「指先にとげが刺さったような痛み」の原因はご存知ですか?医師が徹底解説!
指先にとげが刺さったような痛みで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。
監修医師:
柏木 悠吾 医師
「指先にとげが刺さったような痛み」の症状で考えられる病気と対処法
「指先にとげが刺さったような痛み」という症状は誰しも経験したことがあると思います。症状の原因は様々です。どのような場合に病院受診をする必要があるのか解説していきます。
指先にとげが刺さったような痛みの症状で考えられる原因と治し方
指先にとげが刺さったような痛みの症状がある場合、手根管症候群を疑います。
手根管症候群は、正中神経という手首の神経が手根管というトンネルで圧迫された状態です。痛みの症状が親指〜薬指にかけて出現します。
ビリビリしたり、チクチクする痛みが走ります。
すぐにできる処置は、手を振ったり指を曲げ伸ばしすることです。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので、日中に受診を行いましょう。
何も刺さっていないのに指先にとげが刺さったように痛む症状で考えられる原因と治し方
実際にはトゲが刺さっていないのに、トゲが刺さったように痛む症状がある場合、へバーデン結節を疑います。
へバーデン結節は、指の第1関節が変形し曲がってしまう原因不明疾患です。人差し指〜小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。その結果、痛みを伴う場合もあります。
一般に40歳代以降の女性に好発し、原因は不明です。
すぐにできる処置は、安静です。痛くても使わないといけない時は隣の指と一緒に固定する「テーピング」がおすすめです。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので日中の受診をしてください。
指先にとげが刺さったような痛みがあり腫れている症状で考えられる原因と治し方
指先にとげが刺さったような痛みと腫れる症状がある場合、バージャー病を疑います。
バージャー病は四肢の末梢血管に閉塞をきたす疾患です。40歳以下の男性喫煙者に多いと言われています。手指・足趾の虚血症状により指先に痛みがおこります。
すぐにできる処置は、禁煙です。患肢の保温をするように生活指導することもあります。
主な診療科は、整形外科もしくは循環器内科です。進行すると四肢切断になることもありますので、疑ったらすぐ病院を受診しましょう。
痛風で指先にとげが刺さったような痛みの症状が起こりやすい主な原因と対処法
痛風の際には、指先にとげが刺さったような痛みがあり腫れてしまいます。
痛風は主に足の親指の付け根が赤く腫れて痛くなる疾患です。風邪が吹いても痛いということでそう呼ばれています。
生活習慣病が原因とも言われています。血液中の尿酸値が上昇して関節内に結晶が生じます。結晶を白血球が処理することにより炎症がおきて痛みに繋がります。
すぐにできる処置はありませんが、冷却は効果的でしょう。予防が大切であり、生活習慣から見直す必要があります。
主な診療科は整形外科もしくは内科です。緊急性はありませんが、痛みが強いことが多いのでお気軽に近くの病院を受診してください。
すぐに病院へ行くべき「指先にとげが刺さったような痛み」に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
外傷(けが)を伴う指先のとげが刺さったような痛みの場合は、整形外科へ
外傷、つまり怪我を伴う指先のとげが刺さったような痛みの症状を指します。このような場合、骨折を疑います。骨折の場合、多くは激痛や腫脹を伴います。しかし、症状は個人差があり、とげが刺さったような症状を呈することも考えられます。
骨折を疑ったら、整形外科を受診しましょう。開放骨折などの緊急性の高い場合もありますので、すぐに近くの病院を受診しましょう。
受診・予防の目安となる「指先にとげが刺さったような痛み」ときのセルフチェック法
- ・指先にとげが刺さったような痛み以外に腫れや発赤の症状がある場合
- ・指先にとげが刺さったような痛み以外に手指筋力低下の症状がある場合
- ・指先にとげが刺さったような痛み以外に冷感や感覚障害の症状がある場合
「指先にとげが刺さったような痛み」の症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「指先にとげが刺さったような痛み」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
変形性関節症(へバーデン結節)
へバーデン結節は、指の第1関節が変形し曲がってしまう原因不明疾患です。示指〜小指にかけて第1関節が赤く腫れたり、曲がったりします。その結果、痛みを伴う場合もあります。
一般に40歳代以降の女性に好発し、原因は不明です。変形性関節症とも呼んでいます。
すぐにできる処置は、安静です。痛くても使わないといけない時は隣の指と一緒に固定する「テーピング」がおすすめです。
治療は,薬物療法や理学療法を行うことが多いです。稀ですが、手術を行うこともあります。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので日中の受診をしてください。
手根管症候群
手根管症候群は、正中神経という手首の神経が手根管というトンネルで圧迫された状態です。痛みの症状が親指〜薬指にかけて出現します。
主に中高年の女性や手を酷使する職業の方に好発します。
すぐにできる処置は、手を振ったり指を曲げ伸ばしすることです。
治療は、保存治療なら安静や薬物療法です。手術療法なら手根管を開放する手術を行います。
主な診療科は整形外科です。緊急性はないので、日中に受診を行いましょう。
関節リウマチ
関節リウマチは、関節内に存在する滑膜という組織が関節内に炎症を起こす疾患です。進行すると関節が破壊され、様々な機能異常をきたします。
発症の原因はよくわかっていません。自己免疫疾患と考えられています。
朝のこわばりや関節の痛み・腫れが出現します。だんだんと痛みが増し、日常生活が困難になっていきます。
原因不明ではありますが、症状を悪化させないために休養と栄養が重要であることが言われています。
治療は薬物療法が基本です。理学療法も並行して行われます。
関節破壊が進み日常生活が困難になった場合は、手術が行われることもあります。
主な診療科は整形外科もしくは膠原病内科です。緊急性はありませんので,日中の受診を行いましょう。
「指先にとげが刺さったような痛み」の正しい対処法は?
指先にとげが刺さったような痛みがある場合には、まずは手を動かしたり、振ったりすることで良くなることもあります。また、ぶつけたなどの怪我ではなければ温めてみるのも一つの手法です。
もしも、実際にとげが刺さっている時は、どれだけ深く刺さっているかが重要なポイントです。完全に皮膚の中に入ってしまったら、五円玉で周囲の組織を圧迫してみてください。少しとげが出てきたらピンセットなどで除去してください。
市販薬は飲んだり、塗ったりすることは可能です。ただし、飲み合わせや副作用について薬剤師さんにしっかり聞くことをお勧めいたします。
症状を緩和させる市販薬には、ロキソニンS、イブ、バファリンなどがあります。
嘔吐や胃痛、食前に鎮痛薬を内服することは避けた方がいいでしょう。
食後や胃薬と一緒に内服するなど,胃潰瘍を作らないよう注意してください。
早く治したい場合は専門家の受診をお勧めいたします。
「指先にとげが刺さったような痛み」の症状についてよくある質問
ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「指先にとげが刺さったような痛み」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
とげが刺さったような指先の痛みは何科に行けばいいですか?
柏木 悠吾 医師
指先の痛みなので、整形外科が主な診療科です。
何もないのに指に棘が刺さったように痛むのは神経痛でしょうか?
柏木 悠吾 医師
神経痛の可能性はあります。手をよく使う職業の方であればもっと可能性は高くなります。感覚障害や筋力低下などの症状も合併していることがあります。
指先にとげが刺さったような痛みはほっとくとどうなりますか?
柏木 悠吾 医師
自然に治癒することもありますが、状態によっては四肢切断のリスクもあります。
まとめ
「指先にとげが刺さったような痛み」は誰しもが経験したことのある症状だと思います。症状の原因は様々ですが、緊急性があることもあります。
指先というささいな症状であるとは思います。しかし、ご心配であればお気軽に病院を受診してくださいね。
「指先にとげが刺さったような痛み」の症状で考えられる病気
「指先にとげが刺さったような痛み」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
循環器系の病気
症状の原因はさまざまありますが、緊急性のある病気が見つかることもあります。
「指先にとげが刺さったような痛み」に似ている症状・関連する症状
「指先にとげが刺さったような痛み」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 指がヒリヒリする
- 指先が腫れている
- 何も刺さってないのにチクチクする
- 一本だけ指が腫れる
- 指が痛い
- 関節が痛くてだるい
「指先にとげが刺さったような痛み」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「バージャー病」「手根管症候群」「肘部管症候群」「へバーデン結節」「関節リウマチ」「痛風」「末節骨骨折」などの疾患の可能性が考えられます。
ぶつけるなど怪我によって激痛が走っている場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
・手・指の症状(日本整形外科学会)