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「食あたりを疑う5つの症状」はご存知ですか?予防法や対処法も医師が徹底解説!

「食あたりを疑う5つの症状」はご存知ですか?予防法や対処法も医師が徹底解説!

食あたり(食中毒)の症状とは?Medical DOC監修医が食あたりの種類・症状・予防法や対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

岡本 彩那

監修医師
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)

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兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野

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食あたり(食中毒)とは?

食あたりとは口から食べた食べ物についている菌やウイルス、化学物質などの有害物質により、様々な症状を起こすものです。食あたりと食中毒はほぼ同じ意味で使われます。
個々では食あたり(食中毒)について原因や症状、対処法などを解説していきます。

食あたり(食中毒)の種類

食あたりの原因としては食品などについている有害物質を食べることによるものですが、その原因の多くは細菌性もしくはウイルス性です。ここではこれらについて詳しく解説していきます。

細菌による食中毒

細菌による食あたりは細菌がついた食物などを食べることにより起こります。細菌そのものによって起こる食あたりと、細菌が作り出す毒素によって起こる食あたりがあり、腹痛、発熱、下痢嘔吐、発熱などが現れます。
時折ニュースにもなる腸管出血性大腸菌(O-157)や十分に加熱していない鶏肉などの摂取によるカンピロバクター、手洗い不十分な状態で調理した時などに起こるブドウ球菌などがこれに当たります。

ウイルスによる食中毒

ウイルスによる食あたりは細菌と同じく、ウイルスの付着した食べ物などを口からとることで起こります。ウイルスは生きている細胞がないと増殖しないため、食べ物を食べてから身体の中で増殖し症状を引き起こします。
有名なものではノロウイルスやロタウイルスがあります。
ノロウイルスではかなり強い嘔吐、下痢が特徴的であり、小さい子供や高齢者では脱水になり重症化することもあるので注意が必要です。
ウイルス性腸炎になった場合、下痢や吐いたものが他の人の手などにつき、それが口の中に入ることで感染することがあります。また、アルコール消毒などが効かないウイルスもあるため、手洗いが大切になります。感染した本人だけでなく、家族も十分に手洗いを行い、注意しましょう。

その他の原因による食中毒

その他の原因としてキノコやフグ毒などによるもの、アニサキスなどの寄生虫によるものでも食あたり、食中毒などが考えられます。例えば、キノコの種類によっては毒性を有していることもありますし、フグを調理するには十分な知識が必要です。アニサキスなどの寄生虫によるものは食後数時間で起こります。

食あたり(食中毒)になると現れる症状

食あたりでは主に腹痛や下痢嘔吐などのお腹の症状が現れることがあります。しかしながら他の症状も現れることがあります。ここでは食当たりになった際に現れる可能性のある症状を解説していきます。

腹痛

食あたりになった場合はお腹の痛みが出ることがあります。食当たり自体でお腹が痛い場合もあれば、下痢などの症状がある場合には下痢がでる時に腸が動いて痛みが出ることもあります。
歩くとお腹に響くような痛みが出る、動けないなど症状がかなり強いなどがあれば病院を受診するようにしましょう。

下痢

食あたりになった場合、下痢が見られることがあります。症状の程度にもよりますが、下痢の場合は体内の水分が下痢とともに外に出てしまうことで脱水になってしまうことがあります。できるだけ水分を取って脱水にならないようにしましょう。また、普通に食事をとる、特に脂物や刺激物を取ると症状が悪化することもあります。消化に良く腸にやさしいお粥やうどんなどを食べるようにしましょう。
症状がかなりひどい場合はおかゆなどでも食べると症状がかなりひどくなってしまう場合もあります。数日なら無理に食事をとらなくても大丈夫ですので、その場合は水分を十分にとるようにして、無理はしないようにしましょう。
下痢が止まらず、身体がだるい、動けない、などの症状があるなら病院受診をしましょう。

嘔気・嘔吐

食あたりの症状として、吐き気、嘔吐が見られることがあります。
あまりひどい場合は吐き気止めを使うこともありますが、基本的には水分を取りながら症状が落ち着くのを待つしかありません。嘔吐がひどいと身体から水分が失われてしまい、脱水に陥ってしまうこともあります。できるだけ水分を取るようにしましょう。ただ、水分を一気に摂ってしまうと、吐き気や嘔吐がひどくなることがあります。その場合はスプーン一匙ずつで構いませんので、ゆっくり取るようにしましょう。少しずつでも1日時間をかければある程度摂取することができます。
症状が強くて水すら飲めないなどの状態になってしまった場合は点滴、入院が必要となることもあります。病院を受診しましょう。

発熱

食あたりになった場合、熱が出ることがあります。多くは38℃台ですが、原因によっては39~40℃の発熱を認めることもあります。多くは数日で改善しますが、症状が続くなら一度病院を受診しましょう。
発熱があると通常より身体の水分が奪われますが、下痢、嘔吐と重なると脱水にもなりやすくなります。十分な水分を取るようにしましょう。

その他

食あたりの原因によっては頭痛、倦怠感、呼吸困難感など様々な症状を起こすことがあります。一部の細菌による食あたりでは血便を認めることもあります。
これらの症状が現れた場合は一度病院受診をしましょう。
また、一般的な細菌やウイルス感染によるものでも、症状が激しく脱水になれば、ふらつきや倦怠感、頭痛などの症状を引き起こします。水分が取れないにも関わらず脱水を放置してしまうと、腎臓などの臓器への障害や最悪命に関わることもあります。その場合はすぐに病院を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「食あたりの症状」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

激しい下痢、嘔吐がある場合は、内科・消化器内科へ

基本的に食あたりの場合は食事に気を付け、水分をしっかりとり、必要なら整腸剤を飲んでいれば自然と治ることも多いでしょう。ただし、激しい嘔吐や下痢を認める場合は脱水にもなりやすく、病院での治療が必要なケースもあります。また、ノロウイルスや細菌など特殊なものに感染している場合も病院で治療が必要となることがあります。特に小児、高齢者などでは重症化することもあるので、早めに病院受診をしましょう。

水が飲めない場合は、内科・消化器内科へ

症状が強く水も飲めないという場合は脱水になってしまうことがあります。口から水分が取れなければ、点滴など他の手段で水分補給をする必要があります。場合によっては数日間の入院が必要となることもあるため、病院を受診しましょう。

激しい腹痛、歩くと響くような腹痛がある場合は、内科・消化器内科へ

歩いた時の振動でお腹に響くような痛みがある場合は、炎症が強く、腸や胃などを覆っている腹膜にまで炎症が及んで腹膜炎となっている可能性があります。入院での抗生剤加療が必要となることもあるため、消化器内科を受診しましょう。
また、生魚を食べた後のみぞおちの激しい痛みがある場合は、寄生虫による食あたりの可能性もあります。この場合は内視鏡治療などが必要となるため、病院受診をしましょう。

呼吸困難や意識障害が見られた場合は、内科・消化器内科・救急へ

脱水がひどくなる、感染が重症化するなどの場合でも息が苦しくなったり、意識がもうろうとするなどの症状が出る可能性があります。緊急の対応が必要となることもあるので、すぐに病院を受診しましょう。

食あたり(食中毒)の予防法

よく洗うこと

食あたりの原因は食物についている細菌やウイルスなどを一緒に食べてしまうことです。そのため食材や調理器具をよく洗って清潔にしておくことは有効です。また、調理の際にきちんと手洗いをすることも必要です。
加熱をしても熱に強い細菌による食あたりもあるため、まずはしっかりと洗いましょう。

食品の加熱

毎年、鶏肉などの不十分/生食による食中毒がニュースとなっています。特に有名なのは鶏肉の生焼けなどによるカンピロバクター腸炎などかと思います。これらは十分に食品を加熱することにより防ぐことができますし、多くの細菌やウイルスは加熱することにより死滅します。なるべく生焼けのものは食べないようにしましょう。

食材の管理

食あたりの予防としては食品の管理も重要です。食品を暑い中、湿気の多いところに放置しておくなど、管理が不十分であった場合、細菌が増殖し、食あたりの原因となってしまうことがあります。また、古い食材、食品を食べることにより、食あたりを起こしてしまうことがあります。食品、食材は適切な温度、場所で管理し、消費期限内の物を食べるようにしましょう。

その他

食あたり、食中毒の種類・原因として上に挙げたキノコなどについては毒を有するものもあるため、食べるには正しい知識が必要です。十分な知識がない場合は自己判断で採取したり調理しない、人にあげないことが重要です。

食あたり(食中毒)の正しい対処法は?

ここまでにお伝えした通り、食あたりになると様々な症状が出ますが、下痢、嘔吐などの症状が出ることが多いです。お腹の症状が出ているときにはなるべく消化に良いものを食べるようにしましょう。刺激物やアルコールなどは症状が良くなるまで控えるようにしてください。食べて症状がひどくなるのであれば少量ずつで構わないので水分だけでも取るようにしましょう。できればOS-1のような経口補水液やスポーツドリンクを2倍に薄めたものを接種するようにしましょう。数日間だけなら水分だけでも摂取していれば特に問題ないことが多いですが、水分も取れない状態になれば点滴が必要になることがあるので病院受診をしましょう。
症状が出たけれど、病院に行く時間がない、病院に行くほどひどくないという場合、市販薬で対応しようとする人もいるでしょう。ただ、市販薬には飲んでよい薬と飲まないほうがよい薬があります。市販の整腸剤を飲み、腸の調子を整えるのは構いません。しかし、下痢止めなどはあまり飲まないほうが良いでしょう。下痢止めで無理に下痢を止めてしまうと、細菌やウイルスが腸の中にとどまってしまい、症状が長引いてしまうことがあります。
また、お腹の症状以外にもひどい熱やだるさなどが出る人もいます。感染、炎症が強い場合は入院での抗生剤治療や、絶食のため点滴での水分・栄養補給が必要となる場合があります。

「食あたりの症状」についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「食あたりの症状」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

食あたりは食べ物を食べてから何時間後に症状が現れますか?

岡本彩那医師岡本彩那(医師)

食あたりの原因によって異なります。細菌やウイルスの場合であれば、食べてから2,3日~数日程度で症状が出るものがある一方、ブドウ球菌が原因であれば食べ物を食べてから1~6時間程度(多くは2,3時間)で発症します。アニサキスなどの寄生虫によるものは食後数時間で起こります。前日の夕食でお刺身を食べて、夜中に発症、などが典型的です。

食あたりと食中毒の違いについて教えてください。

岡本彩那医師岡本彩那(医師)

食あたりと食中毒はほぼ同じ意味で使用されることが多いです。一般的には「食あたり」、医学的には「食中毒」を使用します。

食あたりになった場合、どのように対処すればいいのでしょうか?

岡本彩那医師岡本彩那(医師)

症状がそれほどひどくなければ、十分な水分を取って休みましょう。食事はなるべく消化に良いものにし、症状が落ち着いてくれば徐々に元に戻しましょう。
ただし、症状が激しい、意識がもうろうとする、水も飲めないなどであればすぐに病院を受診してください。

食あたりを放置するとどうなるのでしょうか?/h3>

岡本彩那医師岡本彩那(医師)

食あたりになったとしても多くの場合は長くても数日で改善します。ただし、原因によっては、小さな子供や高齢者の場合などでは重症化することもあります。症状が激しい場合や水も飲めない場合などは病院を受診するようにしてください。

まとめ

ここでは食あたり(食中毒)について解説しました。食あたりには様々な原因があり、原因によって症状や重症度も全く異なります。しかしながら、その多くは数日で改善します。食事がとれなくても水分を十分とってゆっくりと休みましょう。ただし、症状が激しかったり、水分が取れないなどがあれば、病院を受診しましょう。
また、食あたりは食べ物や調理法などに気を付ければ予防できるものが大半です。普段から食あたりにならないように十分に気を付けましょう。

「食あたりの症状」で考えられる病気

「食あたりの症状」から医師が考えられる病気は6個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

食あたりの症状は、これらの消化器系の疾患と似ているので、症状だけで判断するのが難しいと言えます。医療機関を受診する際には、どのようなエピソードがあったのか、どのような症状が続いているのか、周りに同じような症状の人がいないかなども医師へ伝えてください。

「食あたりの症状」に似ている症状・関連する症状

「食あたりの症状」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

これらの症状が続き改善しない場合、症状がどんどんひどくなる場合には、早めに医療機関を受診するようにしてください。

【参考文献】
厚生労働省HP