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「舌に黒い点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「舌に黒い点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

舌にできる黒い点は何?Medical DOC監修医が主な原因や考えられる病気・何科を受診すべきか・対処法等を解説します。気になる症状は迷わず病院を受診して下さい。

見立 英史

監修歯科医師
見立 英史(福岡歯科大学 口腔外科)

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九州大学歯学部卒業。親知らずの抜歯をはじめ、口腔粘膜疾患、口腔がんの診療を行なっている。日本口腔外科学会指導医・専門医、日本口腔科学会認定医。

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「舌に黒い点ができる」症状で考えられる病気と対処法

舌は歯磨きの時に見ることができる場所です。いつも舌を見ていて、今まで特にこれといって黒いできものがなかったのに、急にできている場合、とてもびっくりしたり、焦ったりすると思います。その時に、どのような原因や病気が考えられるのでしょうか。チェックポイントと合わせて解説します。

舌に黒い点ができる症状で考えられる原因と治し方

舌に黒い点ができている時に考えられる疾患には以下のものがあります。

  • 1)汚れや傷:食事、喫煙(ヤニ)、硬いもの
  • 2)内服薬による影響
  • 3)血管腫
  • 4)ほくろ(色素性母斑)・悪性黒色腫
  • 5)舌がん

それぞれ詳しくみていきます。

舌に黒い点が急にできる症状で考えられる原因と対処法

舌に黒い点を見つけたら、まずティッシュで拭ったりしたら取れるかどうか見てみましょう。取れて消えるなら、食事などの汚れ、タバコのヤニ(ニコチン)などをまず考えます。
また最近、抗生物質(化膿止め、抗菌薬)を内服したり、もしくは内服する薬が増えたり、変わったりしていませんか?抗生物質や鉄分を内服すると、これにより舌が黒くなることがあります。

舌に小さな黒い点ができる症状で考えられる原因と対処法

食べかすなどの汚れ、熱い食べ物によるやけど、硬いものでできた傷の場合は、まず小さいことが多いかと思います。そして数日すると消えることがほとんどです。また血管腫を見ている場合は、血管ですので全く変化しません。
ほくろのようなものの場合は、歯科医院、耳鼻咽喉科で相談してください。まずは考えられる疾患を診断してもらうこと、そして悪性の可能性がないかを確認しておきましょう。

舌に黒い点ができて痛くない症状で考えられる原因と対処法

まずは食事やヤニなどの汚れを見ているかもしれません。歯磨き・舌みがきで綺麗に消えるかどうかみてください。
また、血管を見ている可能性があります。舌は血流が豊富ですので、血管があたかも黒い点のように透けて見えることがあります。血管腫ということもあります。これは特に何もする必要はありません。
内服薬による影響で、舌が茶色もしくは黒くなることがあります。鉄分を多く含む薬は舌や歯肉、義歯(入れ歯)まで茶色、黒くなることがあります。
特に、抗生物質を長期間内服していると、お口の中の細菌にも影響が及び、細菌の種類や量が変わってきます。そのために舌が茶色もしくは黒くなることがあります。

子どもの舌に黒い点ができる症状で考えられる原因と対処法

子どもの舌にできる黒い点は、箸や爪楊枝などで舌を傷つけた後であることが多いようです。数日すれば消えることがほとんどです。その他には食べかすなどの汚れ、血管を見ている場合(血管腫)がほとんどです。

すぐに病院へ行くべき「舌の黒い点」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

痛い・しみる・しこりがある場合は、口腔外科・耳鼻咽喉科へ

黒い点があり、なおかつ刺激物がしみてきたり、痛みがある場合は、また黒い点の周囲にしこりを触れる場合は、舌がんの可能性があります。早めに口腔外科、もしくは耳鼻咽喉科を受診して、詳しくチェックしてもらいましょう。病変が小さければ切除する範囲も小さくて済むので、治療後の日常生活も大きく変わらずに生活できるかもしれません。

受診・予防の目安となる「舌に黒い点ができる」ときのセルフチェック法

  • ・舌に黒い点ができる以外に刺激物がしみる、痛みある場合
  • ・舌に黒い点ができる以外に大きくなっている、厚くなる症状がある場合
  • ・舌に黒い点ができる以外に下痢症状がある場合

「舌に黒い点ができる」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「舌に黒い点ができる」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

舌がん

舌がんは、舌の表面の粘膜(扁平上皮)が癌化したものです。被せ物や詰め物がずっと接触していると出来やすく、アルコールや喫煙も発生リスクを高めることがわかっています。
最初は口内炎のようですが、消えることはありません。舌の外側に大きくなる症例は切除しやすいのですが、舌の内部に向かって進行する症例では、手術でも取りきれないことがあります。そのため首のリンパ節に転移しやすく、治療はやっかいです。周囲にしこりを形成し、刺激物で痛みが出たり、自発痛が出てくるようになります。
舌がんは毎年15,000名が診断され、その約半数が舌癌により死亡しています。早期発見すれば切除範囲が小さく済むので、生存率も上がります。

血豆(血腫)

舌を誤って噛んでしまったり、硬いものを食べたりして舌に傷をつけてしまった場合、その出血したところが黒っぽく見えることがあります。血液のかたまりのことを、血腫(いわゆる血豆)と言います。そのまま経過観察してもいいですが、血液サラサラの薬(抗凝固薬。抗血栓薬)を内服している方は、大きくなることもあります。
歯科医院で見てもらいましょう。細い針で潰して治すことができるかもしれません。

内服薬による影響

抗生物質(抗菌薬)を長期間内服している場合は、お口の中の細菌の量や割合が変化します。これを菌交代現象と言います。この現象により、舌の表面に茶色や黒色の色素がつきやすくなります。また鉄分の多い内服薬、漢方薬などでは、舌表面に着色することがあります。一方、消化器では腸内細菌が変化し、下痢ぎみになる方もおられます。
どの薬も必要性があって処方されていますので、自己判断で中止してはいけません。終了もしくは減量させるかは、かかりつけの医師と相談しながら進めてください。

ほくろ(色素性母斑・黒色腫・メラノーマ)

舌の黒い点、もしくはホクロのようなものができることがあります。良性と悪性は見た目だけではわかりません。刺激物で痛みが出ないことも多いのですが、その分、悪性の場合に気付きにくいとも言えます。
舌だけでなく、歯肉や頰粘膜にも見られることがあります。大きさに変化がなければ色素性母斑として経過観察でいいと思いますが、大きくなってきたり、盛り上がってきたりするなど、見た目に変化が出てきたら、早めに歯科医院で相談し、大きな病院に受診すべきか相談しましょう。小さければ切除することを考えますが、その後に必要に応じた治療ができる大きめの病院で治療を受けるようにしましょう。

「舌に黒い点ができた」ときの正しい対処法は?

まずは、汚れなど、拭ったら取れるものかどうかを見てみます。歯磨きや舌ブラシで軽く表面を拭ってみてください。また1~2週間を目処に経過をみてください。消えていくようであればそう問題ではないでしょう。変化がなければ、血管腫かもしれませんが、注意が必要なのは逆に大きくなる場合です。盛り上がってくるなど変化があれば、歯科医院か耳鼻咽喉科を受診しましょう。

「舌に黒い点ができる」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「舌に黒い点ができる」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

舌に黒い点ができたときは何科に受診すればいいですか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

舌の黒い点については、お口の中をよく見ている歯科、口腔外科、耳鼻咽喉科を受診してみてください。そこでよく診察してもらい、診断および、どのような対応が必要か確認しておきましょう。

舌の黒い点はほくろですか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

舌の黒い点はほくろ(色素性母斑)の可能性はあります。また火傷、内出血(血豆)なども十分可能性があります。

ベロに小さな黒い点が複数できるのは病気の可能性がありますか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

舌に複数の小さな黒い点ができるのは、火傷、内服薬による影響、内出血(血豆)をまず考えます。ただし、黒色腫の可能性もゼロではありませんので、黒い点が大きくなったり、数が増えるとかあれば、病気の可能性もありますので、早めに歯科医院か耳鼻咽喉科で相談してください。

舌を噛んでしまってできた黒い点のような血豆は放置して良いですか?

見立 英史医師見立 英史(医師)

血豆(内出血)であれば1週間程度、経過観察をしてもいいと思います。針で潰したりすると、治りに時間がかかることがあります。ただ、血液サラサラになる薬(抗凝固薬、抗血小板薬)を飲んでいると、大きくなりやすいことがありますので、注意して経過を見てください。あまりにも大きくなるようであれば歯科医院、そして血液サラサラになる薬を処方した病院に相談してください。血液がサラサラになりすぎている可能性があります。

まとめ

舌に黒いものができた時に考えられる状況、疾患などを説明しました。汚れのように綺麗にすることで解決するものや血管であったり、内服薬の影響、ほくろ、舌癌と幅広く可能性があることがおわかりいただけたかと思います。いずれにせよ、1~2週間経過を見て消えない場合は、歯科医院もしくは耳鼻咽喉科で相談してみてください。

「舌に黒い点ができる」症状で考えられる病気

「舌に黒い点ができる」から医師が考えられる病気は3個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科の病気

  • 色素性母斑
  • 黒色腫

歯科・口腔外科の病気

簡単に黒い点が落ちると汚れである可能性が高いでしょう。ただ、なかには血管であったり、内服薬の影響、ほくろ、舌癌などのような病気であることも考えられます。

「舌に黒い点ができる」に似ている症状・関連する症状

「舌に黒い点ができる」と関連している、似ている症状は10個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

「舌に黒い点ができる」症状の他にこれらの症状がある場合でも「色素性母斑」「黒色腫」「舌がん」などの疾患の可能性が考えられます。刺激物がしみる、痛みがある場合、大きくなっている、厚くなる症状がある場合、下痢症状がある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。