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「唇に白い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

「唇に白い斑点」ができる原因はご存知ですか?医師が徹底解説!

唇の白い斑点を治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

後藤 和哉 医師

監修医師
後藤 和哉 医師(京都大学医学部附属病院)

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大分大学医学部卒業後、関西電力病院、京都大学医学部附属病院、研修医を経て
京都大学医学部附属病院、天理よろづ相談所、皮膚科医。

「唇の白い斑点」の症状で考えられる病気と対処法

唇の白い斑点には、生理的なものから病気まで原因が多岐に渡ります。感染症や悪性の可能性もありますので、考えられる状態、疾患についてご紹介いたします。

唇に白い斑点がある(痛くない)症状で考えられる原因と対処法

このような場合、フォアダイス状態の可能性があります。皮脂を分泌する脂腺が増えて白くぷつぷつとした小さい斑点にみえる状態です。これは、生理現象のひとつで病気ではないため治療の必要はありません。整容的に気になる場合は、美容皮膚科でご相談ください。
また、稀ですが初期の悪性腫瘍の可能性があります。白い斑点以外に口唇炎の症状を伴って治りにくい場合に疑います。下口唇は紫外線があたりやすく紫外線発癌を起こしやすい部位です。免疫が落ちている方、特に高齢者で下口唇が白っぽく斑点になったりカサカサしたり、湿疹や乾燥の治療をしても長期間治りにくい場合は早めに皮膚科でご相談ください。疑われた場合は皮膚生検を行なって組織検査をされる場合があります。

唇に白い斑点がありかゆい症状で考えられる原因と対処法

このような場合、刺激性の口唇炎やアレルギー性の口唇炎の可能性があります。舌なめずり皮膚炎やかぶれ(接触皮膚炎)の可能性があります。舌なめずり皮膚炎は、本人は意識しないことが多いですが、口唇を舐めてしまい、刺激で舐めている部分に皮膚炎を起こす病気です。長引くと口唇の周りまで赤くなる、あるいは黒ずむことがあります。意識的に唇を舐めないことが重要です。
かぶれ(接触皮膚炎)の場合は、口唇に接触する化粧品(リップクリーム、口紅、歯磨き粉など)や食べ物(マンゴーなど)で起こすことがあります。日時生活を振り返って原因がわかれば、避けるようにしてください。これらの口唇炎に対しては塗り薬で治療します。
皮膚科を受診してください。

唇に白い斑点があり痛い症状で考えられる原因と対処法

白い斑点のように見えるものが痛む場合は、口唇ヘルペスやカンジダ性口唇炎といった感染症の可能性があります。
口唇ヘルペスは、はじめにヒリヒリピリピリとした感覚があり痛みを伴う水疱が数個ほどでき、1週間程度で自然にかさぶたになって治ります。白い斑点のようにみえるものに痛みを伴う水疱ができるようになればヘルペスの可能性があります。直接病変に接触することにより人にうつすことがあります。また、再発を繰り返すことも多いため、皮膚科を受診して診断を受け、治療されることをおすすめします。塗り薬と飲み薬で治療できます。
カンジタとは口の中に常在する真菌(カビ)で、普段は悪さを起こしませんが、何らかの原因で免疫がおちた時などに口の中(口腔内カンジタ症)や唇(カンジタ性口唇炎)に感染を起こすことがあります。唇の場合は白い斑点や唇の皮がカサカサとむけやすくなったり、赤みがでたり、ひりひりとした痛みを伴ったりします。顕微鏡による真菌検査や、真菌培養検査で診断をします。抗真菌薬の塗り薬で治療します。口腔内カンジタを合併している場合は口の中の塗り薬や飲み薬も併用します。口腔や口唇のカンジタ症は、抗がん剤治療中、免疫抑制剤、ステロイドによる内服点滴治療中など免疫が落ちやすい場合に生じやすいです。唇にステロイドの塗り薬を長期使用している場合や、体の他の部分の細菌感染症に対して抗菌薬を長期投与されている場合などにもなることがあります。治りにくい口唇炎の場合にはカンジタ性口唇炎の可能性を疑い検査をしますので、唇の症状が難治性の場合は一度皮膚科を受診してご相談ください。

唇に白い斑点があり腫れている症状で考えられる原因と対処法

唇に白い斑点があり腫れている場合、とてもまれですが重症薬疹(薬剤アレルギー)の初期の可能性があります。この症状の他に出血やびらんを伴う場合、目に充血や目やにを伴う場合、全身に赤い斑点がでる場合などあれば、すみやかに総合病院の皮膚科を受診してください。

すぐに病院へ行くべき「唇の白い斑点」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

痛みと水疱を伴う場合、口の中にも白くて痛い病変がある場合、治りにくい場合、腫れてきて出血やびらんを伴うようになってきた場合は、皮膚科へ

痛みと水疱を伴う場合は、口唇ヘルペスの可能性があります。
口の中にも白くて痛い病変がある場合は口唇や口腔のカンジタ症の可能性があります。難治性の口唇のただれ、皮膚炎は悪性の可能性もあります。
なるべく早めに皮膚科を受診してください。
口唇が腫れてきて出血やびらんを伴うようになってきた場合はすみやかに総合病院の皮膚科を受診してください。

受診・予防の目安となる「唇の白い斑点」ときのセルフチェック法

  • ・唇の白い斑点以外に痛みのある水疱ができる場合
  • ・唇の白い斑点以外に口の中にも痛くて白い症状がある場合
  • ・唇の白い斑点以外に腫れて出血びらんを伴う症状がある場合
  • ・唇の白い斑点が治りにくい場合
  • ・唇の白い斑点以外にかゆみがある場合

「唇の白い斑点」の症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「唇の白い斑点」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

口唇炎

口唇炎とは口唇に赤み、亀裂、カサカサ、黒ずみなどが起きる皮膚炎のことです。白い斑点のように見えることもあります。原因は舌なめずりによるもの、かぶれや湿疹、カンジダ症、紫外線によってできる癌の初期(日光角化症)など多岐にわたります。
舌なめずり皮膚炎は知らず知らずのうちに口唇を舐めてしまい、刺激で舐めている部分に皮膚炎を起こすものです。かぶれ(接触皮膚炎)は、リップクリーム、口紅、歯磨き粉など、普段使っている化粧品で起こることがありますが、マンゴーなどの食物でもおきます。アトピー性皮膚炎がある場合にも口唇に皮膚炎を起こします。また冬場など乾燥により起きることもあります。詳細は前述しておりますが、口の中に常在する真菌(カビ)によるカンジタ症でも口唇炎の症状がでます。また、稀ではありますが、紫外線により発癌し口唇炎の症状を起こすことがあります。紫外線が当たりやすい下口唇にできやすく、難治性の場合で、特に高齢者や免疫が落ちている方の場合は悪性を疑って検査することがあります。
視診、問診、顕微鏡検査、培養検査、皮膚生検による組織検査などを必要に応じて行い、原因検索を行います。原因に応じて治療を行います。皮膚科を受診してください。特に難治性の場合は早めに受診して相談してください。

フォアダイス

唇や頬の粘膜、性器などに、皮脂を分泌する脂腺が増えて白~黄色の少し盛り上がった斑点にみえる状態です。これは生理現象のひとつであり病気ではないため、人に感染させることもありません。治療の必要はなく放置してかまいません。どうしても見た目が気になる場合は、美容皮膚科にご相談ください。自費診療になりますが、局所麻酔下で電気メスやレーザー治療などが可能です。

口唇ヘルペス

⼝唇ヘルペスは、唇やその周りに痛みを伴う水疱(水ぶくれ)ができる病気です。単純ヘルペスというウイルスによる感染症です。「熱の華」ともいわれ、⾵邪、疲れやストレスなどで免疫⼒が落ちている時に症状がでます。水疱ができる前に唇にチクチク、ピリピリとした痒みや灼熱感があり、その後に痛みを伴う水疱が数個でき、1週間程度で自然にかさぶたになって治ります。水疱がある間は、水疱に直接触れると人に感染させる可能性があります。初めて感染する場合は発熱や、多発する水疱といった強い症状が出る場合があります。逆に初感染では全く症状がでない場合もあります。初感染後には、ウィルスは体に潜んでいるため、免疫がおちる度に再発する可能性があります。治療には塗り薬と飲み薬があります。何度も繰り返す可能性がありますので、発症した場合はなるべく早めに皮膚科を受診されることをお勧めします。再発を繰り返す場合にはあらかじめ内服薬を処方してもらい、次回水疱ができる前のチクチク、ピリピリといった痒みや灼熱感の時に自分で内服を開始する方法があり、症状の軽減、治療期間の短縮や発症予防になります。

「唇の白い斑点」の正しい対処法は?

経過から、明らかに原因物質が特定できるかぶれだと判断できる場合には、その原因との接触を避けるようにしてください。その際は、市販の副腎皮質ステロイドホルモン軟膏を一時的に外用して治療していただいても問題ありません。しかし、痛みを伴っている場合はウィルスや真菌の感染症の可能性もあります。その場合は副腎皮質ステロイドホルモン軟膏を長期に使用すると症状を悪化させてしまいます。そのため、痛みを伴う場合は自己判断で市販薬を使わずに、なるべく早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
口唇が炎症を起こすとカサカサと乾燥するため市販のリップクリームなどを使いたくなりますが、市販薬には様々な成分が配合されています。口唇の荒れているときに使用すると逆にかぶれを誘発する可能性がありますので、一概に使用して良いとは言えません。かゆい場合に掻いたりこすったり口唇に刺激を加えると悪化の原因になりますので舐めたり触ったりしないようにしてください。

「唇の白い斑点」の症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「唇の白い斑点」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

唇に白い斑点があるのですがリップクリームを塗っても大丈夫ですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

乾燥が原因の場合は、リップクリームの使用で症状がよくなる場合もありますが、成分があわなければ、逆にリップクリームの使用中にかぶれてしまい口唇炎を起こす可能性があります。症状がある際は一度早めに皮膚科を受診して相談されることをおすすめします。

唇に白い斑点があるときは何科に行けばいいですか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

皮膚科を受診してください。

くちびるに白いぶつぶつができてかゆいです。疲れが原因でしょうか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

疲れがひどい場合には、免疫が低下していることがあります。痛みを伴う水疱ができる場合は、口唇ヘルペスなどウィルス感染の可能性もあります。

唇の白い斑点は自然治癒しますか?

後藤 和哉 医師後藤 和哉 医師

症状によっては、自然治癒するものもあります。しかし、生理的なフォアダイス状態や悪性の場合では自然治癒は見込めません。なかなか症状が改善しない場合は早めに皮膚科を受診してください。

まとめ

唇の白い斑点には、フォアダイス状態のように生理的なものもありますが、かぶれ、ウィルス感染症、真菌感染症、癌、薬疹など様々な病気の可能性があり重症度も多岐にわたります。原因がわからない場合はなるべく早めに皮膚科を受診し相談されることをおすすめします。

「唇の白い斑点」症状で考えられる病気

「唇の白い斑点」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

皮膚科系の病気

自然治癒するものもありますが、病気によりけりです。見極めは難しいので、受診を検討いただくことをお勧めします。

「唇の白い斑点」に似ている症状・関連する症状

「唇の白い斑点」と関連している、似ている症状は8個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

「唇の白い斑点」の症状の他にこれらの症状がある場合でも「フォアダイス状態」「口唇ヘルペス」「刺激性口唇炎」「接触皮膚炎」「カンジタ性口唇炎」「日光角化症」「薬疹」などの疾患の可能性が考えられます。
痛みと水疱を伴う場合、口の中にも白くて痛い病変がある場合、なかなか治らない場合、腫れてきて出血やびらんを伴う場合には、早めに医療機関を受診しましょう。