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「顔にぶつぶつ」ができる原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

「顔にぶつぶつ」ができる原因・対処法はご存知ですか?医師が徹底解説!

顔のぶつぶつで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「顔のぶつぶつ」の症状で考えられる病気と対処法

マスク生活も緩和され始め、マスクなしで会話する機会も増えてきました。顔にぶつぶつができていたら、自分でももちろん、会話する時など気になってしまいますよね。また、毎日洗顔や化粧する際にも憂うつになってしまうかもしれません。今回は、顔のぶつぶつから考えられる原因や治療についてお伝えします。

顔のぶつぶつの症状で考えられる原因と対処法

顔にぶつぶつができる時、最も身近な疾患はニキビなのではないでしょうか。
実際、思春期までに多くみられる顔のぶつぶつの多くがニキビによるものです。しかし、環境の変化や加齢に伴ってニキビ以外の疾患も多くなってきます。顔のぶつぶつから考えられる皮膚疾患について、下記で解説していきます。

ニキビじゃない顔のぶつぶつの症状で考えられる原因と対処法

ニキビ以外にも顔にぶつぶつが出る疾患として湿疹や蕁麻疹、毛嚢炎、稗粒腫(はいりゅうしゅ)、脂漏性角化症、あせも、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹などさまざまな皮膚疾患が挙げられます。ぶつぶつの色や大きさなどの性状、経過によって診断は異なります。
なかでも顔のぶつぶつで意外と多いのが、化粧品による湿疹です。毎日使うものなので気が付きにくいのですが、化粧品を変更したタイミングで皮膚症状が悪くなっていないか一度振り返ってみましょう。もし化粧品による湿疹であれば、変更することで速やかに症状が改善することがあります。
また、加齢とともに増えていくものとして脂漏性角化症が挙げられます。老人性のイボと呼ばれ、皮膚の老化に伴い茶褐色のイボが増えていく疾患です。全身のどこにでも起こりますが、顔面など日光の当たりやすい部分にできやすい傾向があります。

赤い顔のぶつぶつの症状で考えられる原因と対処法

赤いぶつぶつは多くがそこで炎症が起きていることを示しています。ニキビでもその部分に炎症が起きている時は赤く変化します。また、虫刺症やあとで述べる毛嚢炎や汗疹、蕁麻疹でも赤いぶつぶつが見られることがあります。疾患によって全く治療が異なりますが、炎症が起こっている場合は抗生剤の使用が有効なので、症状が強い場合は早めに治療を受けましょう。

顔にぶつぶつがあり痒い症状で考えられる原因と対処法

かゆみを伴うぶつぶつとしては湿疹、蕁麻疹、あせもなどが挙げられます。かゆみが強いと寝ている間などに無意識に掻いてしまうために症状が増悪することがあります。掻くことが皮疹の増悪にもつながりますので、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン剤などのかゆみを抑える内服が必要となることがあります。湿疹に対してはステロイドが含有された外用薬で治療を行いますが、顔面は皮膚が薄いため弱いステロイドの薬を使用します。蕁麻疹、あせもについては下記でも説明を行います。

白い顔のぶつぶつの症状で考えられる原因と対処法

初期のニキビで毛穴に皮脂が溜まっている状態であれば白いぶつぶつとしてみられることがあります。また、それとは全くちがう稗粒腫(はいりゅうしゅ)という疾患が白いぶつぶつの原因であることもあります。稗粒腫とは、毛穴や汗腺1〜数mm程度の小さくて光沢のある硬いぶつぶつで、脂肪の塊のようにも見えますが実はケラチンと呼ばれるタンパク質によりできた角質が毛穴に詰まってできるものです。顔面では特に目の周囲にできることが多く、汗をかきやすい方や老化で皮膚の新陳代謝が落ちるとできやすい傾向にあり、触るとザラザラしています。稗粒腫は放置していても問題のない病気ですが、自然治癒は見込めないため外観が気になるようであれば皮膚科を受診しましょう。治療法としては、レーザー治療や物理的に取る方法があります。

赤ちゃんの顔のぶつぶつの症状で考えられる原因と対処法

赤ちゃんに起こる顔のぶつぶつは乳児湿疹が最も一般的ですが、乳児湿疹はいくつかの疾患の総称を指します。なかでも乳児脂漏性皮膚炎は生後1ヶ月頃によく見られる疾患で、胎児期に母親からもらった女性ホルモンの影響によって皮脂の分泌量が多くなることで起こります。乳児用の石鹸で優しく洗い流し保湿を行うようにしましょう。症状が強い場合は小児科もしくは皮膚科で相談しましょう。乳児湿疹の中には他にも新生児ざ瘡やアトピー性皮膚炎も含まれます。定期検診の際などに写真を持参し相談してみるのも良いでしょう。

すぐに病院へ行くべき「顔のぶつぶつ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

痛みを伴う場合は、皮膚科へ

顔のぶつぶつで早めの病院受診が必要となる疾患として帯状疱疹が挙げられます。帯状疱疹とは神経に潜むウイルスが原因となり神経支配に沿う部位に痛みを伴う皮疹の出る疾患で、顔面に起こることもあります。左右どちらかのみに帯状に症状が出る点が特徴ですが、顔面の眼や耳に関わる神経に感染していると、重症の場合、視力障害や聴力障害が起こる場合がありますので、左右どちらかに痛みを伴うぶつぶつが出現した際はなるべく早く皮膚科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「顔のぶつぶつ」のセルフチェック法

  • 顔のぶつぶつ以外に眼の見え方や耳の聞こえ方に異常がある場合
  • 顔のぶつぶつ以外に全身のぶつぶつがある場合

「顔のぶつぶつ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「顔のぶつぶつ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

ニキビ

ニキビとは尋常性痤瘡のことで、塞がった毛穴の中に皮脂が溜まり、毛穴の中で菌が増殖することで起こります。ニキビは毛穴が多い額や小鼻などのいわゆるTゾーンにできることが多く、皮脂分泌が盛んになる中学生頃から頻繁に見られます。思春期でなくても、ストレスや睡眠不足などの生活の乱れ、皮膚環境の悪化により悪化することもあります。炎症が増悪すると皮下に膿が溜まったりニキビ痕ができてしまったりするため悩まされる方も多いでしょう。
症状が軽ければ市販の外用薬で治癒が期待できますが、症状が強い場合は皮膚科を受診しましょう。治療は外用や内服を行います。治療前にむやみに触ってしまうと悪化する場合があるので気をつけましょう。

あせも

あせもとは汗疹のことで、汗の出てくる汗管に汗が詰まることで起こる炎症のことを指します。汗をかきやすい顔面や脇の下・肘や膝の内側によく起こる疾患で、特に汗のかきやすい夏に増える疾患です。見た目は透明もしくは赤いぼつぼつが見られ、かゆみを伴う場合もあります。治療しなくても自然に軽快する場合もありますが、炎症が強い場合はステロイド含有の外用薬で炎症を鎮める治療を行います。掻くと増悪してしまうので痒くても掻きすぎないように気をつけましょう。汗をかきやすい環境を避けること・汗をかいた時はなるべく早く洗い流すことが予防にもつながるため、特に夏場には予防がお勧めです。

毛嚢炎

毛嚢炎とは毛穴の奥の毛包と呼ばれる部分で皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が繁殖することで起こる疾患です。初めは白っぽい見た目をしていることが多いですが、炎症が強くなると赤く腫れてきて、痛みを伴う場合もあります。
清潔を保って過ごすことで自然治癒することもありますが、炎症が強く長引く場合は抗生剤の内服や切開治療が必要となるため皮膚科を受診しましょう。

蕁麻疹

蕁麻疹とは膨疹と呼ばれる、24時間以内に消失する皮疹が見られる疾患で、一過性の浮腫により起こる疾患です。蕁麻疹を起こす原因は、食事・薬・ストレスなど身の回りのものは何でも原因になりうるため、はっきりしないことも稀ではありません。症状を繰り返す際は原因検索を行い、原因を避けることで出現を抑えることができます。
治療は抗ヒスタミン薬の内服を行います。市販の内服薬で治る場合もありますが、繰り返すときは皮膚科を受診しましょう。

「顔のぶつぶつ」の正しい対処法は?

顔のぶつぶつのさまざまな原因について解説を行いました。抗ヒスタミン薬やステロイドを含有した市販薬で症状が治ることもありますが、その際には薬剤師に相談して使用方法を確認してから使用を開始しましょう。もし、市販薬を使用しても症状が継続もしくは増悪する場合は必ず皮膚科を受診しましょう。早く受診することで正確な診断・治療が可能となります。
どの疾患であっても基礎となる皮膚の状態が悪いと増悪につながります。偏った食生活やビタミン類や亜鉛の欠乏は皮膚の機能を弱め、皮膚疾患が起こりやすい環境になってしまいます。バランス良い食事を摂ることを心がけるとともに、サプリメントで補っても良いでしょう。また、生活リズムや睡眠環境を整える事やストレスを避ける事も皮膚症状の改善につながります。
予防としては、普段から皮膚への刺激を避け保湿を継続することが重要です。具体的にはなるべく化粧を控え、刺激の少ない化粧水やクリームで肌を保護するなど、日頃のスキンケアを心がけましょう。

「顔のぶつぶつ」の症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「顔のぶつぶつ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

顔のぶつぶつはどうしたら治りますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

ぶつぶつと一言で言っても原因はさまざまです。疾患にあった治療を受けることが重要です。自然治癒する疾患も多いですが、外用薬や内服薬の治療が必要となることもあるため、症状が持続する場合は皮膚科を受診しましょう。

ニキビじゃない顔のぶつぶつは何ですか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

湿疹や蕁麻疹、毛嚢炎、稗粒腫、脂漏性角化症、あせも、アトピー性皮膚炎、帯状疱疹などさまざまな原因が考えられます。

顔のぶつぶつに効く市販薬はありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬や炎症を抑えるステロイド配合の外用薬が有効なこともあります。市販薬を使用しても改善に乏しい場合は診察をお勧めします。

顔にぶつぶつが出来たのですが何かアレルギーなのでしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

アレルギー反応として湿疹や蕁麻疹が起こる場合もあります。原因がわかる場合は原因を避けることで皮膚症状が改善することもあります。

まとめ 顔のぶつぶつは皮膚のメンテナンスで予防

顔は皮膚が薄いうえに皮脂の分泌も多く、さまざまな刺激に晒される部分なので皮膚トラブルが起きやすい部位です。肌のトラブルを避けるには日頃から紫外線や化粧などの刺激を最小限に抑えること、季節を問わず保湿を行うことが予防になります。また、生活習慣の乱れも皮膚症状の増悪につながりますので気をつけることが大切です。

「顔のぶつぶつ」症状で考えられる病気

「顔のぶつぶつ」から医師が考えられる病気は9個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

小さい範囲で出現したばかりのぶつぶつであれば様子見で改善することが多いですが、範囲が広く明らかに赤みが強かったり、痛みが強かったりする場合には、病気が隠れている可能性があります。

「顔のぶつぶつ」に似ている症状・関連する症状

「顔のぶつぶつ」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 皮膚がかゆい
  • 皮膚が赤い
  • 皮膚が乾燥する
  • 膿が出る
  • 目が見えにくい
  • 耳が聞こえにくい

「顔のぶつぶつ」の他にこれらの症状がある場合でも「尋常性ざ瘡」「湿疹」「蕁麻疹」「毛嚢炎」「稗粒腫」「脂漏性角化症」「汗疹」「アトピー性皮膚炎」「帯状疱疹」などの疾患の可能性が考えられます。ぶつぶつから膿が出てくる場合やぶつぶつに近いエリア(目や耳)の症状がある場合には、早めの医療機関への受診を検討しましょう。