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硝子体混濁の症状・原因・治療方法とは?

 更新日:2023/03/27

硝子体混濁(読み方:しょうしたいこんだく)とはどんな病気なのでしょうか?その原因や、主にみられる症状、一般的な治療方法などについて、医療機関や学会が発信している情報と、専門家であるドクターのコメントをまじえつつ、Medical DOC編集部よりお届けします。

この記事の監修ドクター:
岡和田 英昭 医師 眼科なかのぶ医院 院長

硝子体混濁とは

硝子体混濁とは、何らかの原因で本来透明な硝子体に濁りが生じることです。

引用:東京みどり会 網膜・硝子体疾患専門知識ページ
http://www.ikec-retina.com/shikkan12.html

岡和田英昭 医師 眼科なかのぶ医院 院長監修ドクターのコメント
出血以外の何らかの原因によって、目の中の部分に濁りが出てきます。硝子体は無色透明なゲル状のどろっとした組織ですが、この中に濁りが生じると光が遮られて網膜にうまく届かなくなります。

硝子体混濁の症状

硝子体の濁りによって光が遮られるため、飛蚊症や、視力障害となる場合もあります。

引用:東京みどり会 網膜・硝子体疾患専門知識ページ
http://www.ikec-retina.com/shikkan12.html

岡和田英昭 医師 眼科なかのぶ医院 院長ドクターの解説
部分的な混濁では、蚊のようなものが飛んで見える飛蚊症といった症状が出てくることがあります。また、全体が混濁した場合は、かすんだり、視力障害を引き起こします。

硝子体混濁の原因

正常な硝子体は無色・透明で生卵の白身に似た状態の組織ですが、この部分が何らかの原因で混濁(濁って)している状態が「硝子体混濁」です。混濁を起こす原因として考えられる疾患は:
(1) 後部硝子体剥離、網膜裂孔(網膜剥離)
(2) 増殖糖尿病網膜症
(3) 網膜中心静脈閉塞症
(4) 加齢性黄斑変性、その他の網膜下新生血管
(5) 外傷
(6) ぶどう膜炎
(7) 眼内炎(目の中の感染症)
(8) その他
などが考えられます。

引用:こうづか眼科
http://www.kouzuka-ganka.jp/ganbyou/glass.html

硝子体混濁の検査法

視力検査と眼圧検査をしてから眼底検査をします。

■眼底検査
眼底にある網膜やその手前にある硝子体の状態をくわしく調べるために行います。
検査の前に目薬をさして瞳孔を開きます。まぶしさを感じたり、近くが見えづらくなる状態が3時間から6時間ほど続きますが、自然に元に戻ります。
硝子体混濁が強い場合は通常の眼底検査が難しいため、光干渉断層計によって網膜の状態を確認します。

■OCT(光干渉断層計)

OCT(Optical Coherence Tomography: 光干渉断層計)とは、網膜(カメラで例えるとフィルムにあたる部分)の断層画像を撮影する検査です。このOCT検査により、診察だけでは分かりにくい網膜の状態を明らかにし、網膜の病気に対する治療方針の決定や、治療効果の判定に役立てることができます。 OCTを必要とする代表的な疾患は、黄斑円孔、黄斑前膜、糖尿病黄斑症、黄斑浮腫、加齢黄斑変性、網膜剥離、緑内障などです。

血液検査や胸部X線検査、ツベルクリン検査などを行って全身疾患の有無から原因を調べる必要がある場合、内科や呼吸器科など眼科以外の科に受診してもらうこともあります。また硝子体の一部を手術によって切り取り生体検査を行い原因を特定する手法もありますが、その場合は大学病院等を紹介させて頂く様になります。

引用:新宿東口眼科医院
http://www.shec.jp/eye_disease/044/

岡和田英昭 医師 眼科なかのぶ医院 院長監修ドクターのコメント
基本的には感染症とか、膠原病という自己免疫疾患といった、何かの病気が原因となります。診断としては、どの程度見えにくくなっているか確認するために視力検査を行います。あとは眼圧の検査に加えて、散瞳薬という目薬をつけて瞳孔を広げ、瞳孔から眼球の奥の状態を調べる眼底検査を行います。さらにその時の状況によっては、別の検査(超音波検査等)も行うことがあります。

硝子体混濁の治療方法

硝子体混濁(出血)は自然経過で吸収する可能性もありますが、一度吸収しても再発を繰り返す事が多く、再発を繰り返しているうちに自然吸収しにくくなります。また、長い間硝子体出血があると、血液の中にある鉄分の為に網膜の機能が低下し、出血が吸収してもあまり視力が改善しないことがあります。
更に、大切なことは、混濁(出血)の原因となった疾患を的確に治療する必要があります。この原因となった疾患に対する根本的治療が遅れると失明する可能性も考えられます。

引用:こうづか眼科
http://www.kouzuka-ganka.jp/ganbyou/glass.html

岡和田英昭 医師 眼科なかのぶ医院 院長監修ドクターのコメント

ステロイドの薬を内服したり、点眼したりすることによって治ることがあります。明らかに感染症によるものであれば、抗菌薬も使用します。症状が重く濁りがひどい場合や、治りが遅い場合は、濁りを取るために硝子体手術も検討します。予後に関しては、この病気の原因によります。感染症が原因の場合は、予後が悪いことも多いです。膠原病の免疫疾患であれば、その元々の病気がどのくらいかにもよります。

飛蚊症のような症状や、目が見えにくいなどの症状が少しでも気がかりであれば、早めに治療した方が治り方がよいことはいうまでもありませんので、お気軽に専門医にご相談されることをお勧めします。

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