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「子宮がチクチク痛む」症状はどんな病気が考えられるかご存知ですか?医師が解説!

「子宮がチクチク痛む」症状はどんな病気が考えられるかご存知ですか?医師が解説!

子宮がチクチク痛むとき、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

丸山 潤

監修医師
丸山 潤(医師)

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群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

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「子宮がチクチク痛む」症状で考えられる病気と対処法

「子宮がチクチク痛む」という症状が出たときは、子宮に何かしらの病気があったり女性ホルモンのバランスが乱れていたりする可能性があります。ただ痛みが出ているだけのこともありますが、チクチクを通り越して動けないほど痛くなるときは、原因をしっかり探って適切な治療を受けることが大切です。今回は、子宮がチクチク痛むときの原因や対処法、何科を受診するべきかについて解説します。

生理前に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

生理前に子宮がチクチク痛む場合は、子宮内膜症の可能性があります。子宮内膜症とは、子宮と似た組織が子宮ではなく卵巣やダグラス窩、卵管などにできる病気です。痛みや不妊などの症状がよく見られます。症状を落ち着かせるためには、鎮痛剤や低用量ピルを服用したり手術によって病巣部を取り除く方法を取ったりする方法が一般的です。子宮内膜症が起こる原因は明らかになっていませんが、月経血の逆流が関係しているのではないかと考えられています。緊急性が高い病気ではありませんが、進行すると排便痛や性交痛が出たり、寝込んでしまうほど強い痛みが出たりすることがあるため、早めに産婦人科を受診しましょう。

生理中に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

生理中に子宮がチクチク痛む

生理中に子宮がチクチク痛む場合は、生理痛や子宮内膜症、子宮筋腫などが考えられます。生理痛は、経血を体外に押し出そうとするプロスタグランジンの働きによって子宮が収縮するために起こるものです。子宮内膜症は、子宮と似た組織が子宮以外のところにできることで起こります。子宮筋腫は、子宮にできる良性の腫瘍のことです。痛みが気になるときは鎮痛剤や子宮筋腫を小さくするための薬を服用します。子宮内膜症や子宮筋腫ができる原因については、はっきりとわかっていません。子宮筋腫は女性ホルモンが影響しているとの説があります。いずれも緊急性はありませんが、悪化すると強い痛みを伴うことがあるため、早めに産婦人科を受診しましょう。

生理後に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

生理後に子宮がチクチク痛む場合は、子宮筋腫の可能性があります。子宮筋腫とは、子宮にある平滑筋に由来する良性の腫瘍です。とくに症状が出ない方もいますが、チクチク痛みが出たり腰痛や頻尿などの症状が見られたりします。痛みがあるときは鎮痛剤が有効です。症状がない場合には治療の必要はありません。薬で子宮筋腫を小さくしたり手術で取り除いたりすることもできます。原因はよくわかっていませんが、女性ホルモンの働きによって子宮筋腫が大きくなることが知られています。子宮筋腫による不快な症状がなければ、急いで治療を行う必要はありません。しかし、過多月経や痛みが気になるときは、早めに産婦人科を受診して治療を受けるようにしましょう。

排卵後に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

排卵後に子宮がチクチク痛む場合は、排卵痛が起きている可能性があります。排卵痛は、卵子が卵巣から排出されるときに卵胞が破れ、そこから流れ出た血液や卵胞液が腹膜を刺激することで起こるものです。妊娠しておらず、黄体期(高温期)に入るころにチクチクとした痛みがある場合は、排卵痛が疑われます。痛みが気になるときは鎮痛薬を服用するとよいでしょう。排卵痛は誰でも起こるものですが、子宮内膜症がある方では痛みが強くなりやすい傾向にあります。緊急性はないものの、痛みが気になる方は念のため産婦人科を受診しておくと安心です。

子宮がチクチク痛く生理がこない症状で考えられる原因と対処法

子宮がチクチクして痛み、生理がこない場合は卵巣機能不全や多嚢胞性卵巣などが考えられます。卵巣機能不全とは、卵巣が正常に働かなくなり生理周期が乱れている状態のことです。卵巣の発育不全や形成不全、薬の副作用などが原因で起こります。痛みが強いときは、鎮痛剤を服用することで緩和が可能です。多嚢胞性卵巣は、卵胞の成長が途中で止まり、小さな卵胞がたくさんできてしまう病気のことを言います。詳しい原因についてはまだ分かっていませんが、遺伝的素因や環境因子などによって発症すると言われています。いずれも緊急性は高くありませんが、気になるときは早めに産婦人科を受診しましょう。

妊娠中に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

妊娠中に子宮がチクチク痛む場合は、胎児の成長に伴って子宮が大きくなっていたり円靭帯が引きつっていたりする可能性があります。子宮は、収縮を繰り返しながら徐々に大きくなります。このときに痛みを感じることがあるのです。また、お腹の左右どちらかが引っ張られるような痛みがある場合は、子宮を支えている円靭帯が引きつっている場合があります。このほか、受精卵の着床時期に子宮内膜が変化して痛みを感じる方もいるようです。妊娠中に子宮がチクチクとするような痛みは、妊娠初期だけでなく妊娠中期や妊娠後期、臨月にも起こることがあります。痛みがあるときは無理をせず、ゆっくり体を休ませてください。産後は自然に痛みが治まるため、大きな心配はいりません。どちらも緊急性はありませんが、気になるときは産婦人科を受診して様子を見てもらうようにしましょう。

更年期に子宮がチクチク痛む症状で考えられる原因と対処法

更年期に子宮がチクチク痛む場合は、女性ホルモンが急激に減少することによって自律神経のバランスが乱れて血行不良になっている可能性があります。更年期は女性ホルモンの分泌量が少なくなり、血行が悪くなってチクチクとした痛みが出やすくなるのです。痛みが気になるときは鎮痛剤を服用しても構いません。湯船につかって体を温め、ストレスを溜め込まないようにするのもよいでしょう。緊急性はありませんが、なかには子宮頸がんや子宮体がんなどが隠れているケースもありますので、念のため産婦人科を受診して検査をしてもらうのをおすすめします。

すぐに病院へ行くべき「子宮がチクチク痛む」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

動けないほど強い痛みがある場合は、産婦人科へ

軽くチクチクとした痛みが軽度であれば問題ないこともありますが、動けないほどの強い痛みがある場合は早めに産婦人科を受診してください。気づかないうちに子宮内膜症や子宮筋腫の症状が進んでいる可能性があります。子宮内膜症があると、寝込まなくてはならないほどつらい生理痛が起こる方もいるため、早めの対処が必要です。子宮筋腫は生理痛のほかに貧血や頻尿、便秘などの症状があらわれることがあります。適切な治療を受けることで症状を楽にできますので、子宮内膜症や子宮筋腫が疑われる場合は早めに産婦人科を受診してください。

受診・予防の目安となる「子宮がチクチク痛む」ときのセルフチェック法

  • 子宮がチクチク痛む以外に腹痛の状がある場合
  • 子宮がチクチク痛む以外に貧血の症状がある場合
  • 子宮がチクチク痛む以外に重い生理痛症状がある場合

「子宮がチクチク痛む」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「子宮がチクチク痛む」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

排卵痛

卵子は卵巣の中で単独で存在しているわけではありません。卵胞と呼ばれるものに囲まれた状態で存在しています。排卵するときは、この卵胞を突き破らなければなりません。この際、卵胞液や血液が流れ出します。これらが腹膜を刺激することで排卵痛が起こるのです。また、排卵が起こる時期は卵巣が炎症を起こしていることもあり、これが原因で子宮がチクチクするような痛みを感じることがあります。排卵痛は鎮痛剤や漢方薬などの服用によってやわらげることが可能です。どうしてもつらいときは、産婦人科へ相談してください。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍のことです。がんとは違って悪性のものではありません。原因はまだ解明されていませんが、女性ホルモンの働きが影響していると考えられています。とくに症状が出ないこともあり、健康診断でたまたま発見されて指摘を受けることも少なくありません。子宮筋腫があってもとくに症状がなく、大きさもそこまでなければ治療が不要なケースが大半です。こぶしよりも大きなサイズで生活に支障が出ている場合には、偽閉経療法や対症療法、手術などで対応していきます。生理痛がひどかったり貧血やお腹のしこりなどが見られたりする場合は産婦人科を受診しましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は子宮内膜と似た組織が子宮以外の場所にできる病気です。卵巣や膀胱、直腸や腎臓などさまざまな部位で発生します。子宮内膜症が起こる原因はまだよく分かっていませんが、逆流した経血と共に子宮内膜組織や細胞がお腹の中へ運ばれることで発症するのではという説が有力です。生理痛がある場合は、鎮痛剤を用います。鎮痛剤があまり効かない場合はホルモン剤を使ったり病変を摘出したりなどの方法を用いることもあります。生理がある限り子宮内膜症は進行を続けますので、早めに産婦人科を受診して適切な治療を受けることが大切です。

「子宮がチクチク痛む」ときの正しい対処法は?

子宮がチクチク痛むときは、まず妊娠していないかを確認しましょう。妊娠していないことが確認できれば、市販の鎮痛薬を服用しても構いません。胃に優しい鎮痛剤がよい方はアセトアミノフェン、効果を重視するならイブプロフェンやロキソプロフェンなどを選ぶとよいでしょう。体が冷えて痛みが出ている場合もありますので、湯船につかったりお腹を温めたりしてみるのも一つの手です。更年期で子宮がチクチク痛む場合は休息が取れていなかったりストレスが溜まっていたりすることもあるので、しっかり体を休めてください。早く治したいときは市販の鎮痛剤で痛みをごまかし続けず、早めに産婦人科を受診して適切な治療を受けることが大切です。

「子宮がチクチク痛む」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「子宮がチクチク痛む」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

ストレスが原因で子宮がチクチク痛むことはありますか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

ストレスで子宮がチクチク痛むこともあります。ストレスを溜め込むとホルモンバランスが乱れて痛みを生じることがあるのです。

子宮がチクチク痛むのは病気でしょうか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

病気の可能性もありますし、とくに問題がないこともあります。気になるときは産婦人科を受診して検査をしてもらいましょう。

生理じゃないのに子宮が痛むのはなぜですか?

丸山 潤医師丸山 潤(医師)

生理ではなくても、排卵痛や子宮内膜症、子宮筋腫によって痛みが出ることがあります。

まとめ 子宮がチクチク痛むのは子宮内膜症や子宮筋腫の可能性あり

子宮がチクチク痛む場合は、とくに問題がないこともありますが、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が隠れていることがあります。症状が続く場合や生活に支障が出ている場合は産婦人科を受診して原因を明らかにし、適切な治療を受けるようにしてください。原因によっては不妊の原因となることもあるため、早めの対処が大切です。

「子宮がチクチク痛む」症状で考えられる病気

「子宮がチクチク痛む」から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

子宮が軽くチクチクするだけなら問題ないこともありますが、強い痛みがあったりほかの症状も出たりしているときは、病気が隠れている可能性があります。

「子宮がチクチク痛む」に似ている症状・関連する症状

「子宮がチクチク痛む」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • へそ周りが痛い
  • 下腹部が痛い
  • 経血量が多い
  • 嘔吐下痢

へそ周りや下腹部が痛い場合は、子宮ではなく腸に原因があるケースもあります。子宮と腸は場所が近いので、子宮がチクチクすると感じても腸に問題があることがあるのです。産婦人科を受診してもとくに問題がない場合は、胃腸科や内科を受診して検査してもらうことも検討しましょう。