乳首がかゆい原因は何?病気の可能性は?医師が徹底解説!
乳首・バストトップがかゆい症状が続くと、心配になりますよね。ここでは、すぐに病院に行くべき症状の特徴や乳首が痒いときにおすすめの対処法などをMedicalDoc監修医が紹介します。
「乳首がかゆい」症状で考えられる病気と対処法
「乳首がかゆい」症状で考えられる病気としては、女性ホルモンによる影響、アトピー性皮膚炎、衣服による接触など多岐にわたります。ごく稀に、乳がんのような悪性疾患による影響の可能性もありますので、症状の改善が見られない場合は、医療機関を受診されることをお勧めします。
乳首・バストトップがかゆい症状の特徴・原因と治し方
乳首がかゆい場合に、かゆみだけが問題になることもありますが、発赤や皮疹などがみられることもあります。
ご自分でできる対処として、皮膚が乾燥している場合は、保湿剤やクリーム、ワセリン等を塗り様子を見ましょう。蒸れによる場合は、下着のサイズを合っているものに変えることや、綿素材など通気性の良いものを選ぶようにしましょう。また、洗濯洗剤や柔軟剤を変えてみることも良いかもしれません。
多くの場合、乾燥か蒸れが原因である皮膚症状と考えられます。まずは、ご自分で保湿や蒸れの除去に留意され、セルフケアによって様子を見ましょう。症状の改善が一向に見られないときは皮膚科の受診をお勧めいたします。
片方の乳首・乳輪がかゆくてただれる症状の特徴・原因と治し方
片方の乳首にかゆみがあり、さらに湿疹、痛み、赤み、乾燥、ただれ、腫れ、ジクジクする、浸出液が出る、等の症状がみられることがあります。
ご自分でできる対処として、乳首に保湿剤やワセリン等を塗り、保湿により皮膚を保護することが良いでしょう。また、化学繊維の下着を綿や絹素材に変えたり、洗濯洗剤を合成洗剤や界面活性剤を避けるなど刺激の少ないものに変えたり、柔軟剤を変更あるいは中止することもよいでしょう。市販のステロイド剤や抗生剤の軟膏を塗り、かゆみや炎症を抑えることもできます。カビなどによる感染症の場合は抗真菌薬の軟膏を塗ります。
片方の乳首がかゆい症状で考えられる病気としては、下着などによる接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、女性ホルモンによる影響、カビなどによる感染症、稀に乳房パジェット病などが挙げられます。
女性ホルモンの影響
女性ホルモンの影響でかゆみが生じて、生理周期によってかゆみに変化が見られることがあります。また乳頭から分泌物が出ることもあり、その液が皮膚に接触することで湿疹やただれを起こすこともありますが、これは病気ではありません。
乳房パジェット病
乳房パジェット病は、乳がんの一種であるため、注意が必要な病気です。皮膚が赤くなり、ジクジクして、かさぶたができ、皮膚炎に似ていますが、痒みと痛みを伴い、境界がはっきりしていることが特徴です。
市販薬でなかなか改善が見られず、症状が悪化するようであれば皮膚科を受診されることをお勧めします。婦人科や乳腺外科でも対応可能と思われます。受診時にはご自分で使った軟膏などがあれば、持参されると良いでしょう。アレルギー体質の方は自己判断で市販薬を選ぶよりも医師による診断をお勧めします。
乳首がかゆくて血が出る症状の特徴・原因と治し方
乳首のかゆみ、湿疹、ただれ、浸出液が出る、あるいはかきむしることによって血が出るなどの状態のことを指します。
まずは、出血部にガーゼをあてるなどの処置をし、止血の処置をします。保湿をし、下着をサイズの合った綿、絹素材のものに変えて経過をみましょう。また、かゆみや湿疹、ただれが治まらない場合は市販のステロイドの軟膏を塗り、様子を見ましょう。
乳首がかゆくて血が出る場合には、前に説明した病気と同様ですが、女性ホルモンの影響によるかゆみ、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、真菌感染症、乳房パジェット病などが考えられます。
かゆみが強い場合、就寝時など無意識のうちにかきむしってしまい乳首や乳輪部に出血する場合がほとんどであると思われます。その場合、かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を病院で処方してもらい服用するとよいでしょう。乳首をなるべく触らず保護するために、ガーゼをあてておく方法もあります。
血液の混じった分泌液が乳首から出るときは、良性の場合がほとんどですが、がんの場合もあるので乳腺外科を受診することをお勧めします。
すぐに病院へ行くべき「乳首がかゆい」症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
なかなか治らない乳頭部の湿疹症状の場合は、皮膚科・乳腺外科へ
乳首、乳頭部にただれや赤み、軽度のかゆみがあって湿疹のような症状が見られます。軟膏をつけて様子を見ていても改善しない場合には、乳房パジェット病が疑われます。乳がんの一種ですが、乳がん全体の1-4%程度と珍しい病気です。通常は片側のみの症状で、男性にの発症は珍しく、中高年女性に多く見られます。かゆみは強くなく、ステロイド軟膏に反応しないため、湿疹とは区別されますが、自分で判断することは難しいと思われます。皮膚症状がなかなか治らない場合には乳腺外科を受診することをお勧めします。
「乳首がかゆい」症状が特徴的な病気・疾患
ここではMedical DOC監修医が、「乳首・バストトップの痒み」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
接触性皮膚炎
接触性皮膚炎は、いわゆるかぶれであり、物理的な刺激が原因となってアレルギー反応が起こって生じます。乳首の場合には、下着などが刺激となり、その接触部位に一致して、かゆみや赤みが生じます。片側でも両側でもどちらも起こる可能性があります。
対処法としては、皮膚が乾燥している場合は、保湿剤やクリーム、ワセリンなどを塗って様子を見ましょう。このようなセルフスキンケアによってある程度の改善が期待できると思います。症状がなかなか改善しない場合には、皮膚科を受診するのが良いでしょう。
「乳首がかゆい」症状と乳がんの関係は?
基本的に、乳首のかゆみだけでは乳がんの徴候とは言えません。乳首のただれがずっと治らない場合に病院を受診して下さい。前に説明した乳房パジェット病なども含め、乳がんの可能性はあります。乳がんの場合は、乳房にしこりを感じる場合がほとんどですが、乳房(胸のあたり)の皮膚に違和感を感じたり、ひきつれや赤みなど異常を見つけた場合は受診をお勧めします。婦人科、乳腺外科がよいでしょう。
「乳首がかゆい」ときに飲んでも良い・塗っても良い市販薬は?
まず軽度の場合は、保湿、刺激の除去などに留意し経過観察します。かゆみが増す場合にステロイド軟膏やかゆみ止めの軟膏を塗ってもよいでしょう。感染がある場合には抗生物質の軟膏を塗ってもよいですが、カビによる感染症に使用すると悪化する場合があります。抗真菌薬の軟膏を塗ると効果的ですが、自分で判断せず受診したほうが無難といえます。就寝中にかきむしってしまう場合は、市販薬の抗アレルギー薬を服用するとよいでしょう。アレルギー体質の方は自己判断せず、適切な治療薬の選択のために受診をお勧めします。毎日の生活では、下着の適切なサイズと素材、洗剤の選別などに留意しましょう。
「乳首がかゆい」症状で医師が考えられる病気
「乳首がかゆい」症状から医師が考えられる病気は4個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedicalDOCの解説記事をご覧ください。
関連する病気
- 接触性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 真菌感染症
- 乳房パジェット病
- 接触性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- 真菌感染症
- 乳房パジェット病
下着や衣類などによる物理的な刺激による皮膚炎です。
アトピー素因を持つことが多く、皮膚バリア機能が低下することなどで、下着や衣類などによる物理的な刺激で悪化することがあります。
下着や衣類などによって通気性が悪くなり、真菌(カビ)が繁殖して起こる感染症です。
皮膚炎の見た目をしていますが、乳がんの一種であるため、速やかな治療介入が必要です。
まとめ
乳首のかゆみに悩まれている方は多くおられます。重篤な症例は少ないと言えますが、稀に深刻な病気を含んでいる場合がありますので、気になることがあれば放置せず病院にかかることが重要です。市販薬でも充分に治療は可能ですが、選択を誤ると悪化する場合があります。心配や不安を感じるときは皮膚科、婦人科、乳腺外科の受診をお勧めします。