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手軽に食べれる「超加工食品」のコワすぎる“健康被害”とは がんリスク上昇も研究で確認

 公開日:2025/03/19

フランスのソルボンヌ大学の研究員らは、超加工食品の摂取とがんリスクの関連性について調査しました。研究の結果、食事に含まれる超加工食品の割合が増加すると、がん全体のリスクや乳がんのリスクが上昇することが示されました。この内容について本多医師に伺いました。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

研究グループが発表した超加工食品に関する研究内容とは?

ソルボンヌ大学の研究員らが発表した、超加工食品に関する研究内容を教えてください。

本多 洋介 医師本多先生

今回紹介するのはソルボンヌ大学の研究員らによる研究で、その成果はイギリスの医学雑誌「BMJ」に掲載されています。

フランスの「NutriNet-Santé」前向きコホート研究の結果によると、超加工食品の摂取とがんのリスクには関連があると示されました。この研究は、2009~2017年の間に18歳以上の約10万4980名が参加し、彼らの食事摂取量を詳細に記録しました。食品はNOVA分類を用いて加工度に応じて分類され、統計的分析がおこなわれました。食事中の超加工食品の割合が10%増加すると、全体的ながんのリスクが12%、乳がんのリスクが11%上昇するという結果が示されました。この結果は、脂質や炭水化物の摂取量などの食事の栄養成分を調整した後でも統計的に有意でした。特に、食品添加物や加工の過程で生じる物質が、がんの発症に影響を及ぼしている可能性があると考えられます。

この研究は、超加工食品の摂取ががんのリスクを高めることを示唆していますが、因果関係を断定するものではありません。超加工食品に含まれる食品添加物や新たに生成される汚染物質がどのようにリスクに寄与しているのか、今後の研究が求められます。また、この研究はフランスの成人を対象としたものであり、ほかの国や異なる食生活を持つ集団にも同様の結果が当てはまるかどうかは明らかではありません。したがって、これらの点を考慮しながら、食生活を見直すことが重要です。

超加工商品とは? どんな食べ物がよく摂取されている?

超加工商品とは、具体的にどのような食品ですか? また、どんな食べ物がよく摂取されていますか?

本多 洋介 医師本多先生

超加工食品とは、工業的に加工され、糖分、塩分、脂肪を多く含み、保存料や人工甘味料、乳化剤などの食品添加物を使用した食品のことを指します。具体的には、ポテトチップス菓子パンカップ麺クッキー冷凍ピザ清涼飲料水などが挙げられます。これらの超加工食品は手軽に摂取でき、強い味付けによる中毒性があるため、多くの人が日常的に摂取しがちです。

特に現代の食生活では、朝食のシリアル、昼食のインスタント食品、間食のスナック菓子や炭酸飲料などを習慣的に摂るケースが多く、結果としてカロリーや糖分、塩分の過剰摂取につながります。超加工食品の過剰摂取は、認知機能の低下、糖尿病、肥満、心血管疾患のリスクを高めることも指摘されています。健康のためには、できる限り未加工または最小限の加工食品を選び、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

超加工食品に関する研究内容への受け止めは?

ソルボンヌ大学の研究員らが発表した超加工食品に関する研究内容への受け止めを教えてください。

本多 洋介 医師本多先生

フランス人は、肉やバターなど動物性脂肪をたくさん食べる傾向にあるため、今回の結果がそのまま日本人にも当てはまるかどうかということには議論の余地があると思います。一方で糖分、塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品を多く食べると、高血圧や脂質異常症、糖尿病のリスクも高くなるため、結果的に生活習慣病である「がん」のリスクが高くなるということは容易に想像がつきます。今回の研究結果をフランス人を対象にしているからと自分たちと切り離して考えるのではなく、自分の身にも起きるものと考えて、超加工食品の摂取をある程度制限し、健康を目指す食生活の管理をおこないましょう。

編集部まとめ

超加工食品は、便利で手軽に食べられますが、過剰摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があります。私たちの食生活を見直し、新鮮な野菜や果物、未加工の食品を意識して取り入れることが、がん予防や健康維持につながります。日々の食事選びを工夫し、バランスの良い食生活を心がけましょう。

この記事の監修医師

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