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「太ってないのに二重アゴ」になる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「太ってないのに二重アゴ」になる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

太ってないのに二重アゴで、身体はどんなサインを発している?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科へ受診すべきか・対処法などを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

喜多村 麻梨子

監修医師
喜多村 麻梨子(医師)

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滋賀医科大学卒業。天理よろづ相談所病院より初期研修を経て、総合内科診療に深く携わる。
形成外科を経て美容医療の可能性を見出し、産後も美容診療に携わりながら幅広く活躍している。現在は美容医療の枠にとどまらず予防医学の啓蒙・執筆活動に従事し活躍の幅を広げている。

「太ってないのに二重アゴ」の症状で考えられる病気と対処法

二重アゴといえば、肥満の人がなるイメージです。その一方で、体重は変わらないのに二重アゴになってしまったという人もいるかもしれません。二重アゴの原因は決して肥満だけではなく、顎下の腫れが原因の可能性があります。つまり、リンパ節炎など、病気が関わっている場合もあります。どのような場合に病院を受診する必要があるのかを解説していきます。

太ってないのに二重アゴの症状で考えられる原因と対処法

太った様子もないし、体重計にのっても体重は変わっていないのに二重アゴになっているような時は、長時間のPC作業による猫背や、スマホのしすぎによるストレートネックなど、姿勢の悪さによって引き起こされている可能性があります。頭が前に出ている姿勢を続けていると皮膚や筋膜が前に引っ張られてたるみが出てしまうのです。このような場合は、ストレッチをしたり、スマホやPCの長時間使用を避けたりと日常生活を見直すことが大切です。
また、病気によって二重アゴが引き起こされる場合もありますので、注意しなければなりません。二重アゴを引き起こす病気として、リンパ節炎、顎下腺唾石症、唾液腺腫瘍などが挙げられます。
リンパ節炎や顎下腺唾石症で痛みがそれほどひどくない場合などは、そこまで緊急性はありません。唾液腺腫瘍も良性腫瘍のこともありますが、もし悪性腫瘍(がん)だった場合は命に関わるため、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診して医師に相談しましょう。

子供で太ってないのに二重アゴの症状で考えられる原因と対処法

子供でも、太ってないのに二重アゴになってしまうこともあります。大人と同様に姿勢の影響を受けることもありますが、アデノイド顔貌の可能性があります。アデノイド顔貌は、鼻の奥にあるアデノイド(咽頭扁桃)が大きくなっている人に見られる特徴的な顔つきを指します。この顔つきの特徴は、横から見た時に下あごが上あごよりも後ろに下がって見えることです。また、口元が前に出ている状態(受け口)になることもあります。
アデノイド顔貌では首から顎にかけてのラインのメリハリがなくなり、二重顎になりやすく、顔全体が丸みを帯びる傾向があります。アデノイドの肥大によって口呼吸を長期間続けることが原因です。アデノイド顔貌は歯科矯正や耳鼻咽喉科での治療が有効です。

すぐに病院へ行くべき「太ってないのに二重アゴ」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

腫れているところを押すと痛い場合は、内科・耳鼻咽喉科科へ

顎周辺が腫れているような感覚があり、その腫れているところを押すと痛い場合は、頸部のリンパ節炎が疑われます。リンパ節は体全体にある免疫器官の1つで、 細菌、ウイルス、がん細胞などがないかをチェックする「関所」のような役割を持ちます。そのリンパ節が細菌やウイルスに感染して、リンパ節炎になってしまいます。風邪を引いた時でも首のリンパ節が腫れることがありますのでまずは内科への受診を検討してください。より専門的な治療が必要な場合は耳鼻咽喉科を受診すると良いでしょう。

食事中や食後に顎の下が痛む症状の場合は、歯科口腔外科・耳鼻科へ

食事中や食後に顎の下に痛みがおこる場合は、顎下腺唾石症が疑われます。唾液腺から口の中に放出する管の中で、唾に含まれるカルシウムが結晶として固まったものが唾石です。唾石が小さければそこまで気になるような症状はありません。大きくなると管が狭くなってしまい、排出しきれない唾が顎下腺内にたまって、あごの下が腫れてしまいます。腫れを伴うような顎下腺唾石症は、早めの受診をおすすめします。治療として唾石を局所手術で摘出する可能性があるので、歯科口腔外科もしくは耳鼻咽喉科を受診しましょう。

受診・予防の目安となる「太ってないのに二重アゴ」のときのセルフチェック法

  • 太ってないのに二重アゴ以外に顎の腫れが3日以上続く場合
  • 太ってないのに二重アゴ以外に顎にしこりがある場合
  • 太ってないのに二重アゴ以外に高熱がある場合

「太ってないのに二重アゴ」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「太ってないのに二重アゴ」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

リンパ節炎

体を流れる体液は、血液以外にリンパ液があります。リンパ液は細胞同士のすきまを流れ、栄養分の補給や老廃物、異物の除去などの役割を担っています。リンパ液は、リンパ管を通っており、体内各所にあるリンパ節で古い細胞や、がん細胞、異物がこし取られていきます。このリンパ節が細菌などにより感染してしまうと、リンパ節炎を発症します。
特に頸部にあるリンパ節が炎症を起こすと、顎の部分が腫れて二重アゴに見える場合があります。リンパ節炎になった場合、リンパ節の腫れ、痛みが現れ、発熱します。また、非常に腫れがひどい時には周囲の皮膚・皮下組織にまで炎症が広がり蜂窩織炎となってしまうこともあります。
治療法としては、細菌による感染の可能性が高いので、抗生物質を服用することになります。ただし、リンパ節炎ではなくウィルス感染による感冒(風邪)でも頸周りのリンパ節が腫れることもあるので、自分で判断して薬を飲み始めるのではなく、一度医療機関を受診し、医師に診察してもらうことをお勧めします。ウィルス感染によるただの風邪でもこのような症状は起こりうるため、まずは内科受診を検討してください。明らかに普通の風邪と違う場合には耳鼻咽喉科を受診しても良いでしょう。

顎下腺唾石症

顎下腺にある唾液腺(唾液を分泌するところ)から出る唾液にはカルシウム成分が多く含まれています。この唾液のカルシウム塩が結石となってしまい、唾液腺を閉塞させてしまうことで生じる症状を顎下腺唾石症と呼びます。唾液腺が閉塞されることで、感染症や痛みを引き起こします。結石による閉塞は主に食事後に起こることが多く、唾液腺の膨張や痛みが出てきます。そのため、食事中や食後に腫れがひどくなり、その後時間とともに徐々に改善するのが特徴です。食後に顎の痛みが出ることが多い場合は、唾石症の可能性があるので、一度耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。
唾液の分泌量を増やすことで、小さい唾石であれば排出される場合もあります。また流れを良くしておくことで唾石症の予防になります。梅干しやレモン飴などを摂取するとよいでしょう。また、口すぼめや舌の運動など唾液の分泌量を増やす体操もあります。このような対処法でも良くならないほど結石が大きくなっていると手術で唾石を除去する必要があるかもしれません。

唾液腺腫瘍

唾液腺が腫れている時、それは唾液腺腫瘍かもしれません。顎下腺にある唾液腺腫瘍は顎の部分にしこりや腫れを伴うため、二重アゴに見える場合があります。顎下腺腫瘍では良性のものが45%、悪性腫瘍が55%です。起こりやすい年齢は良性の場合30~60歳と若いのに対し、悪性腫瘍では40~70歳とやや高齢です。
良性腫瘍は進行も遅く、痛みを伴わないため自覚症状はほぼありません。また、悪性腫瘍も初期は痛みを伴わないため、同じく自覚症状がほぼないため気づきにくいです。悪性腫瘍の場合はリンパ節を通じて全身へとがん細胞が転移してしまう可能性もありますので、早期の診断治療が重要です。治療法としては、手術もしくは放射線治療となります。二重アゴの部分やその周囲にしこりがある場合は、唾液腺腫瘍の可能性を考え、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「太ってないのに二重アゴ」の正しい対処法は?

ここまでは、太ってないのに二重アゴの症状で疑うべき病気について紹介してきました。もちろん、リンパ節炎などの病気が原因であれば、速やかに受診すべきでしょう。
では、病気ではなさそうな場合はどのように対処すればよいのでしょうか。
「太っていないのに二重アゴ」の症状の原因として、猫背や、スマホのしすぎによるストレートネックなど、姿勢の悪さが考えられます。このような場合は、背筋を伸ばすストレッチやPC、スマホの長時間利用を避けるなどを行いましょう。また、口角をあげる、よくしゃべるなどで口周りの筋力を高めるという方法も効果的です。また、加齢によるたるみなども二重アゴの原因となります。この場合は、美容クリニックでの治療が有効です。
このように、「太っていないのに二重アゴ」は、いろいろな要因が考えられます。上述した方法を試しても改善されない場合は、病気かもしれません。リンパ節炎は発熱を伴いますので比較的わかりやすいですが、発熱がなくとも病気が隠れている可能性はありますので、長引いている場合は一度耳鼻咽喉科を受診してみましょう。

「太ってないのに二重アゴ」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「太ってないのに二重アゴ」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

太ってないのに二重アゴになるのは病気ですか?

喜多村 麻梨子医師喜多村 麻梨子(医師)

リンパ節炎や顎下腺唾石症、唾液腺腫瘍などの病気で二重アゴに見えることはありますが、決してそれだけではありません。姿勢の崩れや、加齢による皮膚のたるみなどの可能性もあります。

太ってないのに二重アゴなのは治りますか?

喜多村 麻梨子医師喜多村 麻梨子(医師)

原因がわかれば、治すことは可能です。病気であれば内科や耳鼻咽喉科に行ってしかるべき治療を受けてください。姿勢の悪さからくる場合は正しい姿勢を意識することで改善する可能性があります。

太ってないのに二重アゴなのですがストレートネックが原因ですか?

喜多村 麻梨子医師喜多村 麻梨子(医師)

あなたがスマホを長時間使い常に前のめりの姿勢をしているのであればその可能性が高いです。スマホの利用時間を制限し、ストレッチ等で前のめりの姿勢を改善していきましょう。

まとめ 太ってないのに二重が気になるときは耳鼻咽喉科で相談

太っていないのに二重アゴの症状は、PCやスマホの使い過ぎによる猫背やストレートネックが原因であることが多いです。また加齢による皮膚のたるみの可能性もあるでしょう。
しかし、リンパ節炎や顎下腺唾石症、唾液腺腫瘍の可能性もあります。姿勢改善などセルフケアで改善しない場合はすみやかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「太ってないのに二重アゴ」症状で考えられる病気

「太ってないのに二重アゴ」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

内科系の病気

耳鼻咽喉科の病気

  • 顎下腺唾石症
  • 唾液腺腫瘍

二重アゴになっているだけであれば様子見で良いですが、発熱や痛み、しこりがある場合や何らかの他の症状も伴っている場合には、病気が隠れている可能性があります。

「太ってないのに二重アゴ」に似ている症状・関連する症状

「太ってないのに二重アゴ」と関連している、似ている症状は4個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • 顎に熱っぽさがある
  • 肥満
  • 顎周りに皺がよる

肥満や加齢によりフェイスラインに脂肪が蓄積されると二重アゴになります。この場合はダイエットや美容クリニックでの治療によってフェイスラインを整えることができます。

この記事の監修医師