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「不整脈とストレス」の関係とは?放置してはいけない“5つの症状”も医師が解説!

「不整脈とストレス」の関係とは?放置してはいけない“5つの症状”も医師が解説!

ストレスは不整脈が起こる原因になる?メディカルドック監修医が不整脈とストレスの関係性と対処法・何科へ受診すべきかなどを解説します。

大沼 善正

監修医師
大沼 善正(医師)

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昭和大学医学部卒業。昭和大学病院、関東労災病院を経て、現在はイムス富士見総合病院勤務。総合内科専門医、循環器専門医、不整脈専門医、医学博士。

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「不整脈」とストレスの関係性と治療・対処法・関連する病気

不整脈とは、脈が乱れたり、遅すぎたり、速すぎたりすることをいいます。脈が乱れると、「めまいがする」「動悸がする」「ドキドキする」「脈が速くなった感じがする」などの症状が現れます。
原因は多くありますが、その中でもストレスは不整脈を引き起こす代表的なものの一つです。ここでいうストレスとは精神的なものに限らず、睡眠不足や過労といった身体的な要素も含めたものです。ストレスをきっかけに現れる不整脈の中には、放置すると危険なものもあります。
本記事では、その治療・対処法、関連する病気に関して分かりやすく解説します。

ストレスと不整脈の症状の関連性と対処法

ストレスにより自律神経のバランスが乱れる(交感神経が活性化し、副交感神経が抑制される)ことで、不整脈が起こりやすくなります。
症状としては、

  • ・ドキドキする、鼓動が速くなる
  • ・脈が飛ぶ、抜ける感じがする
  • ・脈が不規則にバラバラと乱れている

などがあります。
症状から考えられる代表的な不整脈としては、以下のものがあります。

  • ・ドキドキする、鼓動が速くなる:「発作性上室性頻拍(ほっさせい・じょうしつせい・ひんぱく)」
  • ・脈が飛ぶ、抜ける感じがする:「期外収縮(きがいしゅうしゅく)」
  • ・脈が不規則にバラバラと乱れている:「心房細動(しんぼうさいどう)」

期外収縮は出ている場所によって、上室性期外収縮(じょうしつせい・きがいしゅうしゅく)、心室性期外収縮(しんしつせい・きがいしゅうしゅく)と呼ばれます。
対処法としては、椅子に座り楽な体勢になる、横になって休む、深呼吸をする、冷たい水を飲む(一部の頻脈性不整脈では、迷走神経が刺激され一時的に脈が治まることがあるため)、などがあります。長時間(目安としては30分以上)動悸が続く、速くなった脈が治まらない、めまい・ふらつき・立ちくらみがあるという場合には、日中であれば循環器内科を受診しましょう。夜間や休日の場合には、救急外来を受診することをお勧めします。とくに、意識が遠のく感じがする、または意識を失った、強い胸痛や呼吸困難が伴う、冷や汗がある場合には、緊急の対応や治療を必要とする可能性があるため、救急車を要請する必要があります。

ストレスと食後の嚥下性不整脈の症状の関連性と対処法

嚥下性不整脈とは、食べ物や飲み物を飲み込んだ時(嚥下)に起こる不整脈です。食事中や食後に、動悸や脈が飛ぶ感じ、めまい・ふらつき・失神を自覚することが特徴です。
原因としては、

  • ・食道は左心房のすぐ後ろを通っているため、通過する食物が物理的に心臓を刺激する
  • ・食道には自律神経が分布しているため、食道を食べ物が通った時に迷走神経(副交感神経)を刺激する

ことが考えられています。
ストレスがあると自律神経のバランスが乱れ、嚥下性不整脈が誘発されやすくなります。
予防としては、一度にたくさん食事をしない、ゆっくり食べるなどがあります。
対処としては、椅子に座り楽な体勢になる、横になって休む、深呼吸をするなどが有効です。病院の受診目安としても、ストレスが関与する他の不整脈と同様に、改善がなければ循環器内科を受診しましょう。

すぐに病院へ行くべき「ストレスによる不整脈」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

不整脈とストレスで意識障害や強い胸痛がある場合は循環器内科・救急外来へ

意識を失う原因としては、脈が極端に遅くなる、または脈が速すぎて血圧が低下し、結果的に脳への血流が少なくなっている可能性があります。さらに、強い胸痛や呼吸困難の場合には、心不全や、ほかの重篤な心疾患を合併している可能性があるため、速やかな治療が必要な場合があります。
脈が遅くなる病気の例:

  • ・洞不全症候群(どうふぜんしょうこうぐん)
  • ・房室ブロック(ぼうしつぶろっく)

また脈が速くなる病気の例:

  • ・発作性上室性頻拍(ほっさせい・じょうしつせい・ひんぱく)
  • ・心房細動(しんぼうさいどう)
  • ・心房粗動(しんぼうそどう)
  • ・心室頻拍(しんしつひんぱく)

目の前が暗くなる、意識を失う、胸を締め付けられるような強い痛みがある、息ができなくなるほど呼吸が苦しい場合には、救急車(119番)を要請し、速やかに医療機関を受診する必要があります。

病院受診・予防の目安となる「不整脈とストレス」が気になるときのセルフチェック法

  • ・目の前が暗くなる、または意識が遠のくことがある場合
  • ・胸が締め付けられるような強い痛みがある場合
  • ・息がしづらく、強い呼吸困難がある場合
  • ・胸の症状に加え、冷や汗をかいている場合
  • ・動悸が30分以上続く場合

「不整脈」とストレスとの関連性が高い病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「不整脈」とストレスが特徴的な病気、放置するとどのようなリスクが起こるのかを紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

不整脈

ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、交感神経が優位となり、不整脈が起こりやすくなることがあります。
症状としては脈が飛んだり、速くなったりします。医師により軽症と診断された場合には、休息をとり、ストレスを軽減することで症状の改善が期待できます。動悸を繰り返す場合には、循環器内科を受診し、心電図やホルター心電図などの検査で不整脈を診断します。ただし、「意識がなくなる」「強い胸痛や呼吸困難がある」場合には、救急車を要請し、速やかに医療機関を受診しましょう。
必要に応じて薬物療法、ペースメーカ治療、カテーテルアブレーションなどの治療が行われます。

自律神経失調症

自律神経失調症とは、自律神経のバランスが乱れることによって起こる状態を指します。器質的疾患(検査で診断される明らかな身体の病気)がなくても、動悸やめまいなどが起こっている場合、病状を説明するときに用いられることがあります。
実際の医療現場では、以下のような病態が「自律神経失調症」と説明されることが多いです。

  • ・不安障害
  • ・パニック障害
  • ・身体症状症
  • ・機能性身体症候群(過敏性腸症候群、慢性疲労症候群など)
  • ・起立性調節障害

動悸、めまい、息苦しさ、倦怠感などがある場合には、まずは内科や循環器内科で検査を行います。明らかな内科的疾患がなければ、心療内科や精神科の受診を検討します。

動脈硬化

動脈硬化とは、血管が硬くなったり、動脈内にプラーク(コレステロールなどの塊)がたまって、血管の内腔が狭くなったりする病態です。主な危険因子として、加齢、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙があります。
ストレスがかかると、以下のことが起こります。

  • ・交感神経が優位となり、血管が収縮し、血圧が上昇する
  • ・ストレスホルモン(コルチゾール)が増えることで、血糖値やコレステロールの代謝が乱れる

そのため、慢性的なストレスにさらされていると、動脈硬化が進行しやすくなります。
適度な運動、散歩や自転車などの有酸素運動はストレス解消にもつながり、運動自体も動脈硬化予防に役立ちます。食事としては、塩分・飽和脂肪酸(動物性の脂など)・糖分を控え、野菜・魚・食物繊維を積極的に取り入れることが大切です。
健診で血圧、コレステロール、血糖値の異常を指摘された場合は、自覚症状がなくても放置せず内科や循環器内科を受診しましょう。

狭心症

狭心症は、冠動脈(心臓を栄養している血管)が動脈硬化で狭窄し、心臓に必要な酸素や栄養が届きにくくなることで起こるとされています。持続的なストレスは、動脈硬化を進行させることで、狭心症を起こす一因となり得ます。
またストレスそのものでも、冠動脈の痙攣(けいれん)による狭心症を起こす引き金となり得ます。これは冠動脈が痙攣により一時的に強く縮んで、心臓への血流が低下する状態で、冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせい・きょうしんしょう)といいます。夜間や早朝の安静時に起こりやすいとされています。
心臓の筋肉に十分な血流が行き渡らなくなると、以下のような症状を起こします。

  • ・胸の痛みや圧迫感
  • ・心窩部(みぞおち)の痛み
  • ・のど、あごや歯の痛み
  • ・左腕や左肩の痛み

動脈硬化による狭心症では、多くは坂道を上るときや運動時に起こります。症状が数分程度で落ち着き、その後も症状がまったくなければ、安静にして様子を見ることも可能です。しかし、初めての症状である、その後も胸部症状や息苦しさが残る、短時間で改善しても症状を繰り返す場合や、胸痛や圧迫感などの症状が20分以上も続く場合には、冠動脈が詰まりかけているサインかもしれないため、救急車を要請するなど、救急外来や循環器科を受診しましょう。

「不整脈」が起きてストレスが気になるときの正しい対処法は?

症状があるときは、楽な姿勢で座るか、横になりましょう。深呼吸を行い、ゆっくりと息を吐いて緊張を和らげます。体が冷えていると自律神経のバランスが乱れやすいため、上着を羽織る、温かい飲み物を飲むなど、体を温めるのがよいでしょう。ただし、のぼせている場合には無理に温める必要はありません。
アルコールやカフェインは睡眠の質を下げてしまうため、控えましょう。またスマートフォンは寝る前に見るとついSNSなどをチェックし、睡眠時間が短くなってしまうことがあるため、なるべく見ないことをお勧めします。入浴は38~40℃程度のぬるま湯にゆっくりつかることが、リラックスを促し、自律神経の働きを整えるのに役立ちます。
検脈は以下のように行います。

  • ・手首で測る:親指側の手首の内側(橈骨動脈)に、人差し指と中指を軽く当てます
  • ・強く押しすぎない:軽く触れる程度で、脈を感じ取ります
  • ・30秒数えて2倍、または1分間数える:1分間当たりの脈拍数を確認します
  • ・リズムを見る:規則正しいか、飛ぶ感じか、乱れているかをみます

医療機関を受診する目安としては、

  • ・脈がバラバラで、乱れている
  • ・安静時の脈拍が1分間で100回以上または60回未満
  • ・脈拍が60~100回の間でも動悸、めまい、ふらつきなどの症状がある

などがあります。

不整脈の症状があって仕事や人間関係のストレスがあるときはどう対処法すべき?

まずは可能な範囲で、ストレスのかかっている場所から一時的に離れます。またアルコール、カフェイン(コーヒー、エナジードリンクなど)、タバコも不整脈を悪化させることがあります。ストレスが原因と思っても、そのような刺激物を避けるようにしましょう。
次に、どのような状況で起こりやすいのか記録します(会議の時か、睡眠不足の時かなど)。さらに医療機関を受診し、ホルター心電図などの検査を行い、実際に不整脈があるのか、どのような時に増えるのかを評価してもらいます。
大切なことは、不整脈の症状やストレスを自分で抱え込まないことです。産業医や衛生管理者に健康状態を伝えましょう。就労に関して相談や調整をしてもらい、職場での負担を減らすようにしましょう。

「不整脈が起こる」症状とストレスについてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「ストレスで不整脈」とストレスについてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

なぜストレスがあると不整脈が起こるのでしょうか

大沼 善正医師大沼 善正(医師)

ストレスにより自律神経とホルモンのバランスが崩れることで、不整脈が起こりやすくなります。
その仕組みは大きく二つに分けられます。
1.自律神経の乱れ:心臓のリズムは自律神経(交感神経、副交感神経)で調整されています。交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキのような役割を果たしています。ストレスがかかると交感神経が優位になり、脈拍が上がり、不整脈が起こりやすくなります。
2.ストレスホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾール)の増加:これらのホルモンは本来体に危険が迫った時に分泌されるものです。作用としては、心拍数増加、血圧上昇があります。そのためホルモンが過剰に分泌されることでも、不整脈が出やすくなると考えられます。

過労で最近動悸がします。何科を受診すべきでしょうか?

大沼 善正医師大沼 善正(医師)

動悸がする場合には、まず循環器内科を受診しましょう。
原因は貧血、甲状腺の異常など内科的疾患から、不整脈に至るまで、数多く存在します。まずは原因を特定することが、適切な治療への第一歩となります。
もし、症状が強いのに検査で明らかな異常がない場合には、不安障害やパニック障害などが原因のことがあるため、心療内科や精神科の受診を検討します。

ストレスが原因の不整脈の場合、放置しても大丈夫でしょうか

大沼 善正医師大沼 善正(医師)

ストレスが原因の不整脈としてよく見られるのは、期外収縮です。症状としては、脈が飛ぶ、抜ける感じがあります。もともと心臓の病気がなく、症状が軽い場合には経過観察することもあります。
ただし、期外収縮の数が多い(総心拍数の10~20%以上)状態が続くと、心機能を低下させることがあります。また、心房細動やまれに心室頻拍などの不整脈が隠れていることがあります。心房細動は脳梗塞のリスクがあり、心室頻拍は失神などの症状を起こすことがあるため、自己判断での経過観察は禁物です。症状を繰り返す場合や持続する場合には、放置せずに医療機関を受診する必要があります。

ストレスによる不整脈で受診した方が良い症状はありますか

大沼 善正医師大沼 善正(医師)

危険な症状としては、
1.目の前が暗くなる、意識がなくなる
2.胸を締め付けられるような強い痛みがある
3.息ができないほどの呼吸困難が続いている
があります。このような症状がある場合には、様子見をせずに、夜間や休日でも救急車(119番)を要請する必要があります。

不安で寝不足が続くと期外収縮が起こりやすくなりますか?

大沼 善正医師大沼 善正(医師)

不安や寝不足はどちらも自律神経のバランスを乱し、ストレスホルモンを増加させます。その結果、心臓が「刺激に過敏」になり、期外収縮は起こりやすくなります。
経過観察が可能なことが多い不整脈の一つですが、数が多い場合や心機能が低下している場合には治療が必要となるため、放置せずに循環器内科を受診しましょう。

まとめ ストレスで不整脈が起こるときは自己判断せずに医療機関を受診

ストレスにより様々な不整脈が引き起こされますが、期外収縮であれば多くの場合、治療を必要としません。ただし期外収縮であっても数が多い場合(総心拍数の10~20%以上)や、心機能が低下している場合には、薬物治療やカテーテルアブレーションなどが検討されます。また症状が軽くても心房細動や心室頻拍など治療が必要な不整脈が隠れている場合があります。
ストレスのせいと考えて様子を見ずに、まずは医療機関を受診しましょう。

「不整脈」とストレス過多の症状で考えられる病気

「不整脈」とストレスから医師が考えられる病気は8個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連疾患

ストレスと不整脈に関連する病気は心疾患以外にも多くあります。動悸や脈が乱れるなら、まずは循環器内科を受診するようにしましょう。

「ストレスによる不整脈」に似ている症状・関連する症状

「ストレスによる不整脈」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

ストレスによる不整脈は動悸以外に胸の痛み、呼吸苦などの症状が出現することがあります。疑わしい症状がある場合には、早めに医療機関を受診して検査を受けることをお勧めします。