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【NEWS】「ロボット手術」システムが日本で承認 医療ドラマの世界が現実に(医師コメント3件)

 更新日:2023/03/27

アメリカの医療機器メーカー「トランスエンテリックス(TransEnterix, Inc.)」社(本社・ノースカロライナ州)は、同社の「Senhance™ 手術システム」が日本の規制当局の承認を得たと、発表した。

「Senhance™手術システム」とは、皮膚に開けた小さな穴からカメラやアーム類を挿入しておこなう、腹腔鏡(ふくくうきょう)手術の一種。腹腔鏡手術の特徴は、肉眼ではなくモニターを見て施術することや、医師の操作するロボットがオペすること。テレビドラマ『ブラックペアン』にも登場して話題を集めた。同システムは、ロボット手術の精度に加え、カメラコントロールや触覚のフィードバックにおいても、改善がなされているという。患部の大きな切開をともなわず、小さな穴で済ませられるということは、患者への負担が少ないということでもある。

国際医療施設認定合同機構(JCI)の認証施設である埼玉医科大学国際医療センターは、全国に先立って同システムを導入していた医療機関だ。同院の下部消化管外科診療部長を努める山口茂樹教授は、「精度を高めて視覚的な制御を実現する優れた低侵襲手術を提供できると考えています」と話す。今後、腹腔鏡手術の可能性がより広まると期待される。

医師のコメント

  • 眞鍋 憲正(整形外科・スポーツ医学医)

日本においてこれまですでにロボット手術(正確にはロボット支援下内視鏡手術)は導入されており、前立腺癌、腎癌をはじめとして昨年に新たに他の癌手術にも保険適用がされました。今回の記事はこれまでそうしたロボット手術はダヴィンチとよばれる機械が主流を占めていたのに対し、競合する機械が認められることにより低価格・高精度な機械の導入を実現する可能性が高まるため、今後更なるロボット手術の発展に期待がされます。

  • 田嶋 美裕(内科医)

ロボット支援手術は、様々な病院で取り入れられつつありますが、経済的な理由で導入できる施設が限られています。またせっかく導入しても、治療成績が向上しなければ意味がありません。導入した施設では、しっかり医師がトレーニングを行い、治療成績を上げていく必要があると思います。

  • 加藤 智子(産婦人科医)

各科、腹腔鏡手術や関節鏡手術など内視鏡手術や検査が普及し、我々医療側も、専門技術の取得に奮闘してまいりました。これから人生寿命も長く、手術を受けられる人も高齢化が進むため、侵襲が少なく、入院期間が短縮できるロボット医療は、手術のみならず、あらゆる医療現場に増えるものと思います。遠隔操作も進み、医療の偏りが改善されることも期待します。
進歩するに伴い、ますますの技術の進歩や我々医療者の勉強も日進月歩大変ではありますが、一人でも多くの方が安全に受けられる医療に努力していきたいと思います。