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「肥満症になりやすい人の共通点」を医師が解説 アンケート結果からわかった4つのNG習慣とは

 公開日:2026/04/20
肥満症アンケート太る理由は「無意識のクセ」

「少し太った?」と感じつつも見過ごしていませんか。実は、肥満症の入り口は特別な過食ではなく、無意識の「些細なクセ」にあります。今回、一般の方500名を対象に食事・運動・飲酒の実態を調査。このリアルなデータから、医師の大坂先生はどんな「警告サイン」を読み取るのでしょうか。日常に潜む落とし穴と、意志の力に頼らない改善のヒントを詳しく伺いました。

大坂 貴史

監修医師
大坂 貴史(医師)

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京都府立医科大学卒業。京都府立医科大学大学院医学研究科修了。現在は綾部市立病院 内分泌・糖尿病内科部長、京都府立医科大学大学院医学研究科 内分泌・糖尿病・代謝内科学講座 客員講師を務める。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会糖尿病専門医。

Q1.1日の平均歩数はどれくらいですか?

Q1.1日の平均歩数はどれくらいですか?

編集部

運動に関連するデータについて、まずは「1日の平均歩数」から見ていきます。「3000歩未満(23.5%)」と「3000歩以上〜6000歩未満(32.2%)」を合わせると、半数以上の方が6000歩に満たない結果となりました。この数字を見て、医師としてどのような健康への影響が読み取れますか?

大坂 貴史先生大坂先生

思ったより少ないというのが印象です。毎年おこなわれている国民健康・栄養調査の令和6年度版では平均歩数では男性では8564歩、女性は7291歩とされています。今回のアンケートではおそらくそれより少なそうな印象です。以前は「1日1万歩歩きましょう」と言われておりました。

しかし近年では、65歳以上は8000歩以上、65歳未満は6000歩以上が目標となっています※。普段は車を使うことが多く、歩くことが少ない方は日常的に階段を使う、短い区間のバスや電車などは歩く、駐車場などでは建物より遠いところに車を止めるなど少しでも歩く時間を工夫してみましょう。目標まで達成しなくても少しでも増やせば効果があります。

※参考:https://www.mhlw.go.jp/content/001204942.pdf

Q2.1日30分以上の運動習慣は週にどの程度ありますか?

Q2.1日30分以上の運動習慣は週にどの程度ありますか?

編集部

さらに、「1日30分以上の運動習慣」についてのデータも見てみましょう。「全く運動していない(23.5%)」と「ほとんど運動していない(21.4%)」を合わせると、約45%の方がまとまった運動習慣を持っていません。こちらの結果からは、どのような課題が読み取れますか?

大坂 貴史先生大坂先生

令和6年の国民健康栄養調査によると1回30分以上の運動を週2回以上実施し、1年以上継続している者の割合は38.5%で、年を取るに連れ運動習慣者の割合は増えていきます。

今回のアンケートでは国民健康栄養調査より運動習慣者の割合が低く、比較的若い層が多い事が予想されます。その上で国民健康栄養調査でははっきりしていない、運動していない層の中身ですが「ほとんど運動していない」と「全く運動をしていない」物を合わせると半分弱となり、多くの方が運動というものに触れていないということでかなり心配です。

Q3.普段の食生活で当てはまるものはどれですか?

Q3.普段の食生活で当てはまるものはどれですか?

編集部

普段の食生活についてのアンケートでは、「甘いもの(お菓子・スイーツ)をよく食べる(33.3%)」が最多となりました。次いで、「テレビやスマホを見ながらの『ながら食べ』が多い(28.9%)」「早食いである(27.4%)」「満腹になるまで食べてしまう(27.2%)」「炭水化物中心(27.2%)」といった項目が上位に並んでいます。このアンケート結果を見て、医師の視点からは現代人の食生活におけるどのような課題が読み取れますか?

大坂 貴史先生大坂先生

肥満に関係する食行動について、肥満症ガイドラインにも、ここに書かれている食習慣が報告されています。中でも早食いについては重要でエネルギー摂取量関係無しに食べる速さと肥満度に関連があり、血糖値やインスリンの効きにくさにも影響したと報告されています。色々な状況もあるかと思いますが、「ゆっくり噛んで食べる」というのは非常に重要です。今回のアンケートでも25%以上の方が「早食いである」と回答していましたが、「ゆっくり食べる」と言うのはお金もかからず簡単にできるダイエット方法として重要です。是非、意識していただきたいと思います。

Q4.飲酒の頻度はどの程度ありますか?

Q4.飲酒の頻度はどの程度ありますか?

編集部

飲酒習慣について、まずは「頻度」のデータを見ていきます。「ほぼ毎日(12.9%)」「週に4〜5日(9.1%)」「週に2〜3日(12.5%)」と、週に複数回お酒を飲む層が合計で34.5%いらっしゃいます。この頻度のデータから、大坂先生にはどのようなリスクが見えていますか?

大坂 貴史先生大坂先生

以前は「少量のお酒は健康に良い」とされてきましたが、最近は「少量のお酒も健康には良くない」という考え方が主流になりつつあります。特に肥満に関しては、個人差はあるもののお酒がきっかけで過食を誘発し、それによって体重のコントロールが難しくなる人もいます。できれば日常的な摂取は避けて、せめて休肝日を設けるようにしましょう。

意外だったのが、「意図的に禁酒している」という方が16.4%もいらっしゃったこと。ご自身で努力されている姿は素晴らしいですね。

Q5.お酒を飲む日の「1回あたりの飲酒量」は、平均してどれくらいですか?

Q5.お酒を飲む日の「1回あたりの飲酒量」は、平均してどれくらいですか?

編集部

続いて、お酒を飲む日の「1回あたりの飲酒量」に関するデータです。「1杯程度」が46.6%で最多ですが、「2〜3杯程度(36.9%)」や「4杯以上(10.9%)」と、一度に複数杯飲む方も半数近くにのぼります。この飲酒量のデータからは、肥満症との関連において何が読み取れますか?

大坂 貴史先生大坂先生

もっとも多くを示したのは「1杯程度」で「2~3杯程度」と合わせると実に83.5%の方がいわゆる「少量飲酒」のカテゴリーに入りそうですので、ひとまず安心ではありますね。とはいえ残りの2割弱の方、毎日に近い方で飲むようであればかなり飲酒量が多くなってしまうので注意が必要です。頻度も量を減らすうえでは大切で、休肝日などがその良い例です。

医師からのアドバイス:データが示す「無意識の習慣」を断ち切るには

編集部

これらのデータから読み取れる「無意識の習慣」のリスクを踏まえ、私たちが肥満症を防ぐために、まず何から始めるべきかアドバイスをお願いします。

大坂 貴史先生大坂先生

まず始めるべきことは、無意識の習慣を“見える化”することです。肥満症は意志の弱さだけで起こるのではなく、「なんとなく食べる」「つい飲む」「気づいたら座りっぱなし」といった自動化された行動の積み重ねで進みやすくなります。

最初の1〜2週間は、「朝の体重」「甘い飲み物の回数」「夕食後の間食の有無」の3つだけ記録してみてください。細かく完璧に書く必要はありません。まずは「自分がどこで無意識にカロリーを取っているか」を知ることが大切です。

次に、変えやすく効果が大きいところから手をつけます。たとえば、甘い飲み物を減らす、お菓子を手の届く場所に置かない、食後に10分だけ歩く。このくらいの小さな修正で十分です。大事なのは、気合いで我慢することではなく、太りやすい行動が起こりにくい環境を作ることです。

肥満症予防は、努力よりもまず「仕組みづくり」から始めるのが基本です。

編集部まとめ

今回の生活習慣データから専門医が読み解いたのは、「ながら食べ」や「日常的な活動量不足」といった、無意識の行動が確実に肥満リスクを育てているという厳しい現実でした。約半数の方が1日6,000歩未満で十分な運動習慣を持たず、過食につながる食習慣や、脂肪燃焼を妨げる飲酒習慣を抱えている現状は、決して他人事ではありません。大きなダイエット目標を立てる前に、まずはご自身の1日の歩数を見直す、食事の際にしっかり咀嚼するなど、身近な習慣の改善から一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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