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つらい貧血の症状を解消したい!原因と対策を徹底調査

貧血と向き合いつらい症状とさよならしませんか?

この記事の監修医師
村松 賢一 (戸塚クリニック 院長)

現代女性の大半が貧血状態にあるといわれている昨今。その数はなんと10人に1人の割合ともいわれています。
身体のだるさやめまいなどを感じ、貧血を疑い病院を受診される方もいますが、多くの場合はただの疲れだと考えてそのまま日常生活を送っているのではないでしょうか?
貧血はその内側にさまざまな要因を抱えていますので、実は放っておくと大変な事態になる可能性もあります。
そのような事態を防ぐために、ここでは貧血と向き合いつらい症状とさよならできるお手伝いとなるべく貧血の原因から症状・その対応策までまとめてみました。

 

貧血とは

血液成分である赤血球の数が減少してしまったり、赤血球のなかにあるヘモグロビンの値が低下することによって血液中の酸素が不足している状態のことを「貧血」といいます。

 

生命活動に必要な血液

人は呼吸をして肺から酸素を体内に取り入れ、心臓から酸素をたっぷり含んだ血液を全身の細胞に送ります。血液から酸素を受け取った細胞たちはそれぞれが化学反応を起こし、生命活動に必要なさまざまなエネルギーをつくり出していきます。

 

酸素が各細胞に運ばれる仕組み

血液には「赤血球・白血球・血小板・血しょう」という4つの成分があり、そのうちの赤血球が酸素を運ぶ役割りをします。では、赤血球はどのようにして酸素を運ぶのでしょうか?

 

赤血球の中にあるヘモグロビンが大活躍!

赤血球の中にはヘモグロビンというたんぱく質が存在しています。このヘモグロビンは酸素がたくさんある環境では酸素とつながり、酸素が少ない環境では酸素を放出していくという性質があります。呼吸によって酸素が充満している心臓で酸素をたくさん身にまとったヘモグロビンが、血流に乗って身体中を駆け巡りながら、酸素の少ないところに行くたびにどんどん酸素を手放していくというイメージです。

 

ここで知りたい!ヘモグロビンの正体

ヘモグロビンは、人体に必要なミネラルのひとつである鉄分から生成されている細胞です。
ミネラルは体内で作り出すことができない栄養素であるため、鉄分も体外から体内へ取り入れることが必要となります。通常、鉄分を多く含む食材や薬・サプリなどを口から摂取することで鉄分が体内へと入ってきます。その鉄分をもとに骨髄でヘモグロビンが生成されます。
また、このヘモグロビンは色素が赤い色をしており赤血球の赤さとなっています。

 

要注意!隠れ貧血もあり

最初の貧血の状態の項で、貧血には赤血球とその中にあるヘモグロビンが大きく関わっていることをご説明していました。
しかし、ここでもう1点貧血状態を引き起こす要素があることを忘れてはいけません。
それは、いわゆる「隠れ貧血」と呼ばれており、赤血球数もヘモグロビン数も正常値でありながら貧血の症状が出てしまうケースのことをいいます。なんだか不思議な感じがしますが、「隠れ貧血」とはどういう状態なのでしょうか?

隠れ貧血とは

体内に取り入れられた鉄分は全てがすぐにヘモグロビンとなるわけではありません。
鉄分の約70パーセントがヘモグロビンとなり、残り約30パーセントはフェリチンというたんぱく質がその細胞の中に鉄分を貯蔵しています。
ヘモグロビンとなった鉄分が即戦力として活躍し、その控え選手をフェリチンが大切にストックし万が一のときにすぐに交替要因を送り出せるようにスタンバイしている状況です。
このため、フェリチンも鉄分同様に十分な量が必要なのですが、摂取する鉄分が少なかったりトラブルによってこのフェリチンが減少してしまう場合があります。
そのようなときにはヘモグロビンを早急に作り出すことができず、あっという間に貧血状態となってしまいます。これが「隠れ貧血」といわれるものです。

 

貧血の原因

貧血状態となってしまう「赤血球・ヘモグロビン・フェリチン」の減少。なぜこれらの細胞数が減ってしまうのか、その原因をみてみましょう。

 

鉄分・ビタミン不足

ヘモグロビンの生成に鉄分が必要であることは前項で説明しましたが、その鉄分が体内へ吸収されるときにサポートをするのがビタミンです。そのため、鉄分だけではなくビタミン不足も貧血の原因となります。
通常、鉄分・ビタミン共に食材に含まれるためバランスの良い食事を摂っていれば必要な量は充足するのですが、下記のような場合は不足する可能性があります。

・食生活の乱れやダイエットによるもの

食べ物に好き嫌いが多く偏った食事ばかりしている場合や、ダイエットなどで極端に食事の摂取量を減らしていると体内への鉄分・ビタミンの供給が不足します。

・妊娠や授乳によるもの

妊娠や出産後の授乳時には、赤ちゃんが成長していく上で大切な栄養素を母体から赤ちゃんへ供給することになります。そのため、母体にはママと赤ちゃん二人分の鉄分やビタミンが必要となるわけです。普段より多めに摂取しなければ当然不足していきます。

 

寝不足

寝不足のときに、頭がくらくらすることはありませんか?
このときの脳は疲労によって機能が正常に働いていません。血流により酸素の供給はあるものの、脳が酸素不足だと勘違いして貧血の症状を引き起こしてしまいます。一般的には「脳貧血」といわれています。

 

血液のトラブル

貧血の要因として鉄分・ビタミン不足に次いで多くみられるのが血液のトラブルです。血液のトラブルといっても内容は多様となっていますので、分かりやすくピックアップしてみました。

血液疾患によるもの

身体中に酸素を運ぶ役割りを担っている赤血球は骨髄で生成されます。その機能が血液の病気によって妨げられた場合には赤血球数が減少します。赤血球数の減少による貧血で疑われる原因のひとつです。

内臓疾患によるもの

内臓に疾患があるときに症状として出血がみられることがあります。
少量の出血でもそれがだらだらと長く続く場合は結果的に大量の出血となってしまい、赤血球数が減少するという状態になることがあります。こちらも赤血球数の減少による貧血のときに疑われる原因です。

子宮に関係するもの

女性が「出血」と聞くと真っ先に思い当たるのが生理による出血です。生理による出血は個人差がありますが、量の多い方などはすぐに赤血球数が減り貧血状態となってしまいます。
また、子宮の病気による下血過多という場合もあります。

 

貧血が男性より女性の方が多くみられるのはなぜ?

貧血には上記のように多くの原因が考えられていますが、その多くは女性特有のものが挙げられます。
偏食やダイエットによる血液の生成に必要な栄養素の摂取不足、妊娠や授乳による栄養素不足、子宮に関するものなどです。そのため貧血は男性より女性の方が多くみられるということです。
逆にいうと男性に貧血が疑われる場合はそのほかの要因が疑われることになるため、精密検査を要する場合もありますのでより注意が必要です。

 

知りたい!貧血の種類

前項により貧血のメインとなる原因が解明されました。また、その原因によりさまざま種類があることも分かりました。
では具体的にどのような疾患が考えられるのでしょうか?主なものを以下にまとめました。

【鉄欠乏性貧血】

その名のとおり体内の鉄分が不足して引き起こされる貧血です。貧血のなかでは最も多く、特に女性に多いといわれています。
これは、前述した食生活の乱れやダイエットによるもの・妊娠や授乳によるもの・生理や子宮疾患によるものなどが考えられます。

【再生不良性貧血】

骨髄で血液を生成するときに自己の免疫機能が誤作動を起こし、その血液成分をやっつけてしまう病気です。これにより血液成分である赤血球の生成も抑制されてしまい、赤血球数が不足して貧血が引き起こされます。

【胃潰瘍及び十二指腸潰瘍】

胃や十二指腸などの消化器官の粘膜に炎症が起きて潰瘍ができることで、出血の症状が出現る場合があります。この出血により赤血球数が減少し貧血の症状が現れます。

【子宮内膜症及び子宮筋腫】

子宮内膜症は子宮以外の場所に子宮内膜様の細胞ができてしまう病気です。形成された細胞は子宮内膜と同じように生理作用によって外に排出されようとしますが、排出経路がないため炎症が起こり出血過多がみられます。
子宮筋腫は子宮内にできる良性の腫瘍ですが、形成される場所によっては小さなものでも子宮内に大きく影響し出血などがみられます。
このように子宮疾患によってたくさんの出血が起きることにより赤血球数が減少し貧血状態となります。

 

貧血における主な症状

それでは、身体が貧血状態になっているときはどのような症状が現れるのでしょうか?ここでは貧血における主な症状をまとめてみました。

 

皮膚のそう白

貧血状態になると顔色が悪くなったり粘膜が白っぽくなったりします。見た目で分かりやすいのが唇や口の中・眼の結膜・爪などです。これは、血液の赤み成分であるヘモグロビンが不足した血液が身体を循環しているため、正常なときより赤みを失った状態となっているからです。
皮膚のそう白は貧血の見た目のバロメーターとなりますので、いつもより皮膚の状態が白っぽく感じるときは注意しましょう。

 

めまい・疲れ・だるさ

一般的にまず最初に「貧血かな?」と疑うときの症状が、こちらのめまいや身体の疲れ・だるさではないでしょうか?
体内の酸素不足によりあらゆるエネルギーの生成が滞ってしまい、このような症状が現れます。

 

頭痛

人の生命維持や思考・運動など身体のいろいろな機能を働かせるための司令塔となっている脳は、身体のなかでも最もエネルギーの消費が多い器官です。
そのため身体全体が必要とする酸素量の約4分の1を脳が消費するといわれています。
それほど多くの酸素を必要をする脳に貧血により脳細胞が酸欠状態になってしまうと頭痛という症状が引き起こされます。

 

吐き気・下痢

貧血のときに吐き気をもよおしたり下痢になる場合がありますが、これには主に3通りほどの理由が考えられています。

1:酸欠によるもの

胃や腸などの内臓細胞が酸欠状態になり、消化機能がうまく働くことができずに吐き気や下痢の症状が出ることがあります。

2:消化器官の病気によるもの

貧血の原因として消化器官の病気がありました。これらの病気による消化器官の機能低下によって吐き気をもよおしたり下痢になる場合があります。

3:生理によるもの

生理も貧血の原因にありましたが、この生理からくる吐き気・下痢ということも考えられます。
生理のときに子宮の収縮活動を活発にして血液の排せつ作用をよくするプロスタグランジンという物質が過剰に分泌されるため、この物質が胃や腸の消化器官の収縮活動まで活発にしてしまうからです。
プロスタグランジンが胃に影響した場合は胃酸過多などによる吐き気がもよおされ、腸に影響した場合は過剰な腸の収縮による下痢が引き起こされたりします。

そのほか、頭痛から引き起こされる吐き気もあります

前述で脳細胞が酸欠状態になったときの症状として頭痛を挙げましたが、頭痛のときに刺激を受ける三叉神経が影響して吐き気をもよおすといわれています。

 

貧血が疑われるときの対策と改善方法

一口に貧血といっても多様な原因があることが分かりました。中には重篤と思われるような原因もあり、不安が出てきた方も中にはいることかと思います。
では、もし貧血が疑われるような症状が出たときにはどうしたら良いのか、その対策と改善方法をご紹介いたします。

 

医療機関への受診

貧血を感じた場合にはまず第一に医療機関を受診しましょう。その際の病院選びや病院での検査・行われる対処法などのポイントをまとめました。

【病院選び】

・かかりつけ医
普段からよく診てもらっているかかりつけ医がある場合はそのかかりつけ医で相談をします。継続して健康状態を把握しているため、身体の変化にも気付きやすく必要に応じて適切な医療機関へ紹介してもらえます。
・婦人科
生理によるものだと思われる場合は婦人科での対応も可能です。
・総合病院(内科)
貧血には前述のようにさまざまな原因が考えられるため、場合によっては複数科の受診が必要になることもあります。かかりつけ医がない場合や婦人科系とは異なるケースだと思われる場合、または身体の不調が大きい場合は総合病院の内科を受診するという手段もあります。

【貧血の検査】

・血液検査
貧血は体内の血液中の赤血球数もしくはヘモグロビン数の減少、または隠れ貧血の場合にはフェリチンが不足している状態となりますが、これらは血液検査をすることによって判明します。

【病院での対処法】

・点滴
体内の鉄分不足が深刻な場合や食べ物やお薬などで鉄分の補充が厳しい場合などは、直接鉄分を点滴によって補充するという対処方法がとられることがあります。
鉄分は一気に体内に過剰に取り込まれるとトラブルが起きてしまうケースもあるため、十分な注意のもとに点滴が行われます。

 

貧血の予防や改善に効果のある食べ物

1.基本は栄養バランスの良い食事

貧血の予防や改善にはとにかく鉄分を!と思うかもしれませんが、肝心なのは栄養バランスの良い食事を3食きちんと取ることです。
特に若い女性に多いのが、ダイエットのために食事内容が偏り、エネルギーやタンパク質が不足したり栄養バランスが乱れたりして貧血を引き起こしてしまうというケースです。
また、忙しくて朝食を抜いたり外食やレトルト食品に頼りがちになったりしてしまうことも貧血の原因になってしまいます。
忙しい朝も、フルーツヨーグルトなどの手軽な朝食で良いので必ず食べるようにしましょう。

2.鉄分が豊富な食べ物

栄養バランスの良い食事を心がけた上で、積極的に取るべきなのはやはり鉄分です。
鉄分は小腸での吸収率が1020%のヘム鉄と、吸収率が16%の非ヘム鉄の2種類があります。
ヘム鉄はレバーや青魚やあさり・しじみなどの動物性食品に、非ヘム鉄はほうれん草や小松菜・納豆・海藻などの植物性食品に含まれています。
吸収率のことを考えると動物性食品の方が効率よく鉄分を取ることができるのですが、肉類の取り過ぎは健康的にあまり良くありません。
ヘム鉄と非ヘム鉄をバランス良く取るようにするのがおすすめです。

3.良質なタンパク質

貧血の改善や予防には良質なタンパク質も欠かせません。
貧血対策にタンパク質というイメージはあまりないかもしれませんが、タンパク質は赤血球の中にあるヘモグロビンの材料となる栄養素なので、鉄分同様に大切なのです。
また、肉や魚に含まれているタンパク質は非ヘム鉄の吸収を高める働きもあるので積極的に取るようにしましょう。
ただし、食べ過ぎには注意しましょう。

4.鉄の吸収を高めるビタミンC

ビタミンCにも鉄分の吸収を高める働きがあるので、積極的に取りたい成分です。
ビタミンCというとイチゴやレモンというイメージがあるかもしれませんが、野菜にも多く含まれています。
購入のしやすさも考慮すると、赤ピーマンや芽キャベツ、黄ピーマン、果物であればキウイフルーツがおすすめですよ。

 

貧血の予防や改善に効果のある薬やサプリメント

1.小林製薬株式会社 ファイチ

ファイチは血液中のヘモグロビンを効率よく造ってくれる貧血改善薬であり、112錠を飲めばOKという手軽さが魅力です。
鉄分だけではなく、ヘモグロビンや赤血球の生成をサポートする葉酸やビタミンB12も配合されています。
また、ファイチの鉄分は腸でしっかり吸収できるようになっているのも嬉しいポイントです。

2.日本臓器製薬 マスチゲン錠

食事だけでは不足しがちな鉄分を手軽に摂取できる医薬品です。
鉄の吸収をサポートするビタミンC、造血作用のあるビタミンB類や葉酸、赤血球を守ってくれるビタミンEなども配合しているので、あらゆる角度からの貧血予防・改善ができます。

3 DHC ヘム鉄

鉄分を効率よく取りたい人におすすめのサプリメントです。
吸収率の高いヘム鉄の他、赤血球の生成をサポートする働きのある葉酸とビタミンB12も配合しています。
1ヶ月分で税込み486円という続けやすい価格も魅力です。

村松 賢一 医師 戸塚クリニック 院長監修ドクターのコメント
貧血という病態は、それに伴う症状が出現するのはもちろんですが、貧血になる原因が必ずありますのでそちらをしっかりと診断してもらうことが重要です。記事にはありませんでしたが、大腸癌・胃癌が貧血の原因であったということもあります。ですので、貧血、だけでなく、どういった理由で貧血なのか、まで把握しましょう。
フェリチンは体における鉄分の貯金のようなものです。隠れ貧血(鉄欠乏性)の方はしっかりと貯金しておきましょう。
 
監修ドクター:村松 賢一 医師 戸塚クリニック 院長




 

 この記事の監修ドクター

村松 賢一 医師 戸塚クリニック 院長

出典:http://www.totsukaclinic.com/
村松 賢一 医師
戸塚クリニック 院長


 

PROFILE

<経歴>
平成10年
横浜市立大学医学部卒業
平成10~13年
現マウントサイナイ医科大学病院ベスイスラエル医療センター(米国ニューヨーク市)にて内科インターンならびにレジデント
平成13〜17年
帰国、横浜市立大学医学部付属病院等で勤務
平成17〜26年
さいたま赤十字病院循環器科にて循環器救急治療に従事
平成26年9月
戸塚クリニック院長就任

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