コロナワクチン健康被害、死亡例を含む48件を新たに認定 厚労省「副反応は極めて稀」
厚生労働省の感染症・予防接種審査分科会は、新型コロナウイルスのワクチン接種した105件のうち、予防接種と疾病・障害などとの因果関係を審査し、死亡例を含む48件について認定しました。56件は否認、1件は保留としています。このニュースについて五藤医師に伺いました。
監修医師:
五藤 良将(医師)
感染症・予防接種審査分科会とは?
ワクチン接種による健康被害を審査する感染症・予防接種審査分科会の新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第三部会とは、どのような組織なのでしょうか?
新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第三部会は、日本の厚生労働省が設置した専門部会の1つで、新型コロナウイルスワクチン接種に関連する健康被害の申請や認定を審査する組織です。この部会は、ワクチン接種後に健康被害が発生した際、その被害がワクチン接種によるものかを審査し、必要に応じて救済措置を提供する役割を担っています。
認定の要件とは?
健康被害が「新型コロナウイルスのワクチンによるもの」と認定される要件について教えてください。
ワクチン接種による健康被害かどうかを判断する際には、単に接種の事実だけでなく、接種前後の健康状態や状況を総合的に考慮します。そして、一般の人が疑問を抱かない程度に予防接種が原因による確実性が高いと認められる場合に、因果関係があると判断されます。また、認定にあたって、厚生科学審議会(予防接種・ワクチン分科会)では「厳密な医学的因果関係までは必要とせず、接種後の症状が予防接種によって起こることを否定できない場合も対象とする」としています。
これまでの審議と認定件数による受け止めは?
今まで起こった新型コロナウイルスのワクチン接種による健康被害の件数や受け止めについて教えてください。
新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査第三部会の審議結果の資料によると、これまでの新型コロナウイルスのワクチン接種に関連する健康被害の申請や認定は、受理件数が12532件、認定件数が8598件、否認件数が2796件、保留件数が14件となっています。否認理由としては、「予防接種と疾病などとの因果関係について否定する論拠がある」「疾病の程度は、通常起こり得る副反応の範囲内である」「政令に定められる障害の状態に相当しない」「因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である」が挙げられています。
新型コロナウイルスのワクチン接種に関連する健康被害の審査は、医療の進歩と公衆衛生の向上にとって重要な取り組みです。特に今回の48件の認定は、副反応の理解を深め、将来的な予防接種プログラムの安全性向上に資するものと考えます。医療提供者としては、接種後の異常に敏感であることが求められ、正確な情報提供と迅速な対応が不可欠です。
編集部まとめ
感染症・予防接種審査分科会は、ワクチン接種と健康被害の因果関係を審査し、必要な救済を提供する重要な役割を担っています。今回の審議では、105件中48件が認定されました。ただし、厚生労働省は「予防接種の副反応による健康被害は極めて稀」としています。一人ひとりが、新型コロナウイルスワクチンの副反応や注意点を正しく理解し、接種を検討しましょう。不安な場合は医師への相談することも大切です。