「ストレスで体がかゆい」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!


監修医師:
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)
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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。
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「ストレスで体がかゆい」症状で考えられる病気と対処法
ストレスがかかった時に、体にかゆみを感じたことはないでしょうか。強いストレスは体にさまざまな症状を引き起こします。今回はかゆみに着目して解説いたします。ストレスで体がかゆい症状で考えられる原因と対処法
ストレスで体がかゆい症状の場合、ストレス性皮膚炎の可能性が考えられます。ストレス性皮膚炎とは、正式な病名ではなく、一般的にはアトピー性皮膚炎の患者さんがストレス要因によって増悪した状態、と考えられています。 対処法は基本的にアトピー性皮膚炎への治療を行います。具体的には抗ヒスタミン薬やステロイドの薬を用いることが一般的です。またストレスそのものへの対応も重要になります。ストレスがかかった結果、その解消方法として肌を掻いてしまうことが癖になっており、さらにアトピー性皮膚炎の状態が悪くなる、という悪循環になってしまうためです。 ご自身でスキンケアを行なってもなかなか良くならない場合は、早めに皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。緊急性はありませんので日中に受診してください。ストレスで体がかゆくチクチクする症状で考えられる原因と対処法
ストレスで体がかゆくなりチクチクした感覚がある場合、皮膚掻痒症の可能性が考えられます。皮膚掻痒症とは、発疹が認められないにもかかわらず痒みを訴える疾患と定義されています。この病気自体、なぜかゆみが出現するのか詳しいメカニズムは判明していません。肝臓や腎臓、血液、内分泌(ホルモンなど)、感染症、悪性腫瘍、薬剤、精神疾患など、さまざまな病気が原因になるとされています。 内臓疾患を調べても異常がなく、高ストレス環境でかゆみを伴う場合は心因性の皮膚掻痒症が考えられます。治療法は、乾燥肌がある場合は保湿とスキンケアが有効とされていますが、特に乾燥していない場合は明確な治療法がないのが現状です。他の蕁麻疹などで有効なステロイドの塗り薬や抗アレルギー薬の内服なども、十分に効果があるという根拠はありません。しかしかゆみのために日常生活の質は著しく下がってしまう疾患ですので、我慢できない場合は早めに医療機関を受診しましょう。まず受診すべき診療科は皮膚科です。緊急性はありませんので日中に受診してください。ストレスで体がかゆくぶつぶつがある症状で考えられる原因と対処法
ストレスで体がかゆく、ぶつぶつした発疹が出現している場合、蕁麻疹の可能性があります。蕁麻疹は、端的に言えば「かゆみを伴った皮膚のボコボコした膨らみ(膨疹)」と表現できます。さまざまな原因で蕁麻疹が出現しますが、ストレスも蕁麻疹の背景因子として考えられています。 治療は抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)で治療を行うのが一般的です。さらにストレスや疲労が原因と考えられる場合は、生活スタイルの見直しも重要になります。 専門科は皮膚科です。緊急性はないので日中に受診しましょう。すぐに病院へ行くべき「ストレスで体がかゆい」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。 応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。 以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。かゆみに加えて息苦しい症状の場合は、救急科へ
体中にかゆみを伴った皮膚のボコボコした膨らみ(膨疹)が出現したタイミングで、息苦しさや腹痛を自覚するような時のことを指します。この場合は蕁麻疹と同時にアナフィラキシー反応も出現している可能性があり、緊急性が高くなります。皮膚科にこだわらず救急外来も受診するようにしましょう。受診・予防の目安となる「ストレスで体がかゆい」ときのセルフチェック法
- ・ストレスで体がかゆい以外に発疹がある場合
- ・ストレスで体がかゆい以外に息苦しい症状がある場合
- ・ストレスで体がかゆい以外に乾燥肌がある場合
「ストレスで体がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「ストレスで体がかゆい」に関する症状が特徴の病気を紹介します。 どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。蕁麻疹
日本皮膚科学会のガイドラインによれば、蕁麻疹とは「紅斑を伴う一過性、限局性の膨疹が病的に出没する疾患であり、多くは痒みを伴うもの」とされています。 紅斑とは、皮膚が赤くなっている状態のことを示し、膨疹とは皮膚が膨らみ盛り上がった状態のことを指します。 蕁麻疹が出現して数日のものは急性、1~1.5ヶ月以上続く場合は慢性となります。急性蕁麻疹の原因は大きく、①感染症②食物③薬剤の3つに分かれます。 感染症ではウイルスや細菌の感染症、特に歯槽膿漏・虫歯・歯肉炎などの歯科感染症や、マイコプラズマ、HPV B-19などのウイルスの関与が考えられています。 食物は一般の方も馴染みが深いかと思います。魚介類やしいたけなど、さまざまな食物は蕁麻疹の原因となり得ます。 また薬剤というのは、別の病気や症状のために内服している薬やサプリメントが該当します。特に蕁麻疹が出現する前に服用を開始した薬がある場合は、注意が必要です。 慢性蕁麻疹に関しては、原因が複雑ですぐに特定できないこともあります。 急性、慢性いずれであっても、専門科は皮膚科になります。抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)で治療を行うのが一般的です。 蕁麻疹単体では緊急性はありませんが、息苦しさや腹痛を伴う場合はアナフィラキシー反応が疑われ、緊急性が高くなります。このような場合は皮膚科だけでなく救急外来でもいいので受診するようにしましょう。ストレス性皮膚炎
ストレス性皮膚炎とは、アトピー性皮膚炎がストレスによって増悪した状態、と考えられています。医学的な正式名称ではありません。 アトピー性皮膚炎は増悪と軽快を繰り返す痒みのある湿疹を主病変とする疾患です。患者さんの多くは「アトピー素因」を持つとされています。症状は、特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹です。乳児期あるいは幼児期から発症して小児期に寛解(改善する)するか、あるいは寛解することなく再発を繰り返して、症状が成人まで持続し特徴的な湿疹病変が慢性的にみられる場合もあります。 アトピー素因とは、- ①気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・アトピー性皮膚炎のうちいずれかあるいは複数の疾患で家族歴・既往歴があること
- ② IgE 抗体を産生しやすい素因
「ストレスで体がかゆい」ときの正しい対処法は?
- ・スキンケア
- ・抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の内服
- ・ストレス因子の調整
「ストレスで体がかゆい」症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスで体がかゆい」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
ストレスで体がかゆいときは何科の病院を受診したらよいですか?
中川 龍太郎(医師)
皮膚科を受診してください。
ストレスで体がかゆいときの対処法を教えてください。
中川 龍太郎(医師)
スキンケアや抗アレルギー薬の内服などが対処法として挙げられます。
ストレスによる体のかゆみはどのようなものですか?
中川 龍太郎(医師)
「むずむず」「チクチク」「ジリジリ」などさまざまです。
まとめ ストレスで体がかゆいときは皮膚科を受診
ストレスに着目して体の痒みを起こす病気を解説いたしました。ストレスが要因と言っても、それだけでなく他の要因も合わさって痒みを引き起こすケースが多いです。これをご自身で判断するのは困難ですので、なかなか改善しない場合は早めに皮膚科を受診しましょう。「ストレスで体がかゆい」症状で考えられる病気
「ストレスで体がかゆい」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。 各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 ストレスで体がかゆい症状から考えられる病気は上記が挙げられます。症状が長引く場合は一度皮膚科を受診しましょう。「ストレスで体がかゆい」に似ている症状・関連する症状
「ストレスで体がかゆい」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。 各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。関連する症状
- ぶつぶつができて痒い
- ストレスですぐ掻いてしまう