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先発薬の選択による「特別料金」、6月から患者の追加負担増へ―厚労省が発表

 公開日:2026/05/16
先発薬の選択による「特別料金」、6月から患者の追加負担増へ―厚労省が発表

厚生労働省は、後発医薬品(ジェネリック医薬品)がすでにある先発医薬品を希望した場合の自己負担の仕組みの改定について発表しました。2026年6月からは、一定の場合を除き、先発医薬品を選ぶ際の追加負担がこれまでより大きくなる予定です。詳細を五藤先生に伺いました。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

厚生労働省が発表した内容とは?

編集部

厚生労働省が発表した内容を教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

厚生労働省は、先発医薬品を希望した場合の自己負担の制度改定について発表しました。これは「長期収載品の選定療養」と呼ばれる制度です。長期収載品(後発医薬品が販売されている先発医薬品)を処方または調剤する際、医療上の必要がある場合などを除き、通常の自己負担に加えて特別料金が徴収されます。特別料金価格は、従来は先発医薬品と後発医薬品(ジェネリック医薬品)の価格差の4分の1相当でしたが、これが2026年6月から2分の1相当に引き上げられます。

「医療上の必要が認められる場合」とは、

・効能・効果に差異があり治療上必要な場合
・副作用や治療効果の差により安全性の観点から必要な場合
・学会のガイドラインで後発医薬品への切り替えが推奨されていない場合
・剤形の問題で服用が難しい場合

などです。

また、薬局に在庫がない場合、特別料金は徴収されません。なお、生活保護を受給している人は先発医薬品を希望した場合でも後発医薬品が調剤されるため、特別料金が発生することはありません。長期収載品より安価な後発医薬品の活用を国として推奨していく方針です。

ジェネリック医薬品とは?

編集部

後発医薬品(ジェネリック医薬品)について教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を同量含み、品質や効き目、安全性が同等と国に認められた医薬品です。国の厳しい基準や試験をクリアし、厚生労働大臣の承認を受けて製造・販売されています。添加剤が異なる場合はありますが、安全性が確認されたものだけが使用されており、効き目に大きな差はありません。また、飲みやすさを考えて大きさや味、香りが工夫されている製品もあります。新薬より価格が抑えられているため、医療費の負担軽減にもつながります。不安や疑問がある場合は、医師や薬剤師に相談しながら、自分に合った医薬品を選びましょう。

発表内容への受け止めは?

編集部

厚生労働省が発表した内容への受け止めを教えてください。

五藤 良将先生五藤先生

医療費の適正化と国民皆保険の持続性という観点では、今回の改定には一定の合理性があると考えています。一方で、慢性疾患で複数の薬を長期間服用している人や高齢の患者さんにとっては、家計への影響が大きくなることは避けられません。
ただ、ジェネリック医薬品は国の厳格な基準をクリアし、先発医薬品と有効成分・効き目・安全性が同等と認められた薬です。臨床現場でも、後発医薬品に切り替えて治療効果が落ちたと感じることはほとんどありません。 重要なのは、効能・効果に差がある、副作用の懸念がある、剤形上の問題で服用が難しいなど、医学的に先発医薬品が必要なケースは引き続き追加負担なく処方できるという点です。この制度変更を機に、ご自身の薬について「後発医薬品があるのか」「自分にとって先発医薬品である必要があるのか」を、かかりつけの医師や薬剤師に一度相談することをお勧めします。

編集部まとめ

ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、品質や安全性が確認された医薬品です。今回の制度変更によって、薬の選び方が家計にも影響する場面が増えるかもしれません。不安がある場合は自己判断せず、医師や薬剤師に相談することが大切です。

この記事の監修医師