「つま先が痛い」のを治すには？症状ごとの対処法を医師が徹底解説！

つま先が痛いのを治すには？Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「つま先が痛い」症状で考えられる病気と対処法

つま先が痛くなると、どのような病気が隠れているか、心配になりますね。つま先が痛くなると、日常生活に支障をきたすこともあり、早急に診断して、適切に治療することが重要です。今回は、つま先が痛くなる原因疾患やその対処法などを紹介します。

靴を履いた時につま先が痛い症状で考えられる原因と対処法

靴を履いた時につま先が痛い原因疾患として、「外反母趾」が挙げられます。外反母趾の原因には、生まれながらの解剖学的な特徴である遺伝的な要因と、生活習慣が大きく関わる非遺伝的な要因があります。外反母趾には保存的な治療と手術による根治治療があります。個々によって治療手段は異なりますが、多くは保存的治療が選択されます。症状が心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

つま先が痛み、手も痛い症状で考えられる原因と対処法

つま先が痛み、手も痛い症状で考えられる原因疾患として、「関節リウマチ」が挙げられます。関節リウマチの症状は、ほかのリウマチ疾患の症状と似ているため、鑑別のための検査も必要であり、診断は、問診のほかに触診、血液検査、画像検査などから総合的に判断されます。画像検査としては、関節レントゲン検査や超音波検査、MRI検査などがあります。関節リウマチに使用される薬は、消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬、ステロイド、生物学的薬剤です。心配であれば、整形外科など専門医療クリニックを受診しましょう。

立ち仕事でつま先が痛い症状で考えられる原因と対処法

立ち仕事でつま先が痛い症状で考えられる原因疾患として、「爪下外骨腫」が挙げられます。爪下外骨腫のために爪が変形している場合、爪の一部を切除する、あるいは陥入爪の治療に準じた手術を行うことで、爪の成長が正常化し、症状が改善されることが期待できます。術後、歩行困難が予想される場合などは入院施設での治療をおすすめする場合があります。個々のケースで、患部の部位や症状、目的などに合わせて、適切な治療を行うことが重要です。手術がそれなりに負担の大きいものとなることが予想される場合、一時的な痛みや炎症の管理のために、非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）などの鎮痛薬が処方されることがあります。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

ランニングした時につま先が痛い症状で考えられる原因と対処法

ランニングした時に、つま先が痛い症状で考えられる原因疾患として、「母趾種子骨障害」が挙げられます。母趾種子骨障害は、第1 中足趾節（MTP）関節に伸展ストレスが繰り返し加わることにより発症すると考えられており、主にダンサーやランナーに好発することが知られています。母趾種子骨障害は母趾の付け根にある種子骨や腱、母趾MTP関節など種子骨の周辺で起こる症状が出現し、母趾種子骨障害に関連する主な症状は、急性の骨折、疲労骨折、炎症、二分種子骨、骨壊死、感染、関節症などが挙げられます。それぞれの症状には、腫れや痛みなどが伴い、症状が進行すると、歩くこともままならないほどの痛みになります。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

つま先と足が痛い症状で考えられる原因と対処法

つま先と足が痛い症状で考えられる原因疾患として、「巻き爪」が挙げられます。巻き爪が引き起こされる原因としてはこれまでの研究で色々なものが指摘されていますが、主たる原因のひとつは爪に加重される物理的外力のバランスが破綻する事と考えられています。爪の部分が横の方向から圧迫される、あるいはその逆で爪が下のベクトル方向から受けるストレスが弱くなると、爪の端部分が内側にある皮膚や周囲組織の方向へ巻いていく動きに繋がります。普段のセルフケアのなかで爪を切る際に爪を切り過ぎて深爪になる、もしくはその逆に爪を伸ばし過ぎて爪が巻かれていくことも可能性として想定されます。特に、爪を短く切りすぎて深爪になってしまうと、爪の両端が皮膚に埋もれて歩行するたびに両側から皮膚に圧される結果、巻き爪が知らず知らずのうちに悪化すると指摘されていますので、足の爪は深爪にならないよう、切り過ぎないことを認識しておきましょう。心配であれば、皮膚科など専門医療機関を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「つま先が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

足の親指の付け根が痛い場合は、整形外科へ

運動をしている間だけ足の親指が痛い、あるいは慢性的に同部に痛みを感じる場合は母趾種子骨障害の症状かもしれません。母趾種子骨障害とは、母趾（足の親指）の付け根部分に極端に負担がかかったことで、骨が割れたり炎症が起きたりして、慢性的な痛みを引き起こす病気です。足の裏の付け根部分には種子骨という小さな2つの骨があり、その間にある腱がスムーズに動くことによって親指で踏み込んで親指が大きな力を出せるようにサポートしています。それ以外にも親指を踏み返す時、種子骨の間にある腱がこすれすぎないようにしたり親指が動く方向付けをしたりする役割があるのが種子骨です。 母趾種子骨は、第1 中足骨遠位底側において短母趾屈筋内に2 つ存在し、この2 つの種子骨間を長母趾屈筋腱が走行しています。足の裏にある骨の中でも種子骨は出っ張っている構造であるため、親指を反り返したり踏み込んだりする動作を続けていると極端に負荷がかかりやすい特徴があります。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

受診・予防の目安となる「つま先が痛い」ときのセルフチェック法

• つま先が痛い以外に足の変形症状がある場合
• つま先が痛い以外に爪の周囲が赤い症状がある場合
• つま先が痛い以外に指が腫れている症状がある場合

「つま先が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「つま先が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

外反母趾

外反母趾とは足指の変形をきたします。母趾（足の親指）の付け根の関節が第二趾のほうに“くの字”に曲がったものをいいます。母趾の関節は通常、外側の第二趾のほうに沿って曲がっていますが、この角度が20度以上のものを外反母趾とすることが一般的です。母趾の付け根の関節は足の内側に大きく突き出し、靴との摩擦で強い痛みが生じるため、歩行障害の原因になりますし、重症の場合には、母趾の付け根の関節が亜脱臼することもあり、手術が必要になることもまれではありません。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

強剛母趾

母趾MTP関節の変形性関節症であり、主に母趾の付け根の関節の背側（足の甲側）に痛みをきたします。外反母趾と疼痛部位が類似しており、混同されることがあります。母趾MTP関節背側に痛みがあり、歩行時の踏み込み、つま先立ちで痛みがあります。母趾MTP関節の伸展可動域制限があり、伸展強制させることで痛みがで、病期が進行すると背側のみでなく、全体の痛みとなります。母趾MTP関節全体が熱感はないが、腫れることが多いです。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

爪下外骨腫

爪下外骨腫（Subungual Exostosis）は、爪の下に発生する良性の骨腫瘍であり、爪下外骨腫は通常、指やつま先の爪の下に位置し、爪の成長領域（爪の根元）に近いことが多いです。爪下外骨腫は骨が成長して形成されるため、硬く、しばしば皮膚の下で骨様の触知がされます。爪の下にあるため、視覚的には確認しにくいことがあります。爪下外骨腫が形成されると、爪に圧迫をかけることがあり、痛みや不快感を引き起こすことがありますし、爪の成長を妨げることがあり、爪が変形することもあります。爪下外骨腫の治療法は、症状の程度、患者の痛みの度合い、腫瘍の大きさによって異なりますが、根治的な治療として外科的な切除が検討されることがあります。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診しましょう。

関節リウマチ

関節リウマチは、初期のうちは両方の足や指の関節が対称的に腫れるのが特徴です。特に、朝に手の関節のこわばりを自覚しやすく、朝起きてから30分以内に症状が現れます。症状が進行すると、膝関節や股関節に水が溜まって動きにくくなるため、日常生活に支障をきたすことがあるでしょう。全身の関節に進行していくタイプの患者さんの場合には、指や手首の関節が破壊されて、指が短くなる場合や、関節が脱臼して足の指が変形して足のつま先が痛くなることがあります。関節のこわばりやつま先が痛くなることがあれば、整形外科を受診しましょう。

巻き爪

「巻き爪」という言葉は日常的に多くの方が使用していますが、爪が単純に巻いているというだけでは一般的には患部に強い痛みを感じません。爪のまわりの辺縁部分がその横に位置する皮膚（爪郭と呼ばれる部位）にもぐり込んで、爪の組織自体が周辺皮膚部を強く圧迫しだすと特に強度の痛みが生じることになります。さらに、段々と症状がひどくなり放置すると、爪が物理的にあたっている皮膚の周囲部分から自然とは異なる不良な肉芽組織が形成されて、その後に指が変形することもあります。巻き爪は、通常であれば5本の足の指の中で外的な物理力が掛かりやすい第1趾爪（親指爪）に多く発症すると言われていますが、他の指趾にも認められることもあります。心配であれば、整形外科など専門医療機関を受診して相談しましょう。

「つま先が痛い」の正しい対処法は？

関節リウマチに伴って、つま先が痛い場合の治療法は、薬物療法、リハビリテーション、手術療法などの治療法があります。以前のリウマチ治療は、薬で痛みや炎症を抑えるか、悪化した関節を手術で取り除くしか手立てがありませんでした。しかし、新しい治療薬が登場したことで、病気の進行を食い止めて患者さんの生活の質（QOL）を高める治療ができるようになりつつあります。 最新の関節リウマチの治療では、各種治療法を組み合わせて寛解を目指しています。巻き爪に伴って、つま先が痛い場合の治療法は、日常におけるセルフケアに前向きに取り組む事で指の痛みを軽減させることが可能であり、普段から正しい歩き方や理想的な靴選びを心がけると良いでしょう。靴選びを誤ると巻き爪を助長することになります。特に、自分のサイズとまったく合っていないハイヒールやパンプスなど先端がシャープに細くなっている靴を日常的に履いていると爪が自然と圧迫されます。また、その逆の場合として、ゆるいぶかぶかの大きすぎるサイズの靴では靴の中で足が前方に滑ってしまうことで爪を圧迫することになってしまいます。したがって、自分の足のサイズに適したシューズを選ぶことによって、巻き爪のみならず骨格変形、靴ずれ、ウオノメなどを始めとする皮膚のトラブルを回避することが出来ます。巻き爪は、爪の端の部分が内側方向へ巻き込まれて周囲の爪の下に該当する部位や周りの皮膚組織を損傷しやすく、同時に細菌が侵入して患部に感染を引き起こして強い炎症を起こし爪囲炎を合併することもありますので注意しましょう。

まとめ　つま先が痛い症状は放置しないことが重要

「足の指が腫れている」「つま先や足の裏が痛い」「足の指が曲がってきた」などの症状で悩んでいる方は、関節リウマチや巻き爪など様々な疾患が隠れている可能性があります。足の症状を放置していると、気が付かないうちに病気が徐々に進行している事があるので注意が必要です。心配であれば、専門医療機関を受診して相談しましょう。今回の情報が参考になれば幸いです。

「つま先が痛い」症状で考えられる病気

「つま先が痛い」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 上記のようないろいろな原因・病気が考えられる症状です。

「つま先が痛い」に似ている症状・関連する症状

「つま先が痛い」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。 足の症状を放置していると病状が進行した状態で見つかることがあるので、注意するようにしてください。