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「ほくろ」と「皮膚がん」を見分ける方法はありますか?

ほくろだと思っていたら、実は皮膚がんだった、ということがあるといいます。そのような話を聞くと自分は大丈夫なのか気になってしまいますよね。自分のほくろが皮膚がんかどうかを見分ける簡単な判断基準と、皮膚がんの種類や治療法、予防法について、経堂でひろみ皮フ科クリニックを開業した梅澤裕美院長にご解説いただきました。

監修医師
梅澤 裕美(ひろみ皮フ科クリニック 院長)

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佐賀大学医学部医学科卒業後、虎の門病院や東京大学医学部皮膚科学教室の研修を経て、同愛記念病院皮膚科、都立駒込病院皮膚腫瘍科の医員、東京大学医学部附属病院皮膚科の病院診療医を歴任。2018年にひろみ皮フ科クリニックを開院した。皮膚科専門医(日本皮膚科学会認定)、がん治療認定医(日本がん治療認定医機構認定)。日本皮膚科学会、日本皮膚外科学会、日本皮膚悪性腫瘍学会、日本美容皮膚科学会、日本アレルギー学会、日本小児皮膚科学会に所属。VHO巻き爪矯正法ライセンスの資格を持つ。


 

多彩で不規則な色調やいびつな形状のもの、急に大きくなったり自然発生した傷や出血が見られるものは要注意

編集部編集部

ほくろが皮膚がんかどうか見分ける方法はありますか?

梅澤先生

まず大きさを見ます。薄い茶色から濃い黒色までの多彩で不規則な色調やいびつな形状は、悪性のときによくみられる所見ですから注意してください。大きさが7mmを超える大きいものや、急速に大きくなってきた場合も要注意です。

編集部編集部

ほかに、皮膚がんかどうか見分けられる症状などがあれば教えてください。

梅澤先生

皮膚がんは、初期にはかゆみや痛みなどの症状がないことのほうが多いのですが、進行するとぶつけていないのに傷ができたり、出血することがしばしばあります。症状がないからと自己判断せずに気づいたときは、早めに皮膚科を受診してください。

編集部編集部

ほくろに似ている皮膚がんにはどんな種類があるのでしょう?

梅澤先生

基底細胞(きていさいぼう)がん悪性黒色腫(メラノーマ)などがあげられます。基底細胞がんは皮膚がんの中で最も発生頻度が高いがんです。顔に多く、下肢には少ないですね。顔は比較的気づきやすい場所ではありますが、でき始めは小さいので見過ごしてしまうことが多く、大きくなってから受診される方もいらっしゃいます。ただ基底細胞がんは、切除してしまえば治るがんで、転移の心配はほぼゼロといえるほどです。悪性黒色腫は非常に悪性度が高く、転移をすると命に関わる危険性があります。ただ、日本人では発症する確率はとても低いがんです。日本人の場合、足底や爪など四肢末端部に発症することが多いです。


 

基底細胞がんは手術でとれば安心。メラノーマは転移しやすく命に関わる怖い病気

編集部編集部

がんかどうかの判断はどのように行われるのでしょう?

梅澤先生

まずは目でみて判断します。わかりにくいときは、ダーモスコープという拡大鏡を使って、できものをみる検査をします。それで悪性が疑われるときは、組織を採取して詳しく調べる病理組織検査を行います。

編集部編集部

切除後の処置は?

梅澤先生

基底細胞がんの場合は、局所再発することがあっても転移することは非常にまれですので、切除後は経過観察するだけで追加の治療を行うことはありません。一方、メラノーマでは、リンパ節や肺や肝臓などの臓器に転移がないか精査し、病理検査と合わせてがんの進行度(ステージ)を確認し、必要であれば、薬物療法放射線治療などを行います。

編集部編集部

普通のほくろが皮膚がんに変わることはありますか?

梅澤先生

諸説ありますが、ほくろはほくろとして、がんはがんとして発症するのが一般的です。ですから、明らかにほくろと診断されたものはとらなくても大丈夫です。美容的にとりたいと希望される場合はとりますが、がん化を恐れてとる必要はありません。ただ例外として、生まれながらの巨大なほくろはメラノーマを発症する頻度が高いので注意が必要です。ごく初期のメラノーマでは、組織の検査をしても診断が難しいこともしばしばあるため悪性を否定できない場合には注意深い経過観察を行います。


 

メラノーマは怖い病気であるものの、早期発見できればほとんどが治せる

編集部編集部

メラノーマができやすい年齢や性別はありますか?

梅澤先生

若い方にはできにくいですね。小児のメラノーマは非常にめずらしいです。多くは30代以降で、年齢を追うごとに増えていきます。性差はあまりないですね。

編集部編集部

皮膚がんの主な原因は何が考えられますか?

梅澤先生

まだ明確になっていないことも多いのですが、基底細胞がんや有棘細胞がんの場合は露光部に多いということで、紫外線の影響が考えられます。熱傷(やけど)や外傷後のキズあと、放射線治療後の慢性皮膚炎も発生母地となることがあります。メラノーマについても、日焼け後に肌が黒くなりにくいスキンタイプの方が過剰な紫外線にさらされると、露光部に発症するリスクが高まるといわれています。また、日本人の場合は足の裏や爪など四肢末端部分にできることも多いようです。足の裏にできるものは、紫外線の影響とは考えにくく、慢性的な外的刺激も危険因子の一つと考えられています。

編集部編集部

皮膚がんの予防法があれば教えてください。

梅澤先生

紫外線の影響は若いころから蓄積していくといわれていますので、若いうちからできるだけ日焼けは避けたほうがいいですね。特に日焼けで肌が黒くなりにくいスキンタイプの方は、日頃から日焼け止めなどで過剰な日光曝露を避けることが予防につながるでしょう。メラノーマは悪性度が非常に高いがんですが、早期発見できればほとんどが治せますので、新しくほくろのようなできものができたときはよく注意するようにしましょう。足の裏は気づきにくいので時々チェックして、早めに皮膚科を受診してください。


 

編集部まとめ

ほくろか皮膚がんかどうかは、多彩で不規則な色調や、いびつな形をしていないかどうかが大きなポイント。また、7mm以上の大きなものや、急激に大きくなってきたものも要注意。自然発生した傷や出血があるときも、基底細胞がんやメラノーマなどの皮膚がんの可能性があります。
皮膚がんの中でも、最も発生頻度が高い基底細胞がんの場合は、局所再発することがあっても、転移の心配はほとんどありません。メラノーマは、悪性度が高く、転移すると命に関わる怖い病気であるものの、早期発見、早期治療によりほとんどが治せます。原因は、加齢と若いころからの過剰な紫外線曝露や慢性的な外的刺激、炎症などが影響している可能性があるとのこと。特に色白で日焼けにより黒くなりにくいスキンタイプの方はできるだけ若いうちから紫外線対策をしっかりすることが、予防になります。


 

医院情報

ひろみ皮フ科クリニック

ひろみ皮フ科クリニック
所在地 〒156-0051 東京都世田谷区宮坂2丁目17−2 英月ビル1F
アクセス 小田急線「経堂駅」南口から徒歩2分
診療科目 一般皮膚科、小児皮膚科、形成外科、美容皮膚科、アレルギー科

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