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「緑色の下痢」が出たら何のサイン?医師が原因や可能性がある病気も解説!

緑色の下痢が出るのはなぜ?メディカルドック監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

齋藤 雄佑

監修医師
齋藤 雄佑(医師)

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日本大学医学部を卒業。消化器外科を専門とし、現在は消化器外科、消化器内科、産業医を中心に診療を行っている。現在は岩切病院、永仁会病院に勤務。
日本外科学会外科専門医。日本医師会認定産業医。労働衛生コンサルタント。

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「緑色の下痢」症状で考えられる病気と対処法

便の色は健康のバロメーターとも言われますが、突然緑色の下痢が出ると驚いてしまう方も多いことでしょう。便が緑色になる主な理由は、胆汁に含まれる「ビリルビン」という色素の影響です。通常、胆汁は腸内で時間が経過すると茶色に変化しますが、下痢などで腸の動きが過剰になり通過スピードが速くなると、緑色のまま排出されることがあります。ここでは、緑色の下痢が見られる際に考えられる原因や、適切な対処法について解説します。

緑色の下痢をする症状で考えられる原因と対処法

緑色の下痢が出る場合、腸の蠕動運動が非常に活発になっている状態が考えられます。消化不良や暴飲暴食、あるいは腹部の冷えなどが原因で、腸内を便が急激に通過してしまっている可能性があります。また、葉緑素を多く含む緑黄色野菜や、着色料を使った食品を大量に摂取した場合も、便が緑色になることがあるため注意が必要です。また抗生物質などの治療後に現れた場合には、抗生物質による腸内細菌の変化が関係していることがあります。まずは脱水を防ぐために、常温の水や経口補水液でこまめな水分補給を行ってください。食事は消化の良いものを選び、刺激物は避けましょう。もし数回の下痢で症状が治まり、発熱や激しい腹痛がなければ、一時的な消化不良の可能性が高いため、様子を見ても良いでしょう。しかし、症状が長引く場合や倦怠感が強い場合は、消化器内科や内科を受診してください。

黄緑色の下痢をする症状で考えられる原因と対処法

黄色から黄緑色の下痢が見られる場合も、胆汁色素が酸化されずに排出されていることが主な要因です。乳幼児によく見られますが、大人の場合、ウイルス性胃腸炎や過敏性腸症候群などで腸の働きが過敏になっている際に見られることがあります。酸っぱい臭いを伴うことも特徴の一つです。対処法としては、緑色の下痢と同様に、脱水予防と腸の安静が第一です。お腹を温めてゆっくり休むようにしてください。ロタウイルスなどのウイルス感染が原因である場合もありますので、手洗いを徹底し、家族への感染を防ぐ配慮も必要です。水分が摂れないほどぐったりしている場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

緑っぽい黒色の下痢をする症状で考えられる原因と対処法

緑色が濃く、黒っぽく見える下痢の場合、いくつかの可能性が考えられます。一つは、鉄剤(サプリメントや貧血治療薬)の服用や、海苔・イカスミなどの黒い食品の影響です。ただし、真っ黒でタール状(海苔の佃煮のような状態)の便は、胃や十二指腸からの出血(メレナ)を疑う必要があるため注意が必要です。直近の食事や薬の服用歴を確認し、心当たりがある場合は一旦その摂取を控えて様子を見てください。もし、強い鉄の臭いがしたり、ふらつきや腹痛を伴いたりする場合は、消化管出血の疑いがあるため、緊急性が高まります。早急に消化器内科を受診するか、夜間・休日であれば救急外来への相談を検討してください。

病気による「緑色の下痢」症状で考えられる原因と対処法

一過性の食べ過ぎや冷えではなく、何らかの病原体が原因で緑色の下痢が生じることがあります。ここでは、食中毒や感染性腸炎によるケースについて解説します。

食中毒による緑色の下痢をする症状で考えられる原因と対処法

食中毒の原因菌であるサルモネラ菌などに感染すると、激しい下痢とともに緑色の便が出ることがあります。これは菌の毒素や炎症により腸液の分泌が増え、胆汁が急速に排出されるためです。特徴として、食事から数時間〜数日後に激しい腹痛、嘔吐、発熱などを伴うことが多いです。食中毒が疑われる場合、体内の毒素を排出しようとする防御反応として下痢が起きているため、自己判断で強力な下痢止めを使うことは推奨されません。菌を体内に留めてしまい、症状が悪化する恐れがあるからです。水分補給を行いながら、速やかに消化器内科を受診してください。血便や高熱がある場合は緊急性が高いため、迷わず病院へ行きましょう。

細菌性腸炎・ウイルス性腸炎で下痢が緑色の症状で考えられる原因と対処法

ノロウイルスやロタウイルスなどのウイルス性、あるいはカンピロバクターや病原性大腸菌などの細菌性腸炎にかかると、腸管の吸収能力が低下し、未消化の胆汁がそのまま排泄されて緑色の水様便となることがあります。吐き気や腹痛、発熱を伴うのが一般的です。対処法としては、絶食時間を設けて腸を休ませ、水分と電解質を少しずつ補給することが基本治療となります。抗生物質が必要なケースとそうでないケースがあるため、自己判断せずに医師の診察を受けることが重要です。特に高齢者や乳幼児は脱水症状になりやすいため、早めの受診を心がけてください。

すぐに病院へ行くべき「緑色の下痢」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

緑色の下痢で発熱や激しい腹痛がある症状の場合は、消化器内科へ

緑色の下痢に加えて、38度以上の高熱がある、我慢できないほどの激しい腹痛がある、便に血が混じっている(赤黒い、または鮮血)、嘔吐して水分が全く摂れないといった症状が見られる場合は注意が必要です。これらは重篤な感染症や、腸管の炎症が強く起きているサインである可能性があります。すぐに消化器内科、または救急対応が可能な総合病院を受診してください。夜間であっても、意識が朦朧としている場合などは救急要請を検討すべき状態です。

病院受診・予防の目安となる「緑色の下痢」ときのセルフチェック法

  • 1日に10回以上の激しい下痢がある場合
  • 水分を摂ってもすぐに吐いてしまう場合
  • 口の中が乾燥し、尿が出ないなどの脱水サインがある場合
  • 下痢が3日以上続き、改善の兆しがない場合
  • 便に血が混ざっている場合

「緑色の下痢」症状が特徴的な病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「緑色の下痢」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

ウイルス性胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、ノロウイルスやロタウイルスなどが原因で発症します。腸の粘膜がダメージを受け、消化吸収機能が低下することで、黄色から緑色の水様便が出ることがあります。特に冬場に流行しやすく、嘔吐や発熱を伴うのが特徴です。特効薬はないため、対症療法が中心となります。脱水を防ぐための水分補給と整腸剤の服用を行い、自然治癒を待ちます。症状が重い場合は、点滴治療などが必要になるため、内科や消化器内科を受診してください。

細菌性腸炎

サルモネラ菌、カンピロバクター、病原性大腸菌などの細菌感染によって引き起こされる腸炎です。汚染された食品(鶏肉や卵など)を摂取することで感染し、激しい腹痛、粘液や血液の混じった緑色の便、発熱が見られることが特徴です。水分補給と安静が基本ですが、菌の種類や症状の程度によっては抗生物質の投与が必要となる場合があります。食中毒の可能性が高いため、早めに消化器内科を受診し、適切な診断を受けることが重要です。

食中毒

細菌やウイルス、寄生虫などが付着した食品を食べることによって起こる健康被害の総称です。緑色の下痢は、特にサルモネラ属菌による食中毒で特徴的に見られることがあります。原因となる食事をしてから数時間から数日の潜伏期間を経て発症します。治療は原因物質の排除と脱水補正が主となります。毒素を出し切る必要があるため、強い下痢止めの使用は慎重に行わなければなりません。症状が急速に進行することもあるため、早急に医療機関へ相談してください。

「緑色の下痢」の正しい対処法は?

ここでは緑色の下痢に対する正しい対処法を解説します。

食中毒などの病気が原因で緑色の下痢症状が起きている場合

食中毒や感染症が疑われる場合は、体内の病原菌や毒素を排出しようとする反応として下痢が起きています。そのため、市販の強力な下痢止め(腸の動きを止める薬)を安易に使用するのは避けてください。まずは経口補水液などで水分と塩分を補い、消化器内科を受診して、医師の指示のもとで整腸剤や適切な薬を処方してもらうことが、結果的に早い回復につながります。

病気以外が原因で緑色の下痢症状が起きている場合

病気以外の暴飲暴食や冷え、食品の色素が原因と考えられる場合は、腸を休めることが最優先です。食事を1食抜く、あるいはお粥やうどんなどの消化に良いものを少量摂取するようにし、お腹を温めて安静に過ごしましょう。カフェインやアルコール、脂っこい食事は控えてください。数日様子を見ても便の色や性状が戻らない場合は、念のため受診することをおすすめします。もし、抗生物質などの治療後に緑色の便が出た場合には、その治療の中止などを検討するため、医療機関にご相談下さい。

緑色の軟便が出るときに下痢止めや整腸剤を服用しても良い?

乳酸菌やビフィズス菌などが含まれる「整腸剤」であれば、腸内環境を整える作用があるため、服用しても問題ないケースが大半です。しかし、「下痢止め(止瀉薬)」に関しては注意が必要です。前述の通り、感染性の下痢に対して下痢止めを使うと症状を悪化させるリスクがあるため、自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談してから使用するようにしてください。

「緑色の下痢」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「緑色の下痢」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

緑色の下痢をするのは食中毒が原因でしょうか

齋藤 雄佑医師齋藤 雄佑(医師)

食中毒の可能性はありますが、それだけが原因ではありません。暴飲暴食による消化不良、風邪による胃腸炎、あるいは着色料の多い食品の摂取などでも緑色の下痢になることがあります。発熱や嘔吐などの他の症状があるかどうかが、判断の一つの目安になります。

感染性腸炎を発症した場合、便は緑色になりますか

齋藤 雄佑医師齋藤 雄佑(医師)

はい、なることがあります。感染性腸炎になると腸の動きが非常に活発になり、胆汁が酸化されて茶色になる前に排出されてしまうため、便が緑色に見えることがよくあります。特に乳幼児のロタウイルス感染症などでは、白っぽい便だけでなく、緑色がかった便が出ることもあります。

緑色の下痢をしたときの対処法を教えて下さい

齋藤 雄佑医師齋藤 雄佑(医師)

まずは水分補給を心がけましょう。脱水を防ぐことが最も重要です。その上で、刺激の少ない消化の良い食事を摂り、体を温めて安静にしましょう。下痢以外の症状(高熱、激痛、血便など)がある場合は、速やかに病院を受診してください。

暴飲暴食をすると緑がかった便が出るのでしょうか?

齋藤 雄佑医師齋藤 雄佑(医師)

はい、出ることがあります。大量に食べたり、脂っこいものを摂取したりすると、消化が追いつかず腸の通過スピードが速くなるため、胆汁色素が緑色のまま排出されることがあります。この場合は、食事量を調整し胃腸を休めることで、通常の色に戻ることがほとんどです。

まとめ 緑色の下痢のときは早めの対処と観察を

緑色の下痢は、便が腸内を通過するスピードが速すぎることや胃腸の感染症、腸内環境の変化などが原因で起こることがあります。その病態は消化がうまく行かず、胆汁色素の色がそのまま現れている状態です。多くは一過性の消化不良や胃腸炎ですが、食中毒や細菌感染が隠れていることもあります。重要なのは「脱水を防ぐこと」と「自己判断で下痢を無理に止めないこと」です。水分をしっかり摂り、安静にして様子を見てください。もし、高熱や激しい腹痛、血便などを伴う場合や、症状が長引く場合は、重大な病気が隠れている可能性があるため、早めに消化器内科を受診しましょう。便の色は体からのサインですので、日頃からチェックする習慣をつけることも大切です。

「緑色の下痢」症状で考えられる病気

「緑色の下痢」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

緑色の便は腸の感染症や腸内環境の変化などが関与している可能性があります。症状が強い場合には、早めに消化器内科を受診しましょう。

「緑色の下痢」に似ている症状・関連する症状

「緑色の下痢」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

下痢とセットで起こりやすい消化器症状には注意が必要です。症状が続く時は医療機関を受診しましょう。