【NEWS】モンキー・パンチさん肺炎で死去 「ルパン三世」原作者(医師コメント4件) 更新日:2023/03/27 日本を代表する人気アニメ「ルパン三世」などで知られる漫画家のモンキー・パンチさんが4月11日に肺炎で死去していたことを同月17日に関係事務所が発表。 モンキー・パンチさんの死因となった誤嚥(ごえん)性肺炎は、食べ物や飲み物が食道ではなく、気管に入ってしまう「誤嚥」によって、肺炎になってしまう病気だ。がんと心疾患に続いて、肺炎は日本人の死因の3位だが、高齢者の肺炎の約7割は誤嚥性肺炎が占める。高齢者の増加に伴い、患者数も増加しているという。 医師のコメント 田嶋 美裕(内科医) 誤嚥性肺炎は、口に入れたものを噛んで飲み込む動作を行う嚥下(えんげ)機能の低下によって、経口摂取したものが食道ではなく気道のほうへ入ってしまい、肺炎を起こす病気です。加齢とともに嚥下機能が低下しますので、高齢者ではリスクが高い病気です。また抗生剤の投与により改善しても、経口摂取を続ける限りは再発を覚悟しないといけません。口腔ケアにより口腔内をきれいに保つことで、誤嚥性肺炎の予防ができると言われています。高齢化が進む日本では、しっかり対処が必要な疾患かと思います。 藤野 智哉(精神科医) 誤嚥性肺炎は、どの病院も頭を悩ませている疾患の一つかと思います。高齢者の入院中に、食べやすいように食事形態を工夫したりスタッフが食事の介助をしても発生するリスクは高く、自宅で家族が介助している場合は防ぎきれないことも多くあります。嚥下機能が落ちて自力で食事を摂取出来なくなったときに生物としての寿命と捉えるのか、それとも医療的介入を望むのか、意見の分かれるところかと思います。 武井 智昭(小児科医・内科医) なごみクリニック(http://www.nagomi-cl.jp/) 日本では、今後は高齢化が進行していくにあたり、心不全とこの誤嚥性肺炎の患者割合は増加傾向となっていくものと思われます。誤嚥性肺炎の予防としては、物が飲み込みにくい、寝ていて苦しいなどの初期症状の段階で、食事の形態の変化(刻み食にする、とろみを付けるなど)などの指導を積極的に展開していく必要があります。 前山 美千代(一般内科医・漢方医学科) みらい病院 内科医長 (http://eijukai.jp/) 素敵な作品を多く残されました。個人的には、13代目石川五ェ門にしびれました! さて、2、3年前から体調を崩されていたとのことで、老衰に近い肺炎ではないでしょうか。日々、老衰や肺炎の方と接していますが、その方その方に合った加療を選べ、本人も家族も納得がいく治療が受けられていると思います。予防するなら口腔ケアで、口のなかの清掃だけでなく、喫食(摂食)できる口腔機能を回復させて、誤嚥性肺炎を起こしてしまう可能性を半減させます。口腔ケアの方法としては、うがい、歯のケア、口腔粘膜のケア、保湿、義歯のケアを実施します。また、ワクチンで防げる方法としては、肺炎球菌ワクチンやインフルエンザワクチンの励行ですね。 この記事をシェアする