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【薬剤師監修】市販薬と処方薬の使い分けについて教えて! 一緒に飲んでも大丈夫?

 更新日:2023/12/08
市販薬と処方箋の使い分けについて教えて! 一緒に飲んでも大丈夫?

ドラッグストアや薬局などで購入できる市販薬は、病院に行って処方箋をもらう時間がない人にとってメリットがあります。病院でもらう薬と同じ名前の薬が店で購入できることもありますが、処方箋でもらえる医薬品と市販薬は、一緒に飲んでも大丈夫なのでしょうか。また、処方薬と市販薬の使い分けも気になります。今回は、「りら薬局」に勤務している薬剤師の廣瀬さんに、お話を伺ってきました。

廣瀬安國

監修薬剤師
廣瀬 安國(りら薬局 薬剤師)

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広島国際大学薬学部薬学科卒業。大学卒業後、福岡の調剤薬局に就職。広島に帰郷後、管理薬剤師を経験した後、2018年から現在の「りら薬局」で薬剤師として従事。「わからないことを少しでもわかるように」をモットーに、少しでも安心して薬を使ってもらえるよう、薬剤師として啓蒙活動中。研修認定薬剤師。

継続した治療が必要な場合は病院へ

継続した治療が必要な場合は病院へ

編集部編集部

処方箋が必要な薬と市販薬は、どう違うのでしょうか?

廣瀬安國廣瀬さん

市販薬の大きな特徴として、診察の必要がなく薬局で購入できる点です。お客さんが自己判断で購入できるため、ほとんどの場合、市販薬は安全性を重視して製造されています。そのため、症状が軽い状態、病気の初期症状に使うことを目的としています。一方、処方箋の必要な医薬品の入手には医師の診断が必要であるため、市販薬より効果も強いことが多いのです。それに伴い、副作用を起こす可能性も上がるので、医師や薬剤師の説明を受けてから使用する必要があります。そのため、慢性的な疾患の継続的な治療や高い薬効を必要としている治療には、処方箋の必要な医薬品が向いているといえます。

編集部編集部

市販薬やビタミン剤はずっと飲んでもいいですか?

廣瀬安國廣瀬さん

市販薬は長期的な服用を想定されていません。基本的には、症状を一時的に改善する目的で開発されています。風邪薬やビタミン剤を使用しても症状が改善しない場合は、重大な疾患である可能性もあるので、病院を受診した方がいいでしょう。

編集部編集部

処方箋が必要な薬と同名の薬が出ているのはなぜですか?

廣瀬安國廣瀬さん

医療の現場で長年使用され、安全性について十分に確認された医薬品は、市販薬でも販売されることがあります。そのような医薬品は「スイッチOTC」と呼ばれ、成分も商品名も処方箋医薬品と同じものになっています。しかし、説明書でも長期間使用しないように記載されていることが多いため、注意を要します。

市販薬と処方箋が必要な医薬品は一緒に飲まない方がいい

市販薬と処方箋が必要な医薬品は一緒に飲まない方がいい

編集部編集部

処方箋が必要な医薬品と一緒に市販薬を飲んでもいいでしょうか?

廣瀬安國廣瀬さん

基本的に、処方箋が必要な医薬品と市販薬を、自己判断で一緒に服用しない方がいいでしょう。処方箋の必要な医薬品と市販薬とでは名称が異なっていても、同じ成分が配合されていることがあり、重複して服用すると副作用が強く出る可能性もあります。また、飲み合わせが悪いことも考えられます。

編集部編集部

市販薬を使わない方がいい場合とは、どういった時ですか?

廣瀬安國廣瀬さん

すでに処方箋の必要な医薬品を服用中の人は、飲み合わせによる問題が起こりかねません。そのほかに、アレルギー体質の人は、市販薬を購入しない方がいいでしょう。例えば、風邪薬の一部にはリゾチームという卵由来の成分を使用したものがあるので、卵アレルギーをもっている人が服用すると、重篤なアレルギーを引き起こす可能性があります。それ以外にも、アレルギーを引き起こす可能性のある薬が存在しているので注意が必要です。

編集部編集部

市販薬以外に気をつける必要があるサプリメントはありますか?

廣瀬安國廣瀬さん

サプリメントの中には、薬との飲み合わせがよくないものも存在しています。例を挙げると、睡眠や時差ぼけの緩和に効果が期待できる「メラトニン」というサプリメントは、うつ病に使われる医薬品の副作用を強めてしまいます。また、サプリメントだけでなく健康食品にも薬と飲み合わせに気をつけるべきものは多く存在しているので、医薬品を使用する場合には注意した方がいいでしょう。

市販薬を飲む場合は薬剤師に相談した方がいい

市販薬を飲む場合は薬剤師に相談した方がいい

編集部編集部

市販薬を購入する時、薬剤師と登録販売者どちらに相談した方がいいですか?

廣瀬安國廣瀬さん

特に持病もなく、服用している薬がない場合は、登録販売者に相談しても問題ないでしょう。しかし、登録販売者が取り扱えるのは一部の市販薬のみとなっているため、持病がある場合やすでに薬を飲んでいる場合は、薬剤師に相談してください。

編集部編集部

持病があってすでに薬を飲んでいる場合に、市販薬の安全な使用方法ってありますか?

廣瀬安國廣瀬さん

お薬手帳」を活用する方法があります。お薬手帳には現在服用している薬が記録されているので、薬剤師が市販薬との飲み合わせに問題がないか確認できます。また、過去に起きたアレルギーなどを記載しておくと、アレルギーを起こす可能性のある市販薬を避けることができます。

編集部編集部

市販薬を使って改善しない時、病院へ行った方がいい目安はありますか?

廣瀬安國廣瀬さん

風邪薬や痛み止めを使って1週間以上使っても効果がない場合や、市販薬を1箱使っても改善しない場合には病院へ受診してください。また、1か月以上使用しても効果を感じないビタミン剤は、使用しない方がいいでしょう。

編集部まとめ

処方箋が必要な薬と市販薬で、それぞれ役割が違うことが分かりました。普段何気なく使っている風邪薬でも、副作用が起きる可能性があるので注意が必要です。また、市販薬を使っても症状が改善しない場合は、病院へ受診するようにしましょう。

この記事の監修薬剤師