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「夜になると頭が痛い」原因はご存知ですか?医師が対処法も徹底解説!

「夜になると頭が痛い」原因はご存知ですか?医師が対処法も徹底解説!

夜になると頭が痛いとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

中川 龍太郎

監修医師
中川 龍太郎(医療法人資生会 医員)

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奈良県立医科大学卒業。臨床研修を経て、医療法人やわらぎ会、医療法人資生会南川医院に勤務。生活習慣病や肥満治療、予防医学、ヘルスメンテナンスに注力すると同時に、訪問診療にも従事している。日本プライマリ・ケア連合学会、日本在宅医療連合学会、日本旅行医学会の各会員。オンライン診療研修受講。

「夜になると頭が痛い」症状で考えられる病気と対処法

「夜になると頭が痛い」症状を経験したことはありませんか。原因として考えられる病気はさまざまです。安静にしているだけで自然に治るものも多いですが、中には慎重な対応が必要なものもあります。どんな場合に病院受診の必要があるか、解説していきます。

夜になると頭が痛い症状で考えられる原因と治し方

夜になると頭が痛い症状の場合、群発頭痛の可能性が考えられます。群発頭痛について詳しくは後に記載しますが、とにかく非常に強い痛みを伴う頭痛です。人によってはお産の痛みより強いという方もおられるくらいです。深夜に起こることが多く、明らかな原因は特定されていませんが、飲酒で発作が誘発されやすいことは知られています。
治療法は禁酒とベラパミルという薬剤による予防、そして発作時にはスマトリプタンという薬の皮下注射や酸素吸入が有効とされています。ご自身での対応はなかなか難しいのが現状です。
症状が現れた場合は、脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックを受診することを勧めます。

夜になると後頭部が痛い症状で考えられる原因と治し方

夜になると後頭部が痛い場合、緊張型頭痛の可能性が考えられます。緊張型頭痛は、非常にポピュラーな頭痛で、頭痛の原因の7~8割を占めるとされています。また日本では成人の22%、2200万人が悩んでいる頭痛で、中高年に多い傾向にあります。
詳細は後述しますが、首や肩の筋肉のこり、ストレス、睡眠不足、不適切な姿勢などが発症に関係していると言われています。

緊張型頭痛を予防するためには、ストレスの管理、適切な休息、定期的なストレッチや適度な運動、姿勢の改善などが有効です。持続的な症状で生活に支障を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。専門科は脳神経内科や脳神経外科です。

横になると頭が痛くなる症状で考えられる原因と治し方

横になると頭が痛くなる症状の場合、脳腫瘍の可能性が考えられます。
脳腫瘍に特徴的な症状は、頭痛の他に、てんかん発作、物が二重に見える(複視)、嘔吐などがあります。
体勢が横になると脳内の圧力が少なからず変化することで、頭痛や吐き気につながる場合があります。鎮痛薬や吐き気止めが一時的に効くものの、効果は限定的です。脳腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、その判別は症状や身体診察のみでは困難です。放置していて自然に良くなるケースは少ないため、早急に精密検査を受ける必要があります。 受診すべき病院はCT検査やMRI検査が可能な大規模の病院、診療科は脳神経外科もしくは脳神経内科を受診するようにしましょう。緊急性はありませんが、頭痛と嘔吐などの症状の頻度が急速に増加している場合は、早めの日程で医療機関を受診しましょう。

睡眠中に頭が痛くなる症状で考えられる原因と対処法

睡眠中に頭が痛くなる症状のことを指します。このような場合、睡眠時頭痛の可能性が考えられます。睡眠時頭痛の詳細は後に記載しますが、夜間や早朝に起こり痛みで目覚めることがある頭痛、というのが特徴的です。詳しいメカニズムは特定されていませんが、睡眠トラブルが関係しているとされています。
ご自身でできる対処法は、まずは睡眠の質を見直すことです。寝る前に飲酒していたら中止する必要がありますし、しっかり入浴したりストレッチをすることで体をリラックスさせるなど、ご自身でできる範囲で取り組んでみましょう。

それでもなかなか改善しない場合は、一度医療機関を受診してください。専門科は脳神経内科や脳神経外科です。緊急性はありませんので日中に受診してください。

すぐに病院へ行くべき「夜になると頭が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

バットで殴られたような激しい頭痛症状の場合は、脳神経外科・救急科へ

夜に、突然バットで殴られたような、経験したことのない頭痛に襲われた場合を指します。このような場合、くも膜下出血の可能性が考えられます。
くも膜下出血とは、脳出血の一種で、脳の表面の血管が破れて出血してしまい、くも膜下腔というスペースに出血が拡がった病気です。発症の原因のほとんどは脳の動脈にできたこぶ(脳動脈瘤)の破裂です。脳動脈瘤が存在するだけでは何も症状はありませんが一度破裂すると、経験したことのない頭痛や嘔吐、脳が圧迫されることによる意識障害、麻痺などの神経障害を引き起こします。破裂の原因は高血圧や喫煙、アルコール過剰摂取、家族性などが報告されています。

くも膜下出血は、発症した人の1/3は死亡し、1/3は何らかの後遺症が残り、残る1/3だけが社会復帰できるという、非常に重篤な病気です。経験したことのない激しい頭痛を突然感じた際は、すぐに救急要請することを勧めます。またご自身や身の回りの方がそのような状況になった際は、救急要請をした後、できるだけ安静にするようにしてください、具体的にはタオルなどで目を覆う、大きな音が入らないようにするなど、余計な光刺激や音による刺激がないようにしましょう。
受診すべき診療科は脳神経外科です。原因となっている血管の位置によって、開頭手術やカテーテル手術などが適応になります。

受診・予防の目安となる「夜になると頭が痛い」ときのセルフチェック法

  • 夜になると頭が痛い以外に吐き気症状がある場合
  • 夜になると頭が痛い以外にめまい症状がある場合
  • いくら飲んでも喉が渇く以外に麻痺症状がある場合

「夜になると頭が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「夜になると頭が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

緊張型頭痛

緊張型頭痛とは、日常的なストレスや体の緊張、姿勢の悪さなどが原因とされる、頻度の多い頭痛です。この頭痛は「帯状に締めつけるような」または「重たい帽子をかぶっているような」感覚で、頭全体や後頭部、こめかみあたりに痛みが現れます。 緊張型頭痛の症状は、激しい痛みではなく、鈍い痛みや圧迫感が続くのが特徴的です。数時間から数日続くこともあります。
原因には、筋肉の緊張、特に首や肩の筋肉が関与していると考えられています。また、継続的なストレス、睡眠不足、長時間のデスクワーク、不適切な姿勢なども、緊張型頭痛の発症に関係している可能性があります。
緊張型頭痛を予防するためには、ストレスの管理、適切な休息、定期的なストレッチや適度な運動、姿勢の改善などが有効です。 緊張型頭痛は命にはかかわりませんが生活の質を低下させる病気ですので、持続的な症状で生活に支障を感じる場合は、医療機関を受診しましょう。専門科は脳神経内科や脳神経外科です。頭痛外来を専門にしている医療機関もありますので、これらの施設で相談してみてください。

片頭痛

片頭痛は、頭の特定の部位を中心に起こる強い頭痛のことを指します。その名の通り、しばしば頭の片側に限定された痛みとして現れることが多いです。痛みは「脈打つような」または「響くような」感覚を伴うことが一般的です。
頭痛以外の特徴的な症状は、明るい光や大きい音に敏感になること(光過敏、音過敏)、ギラギラ・ギザギザした光の波のようなものが見えること(閃輝暗点)、吐き気や嘔吐を伴うこと、などです。
原因には、遺伝的な要因、脳内の神経伝達物質の変動、ホルモンバランスの変化などが考えられています。また、ストレス、食物、アルコール、カフェイン、天気の変化、睡眠不足や睡眠過多などが、片頭痛のトリガー(きっかけ)となることも知られています。
予防や症状の緩和のためには、生活習慣の見直しやトリガーとなる要因の特定と避けることが重要です。定期的なバランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの管理などが予防策として有効です。
片頭痛は、日常生活に大きな支障をきたすことがあるので、症状が重い場合や頻繁に発作が起こる場合は、専門医に相談して適切な治療を受けましょう。診療科は脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックがお勧めです。緊急性はありませんので日中に受診しましょう。

群発頭痛

群発頭痛は、非常に強い痛みを伴う特定のタイプの頭痛で、突然発症し、短期間に何度も繰り返されることが特徴です。名前の「群発」とは、連続して発生することを意味しています。群発頭痛の痛みは圧倒的に強く、過去にはあまりの痛みに自分の目を散弾銃で射抜いた人もいるそうです。この圧倒的な頭痛以外の特徴は、

  • 基本的に左右どちらか(交代することもある)
  • 飲酒で発作が誘発される
  • 深夜に起こりやすい
  • 目の奥や歯の痛みを訴えやすい
  • 頭痛が起こり始めると(群発期が来ると)1〜2ヶ月連日で起こる
  • 発作は1日1回、1時間程度で自然に治る

といったものです。
群発頭痛の原因は完全には解明されていませんが、脳の特定の部分、特に視床下部が関与していると考えられています。
治療法は禁酒とベラパミルという薬剤による予防、そして発作時にはスマトリプタンという薬の皮下注射や酸素吸入が有効とされています。ご自身での対応はなかなか難しいのが現状です。症状が現れた場合は、脳神経内科や脳神経外科、また頭痛外来を標榜しているクリニックを受診することを勧めます。

薬物乱用頭痛

薬物乱用頭痛(Medication Overuse Headache: MOH)は、頭痛の治療のための薬物を頻繁に、または長期間にわたって摂取することで発生する頭痛です。薬物乱用頭痛の主な特徴は、ほぼ毎日発生する、日中の早い時間帯に起こる、他の頭痛のタイプ(例: 片頭痛)と似ている、というものがあります。そのため他のタイプの頭痛と勘違いして、さらに頭痛薬が追加される、という悪循環に陥りがちです。
原因になる薬は、痛み止めとしてよく使われる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や、三環系抗うつ薬、オピオイド、カフェインなどです。また片頭痛に対する優秀な治療薬であるトリプタンやエルゴタミンといった薬も、乱用されるとMOHを引き起こす可能性があります。
薬物乱用頭痛を予防する最良の方法は、痛み止めの過度な使用を避けることです。患者は医師との相談のもと、薬の量を減らしたり、薬の種類を変更することが求められます。この調整は難しいことが多いので、医師の指示に従うことがたいせつです。
薬物乱用頭痛の疑いがある場合は、頭痛の専門外来や、脳神経内科で相談しましょう。

睡眠時頭痛

睡眠時頭痛は、その名前の通り、寝ている間や目覚める際に発症する特定のタイプの頭痛を指します。原因はさまざまで、特定されないこともあります。主な特徴は夜間や早朝に起こる、痛みで目覚めることがある、持続時間は短時間〜1日と幅広い、といったものです。
原因は睡眠トラブル(睡眠時無呼吸症候群や過度のいびきなど)、内服薬、アルコール、高血圧、過度なカフェイン摂取、ストレスなどであるといわれています。
症状が持続する場合は一度医療機関の受診を検討してください。脳神経内科や頭痛外来専門医、また睡眠時無呼吸症候群を専門としている医療機関をお勧めします。緊急性はありませんので日中に受診してください。

「夜になると頭が痛い」の正しい対処法は?

夜になると頭が痛い場合、頭痛の程度がそこまで強くないのであれば、まずは一般的な痛み止めの内服で対応しましょう。予防としては、睡眠の質を改善できるように、睡眠前のお酒をやめたり、お風呂でしっかり温まったり寝る前にストレッチをするなど、リラックスできるような習慣を取り入れていきましょう。また過度なストレスが頭痛につながることもありますので、ストレスを解消できるように趣味やリラックスできる時間を作ることも重要です。
一方で、我慢できない、のたうち回るような頭痛の場合は、ご自身ではどうしようもないことが多いので、様子見せずに医療機関を受診してください。

「夜になると頭が痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「夜になると頭が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

夜になると頭が痛くなるのはストレスが原因ですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

ストレスが関係していることもあります。

夜になると頭が痛くなるのは放置しても問題ないですか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

毎日自覚したり、最初は少なくてもその頻度が増えている場合は、放置しないようにしてください。

夜になると頭が痛くなるのは病気なのでしょうか?

中川 龍太郎医師中川 龍太郎(医師)

これまで紹介した病気の可能性は否定できません。長く自覚されている場合は一度医療機関を受診してください。

まとめ 夜になると頭が痛いは群発頭痛の可能性あり

頭痛の種類はさまざまですが、夜になると起こりやすいものが何種類かあります。特に夜に多いとされるのは群発頭痛です。夜に起こることよりも、その圧倒的な痛みの強さが特徴ですが、早めに対応した方が良い病気ですので、当てはまるかもと思われた方は病院で相談してみてください。

「夜になると頭が痛い」症状で考えられる病気

「夜になると頭が痛い」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

脳神経系の病気

夜になると頭が痛い症状は基本的に脳神経系の病気がほとんどですが、その重症度はさまざまです。症状が繰り返す場合、改善しない場合は、医療機関を受診してください。

「夜になると頭が痛い」に似ている症状・関連する症状

「夜になると頭が痛い」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 吐いてしまう
  • 経験したことがないほど痛い

「夜になると頭が痛い」以外にこれらの症状がある場合も、群発頭痛や睡眠時頭痛の可能性があります。複数該当する場合は早めに受診しましょう。

この記事の監修医師

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