜剥離が隠れている可能性があるため、まずは眼底検査を実施します。前述の通り、眼底検査の後は散瞳の影響で視界がぼやけてしまうため運転は厳禁で、もし車やバイクを自分で運転して病院に向かった場合は、安全のために検査が中止される場合もありますのでご注意ください。眼底検査にはコンタクトレンズをのせて検査することもありますが、痛み止めの目薬を使用するので、患者さんが痛みを感じる心配はありません。

網膜剥離の治療方法

裂け目ができている場合

網膜にできた裂け目を塞ぐ処置には「光凝固法」があります。瞳孔から網膜の穴にレーザーを照射し、焼き付けます。この処置をすると、裂け目の周囲の網膜とその下の組織がくっつくため、網膜が剥がれにくくなります。

網膜が剥がれている場合

すでに網膜剥離が認められる場合には、剥がれた網膜を元の位置に固定する必要があります。そのための手術には、「硝子体手術」や「強膜バックリング法」などがあり、網膜剥離の症状に応じて対応が異なります。

術後の注意点

手術後に目を動かしても、手術の結果に大きな影響はありませんが、眼内の状態が落ちつくまでに1~3カ月必要です。少なくとも術後1カ月間は、疲れない程度に目を使用して下さい。事務や管理職の方は、手術後1カ月目から、運転手や重労働の方は2カ月頃から仕事に復帰できます。日常生活でも、術後1カ月間は重いものを持ったり、走ったり、車の運転をすることなどは避けて下さい。
引用:参天製薬
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/library/retinal_detachment/index3.jsp

木村隆 医師 きむら眼科 院長監修ドクターのコメント
網膜が剥がれた範囲が広範囲でなければ、光凝固法が治療の第一選択となります。硝子体手術とは、硝子体が網膜を引っ張っている箇所を手術で取り除き、その部分に空気・ガス・シリコンオイルなどを注入して、網膜のはがれを眼球に固定する治療法です。また、強膜バックリング法は、剥がれた網膜を眼球に固定するために、眼球を覆う強膜にシリコンスポンジを縫いつけて眼球を圧迫します。網膜剥離の再発を予防するためには、なるべく目に衝撃を与えない生活を心がけてください。スポーツなどの際に気をつけるのはもちろんのこと、日常生活で目を強くこすってしまうことも危険です。また、手術後は眼科で定期的に検査を受けて、経過が順調かどうかチェックしましょう。


この記事の監修ドクター

木村隆 医師 きむら眼科 院長木村隆 医師
きむら眼科 院長

PROFILE

杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院入局。今泉眼科病院、馬詰眼科(福生市)勤務を経て、平成21年4月にきむら眼科開業。平成26年12月、現在の場所(八王子市)に移転。