ぎっくり腰をすぐに治す方法ってないんですか?
欧米で「魔女の一撃」と呼ばれる急性腰痛症、いわゆる「ぎっくり腰」は、予測が付かないだけでなく、深刻な苦しみをもたらすもの。そんな突然の事態に、どう対処すればいいのだろう。「shinjukuの鍼灸整骨院」の柔道整復師、鈴木謙士先生に、応急処置や医療機関の選び方などを教わった。
監修柔道整復師:
鈴木 謙士(shinjukuの鍼灸整骨院 院長)
1987年2月生まれ 神奈川県出身、神奈川柔道整復専門学校卒業。専門学校在学時より、整骨院に勤務。高校時代、テニス部に所属し、チームメイトの怪我に対して何か出来ないかとテーピングに興味を持ち、この道を目指す。
まずは、痛みを抑えることに集中
編集部
「ぎっくり腰」になったとき、早く回復する方法を教えてください
鈴木先生
もっとも痛くない姿勢を探して、とにかく腰を冷やしましょう。急性、つまり突然のケガには、冷やすことが効果的です。シップなら「冷シップ」タイプがいいですね。または保冷剤などをタオルでくるんだものでも構いません。動けるようになりましたら、整骨院や医療機関の受診をお勧めします。
編集部
医療機関の何科を選べばいいのでしょう?
鈴木先生
整形外科のほか、最近では痛みに特化したペインクリニックを掲げている医院もあります。こうした医療機関では、症状により「トリガーポイント注射」や「ブロック注射」などの痛み止め処置をしてくれるはずです。また、鎮痛剤の処方などが受けられます。
編集部
直接、整骨院へ行かないほうがいいのですか?
鈴木先生
もちろん、最初に整骨院へ来ていただいても問題ありません。医療機関の受診をおすすめしている理由は、より多方面からの視点で患者様の身体を把握し早期回復に努める為です。ただし、残念なことに医療連携に否定的な医院もありますのでご注意ください。また、交通事故によるぎっくり腰の場合は、かならず医院を受診するようにしましょう。
医院は「診たて」、整骨院は「手当て」
編集部
整骨院へ行くメリットは何でしょう?
鈴木先生
「診たて」「手あて」という言葉があります。医科ではその患者様の原因を「診たて」る事が主となります。一方、整骨院では診たてに加え症状の緩和や改善を図ることを具体的に「手あて」をさせていただきます。その症状を改善することはもちろん、再度ぎっくり腰が起きない体作りといったプラスアルファの施術もいたします。
編集部
病院でおこなうのは治療ですよね?
鈴木先生
はい。医療は根拠に基づいた治療をおこないます。医学という学問体系の中から、明らかにされている原因と治療法を探し出すわけです。一方、整骨院での業務は「施術」と言います。解釈は様々ありますが、「病気やケガでなければおこなわれない=治療」「症状や怪我がなくてもその人の望む事を身体に施す処置をする事=施術」とご理解いただくと良いと思います。すなわち、整骨院ではその「その後」までサポートする事を「手あて」させていただきます。
編集部
整骨院のほうが、積極的な関与をしてくれると
鈴木先生
柔道整復学には経験則の積み重ねが含まれますので、その応用範囲も広いのです。満足のいく結果がでているのなら、そのやり方を取り入れていこうじゃないかと。そういう考え方をします。
ずっと寄りそう「手当て」の効能
編集部
例えば「3日後に試合がある」といった場合、整骨院では、どのような施術をしてもらえるのでしょう?
鈴木先生
その患者様が3日後に何を望むのかを医療従事者として向き合いその内容を決定いたします。機能回復や鎮痛処置、またはメンテンスやコンディショニングなどなど。実際、スポーツ選手やアスリートからそういったご依頼を受けることもあるんですよ。
編集部
短期集中型で施術を受けるわけですね?
鈴木先生
このケースはそうなりますが、短期とはいえ、半日あるいは1日などの間隔を空けて経過観察をしていくのが一般的です。そして、「痛みがどう変わってきたか」「何をどこまで我慢できるようになったか」などを随時確認しつつ、手技に反映していきます。もちろん、初回に聞ききれなかった内容も出てくるでしょう。ですから、1回で終わらせようとしないほうがいいと思います。
編集部まとめ
鈴木先生は「診たて」と「手当て」という言葉を使っていらっしゃいましたが、「Cure(キュア)」と「Care(ケア)」にも置き換えられるのかなと思いました。整骨院はキュアとケアの両方を親身になって考えてくれるんですね。上手に、使い分けたり組み合わせたりしてみてください。
医院情報
所在地 | 〒160-0023 東京都新宿区西新宿8-14-17アルテール新宿101 |
アクセス | 「西新宿駅」徒歩3分 |
定休日 | 日曜日 |