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「帯状疱疹ワクチン」定期接種へ 厚労省が最終調整 帯状疱疹の初期症状やワクチンの有効性とは

 公開日:2024/12/13

症状が酷い場合は、日常生活にも支障をきたす帯状疱疹(たいじょうほうしん)。予防するためのワクチンの有効性や定期接種による効果については気になるところです。これまで検討されてきた帯状疱疹ワクチンの定期接種について、厚生労働省は「最終調整に入った」と報じています。また、2025年4月から65歳を対象としていますが、65歳以上の人も接種できるように「5年間の経過措置を設ける」とも発表しています。このニュースについて眞鍋医師に伺いました。

眞鍋 憲正

監修医師
眞鍋 憲正(医師)

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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

帯状疱疹とは?

まず、帯状疱疹の原因や症状について教えてください。

眞鍋 憲正 医師眞鍋先生

帯状疱疹は、幼い頃に「水ぼうそう」として発症します。ウイルスは生涯にわたり潜伏感染している状態ですが、免疫力によって活動が抑えられています。しかし、加齢やストレスなどが原因で免疫力が低下すると、ウイルスが再活性化して帯状疱疹の症状が表れます。

皮膚の疼痛と皮膚病変が主な症状ですが、周囲にうつることはありません。多くは上半身に症状が出現し、顔(特に目の周り)や首にもみられることがあります。病変の位置によっては「外出に抵抗を感じる」「激しい痛みで動くのがつらい」といった、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。合併症としては、皮膚病変が治癒した後に疼痛が残存し数カ月~数年持続する「帯状疱疹後神経痛」が挙げられます。

帯状疱疹ワクチンの有効性

帯状疱疹を予防するためのワクチンの有効性について教えてください。

眞鍋 憲正 医師眞鍋先生

厚生労働省の予防接種基本計画(2014年)の開発優先度の高い6つのワクチンの中に、帯状疱疹ワクチンが含まれています。2024年6月、ファクトシートに対する議論の結果、ワクチンの有効性・安全性が確認され、費用対効果も良好として定期接種化の議論をおこなうことになりました。ワクチンには生ワクチンと組換えワクチンがあり、組み換えワクチンについては「接種後10年以上、有効性が持続する」という臨床試験データがあります。

65歳の接種による効果とは?

2025年度からの帯状疱疹ワクチンの定期予防接種は65歳を対象年齢としています。定期接種により、帯状疱疹の予防効果は期待できますか?

眞鍋 憲正 医師眞鍋先生

加齢とともに帯状疱疹を発症するリスクは上昇しますが、中でも65歳以上は大きくリスクが上がる年齢層です。帯状疱疹ワクチンは単に発症リスクを抑えるだけでなく、重症化や後遺症である帯状疱疹後疼痛の発症を抑える効果も期待されています。帯状疱疹の治療は、治療費が高額になることがあるため、発症を未然に防いだり、重症化を防いだりすることで、個人や社会の経済的コストも押し下げることが期待されます。

編集部まとめ

帯状疱疹の組換えワクチンは10年以上の有効性を確認できたとのことです。また、予防接種は自治体によって助成金が受けられることもありますが、基本的は全額自己負担です。厚生労働省によって公費助成の定期接種対象に加われば、これまで躊躇っていた人への後押しになり、発症予防の効果が期待できます。

この記事の監修医師