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インフルエンザ流行「今までに例を見ない状況」ワクチンの積極的接種を推奨 日本感染症学会

 公開日:2023/10/12
日本感染症学会 インフルエンザワクチンの積極的接種を推奨

インフルエンザの感染流行が例年よりも早い時期に広がっていることを受けて、日本感染症学会はインフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨する文書を公開しました。この内容について中路医師に伺いました。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

日本感染症学会が公開した文書とは?

日本感染症学会が公開した文書の内容について教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

日本感染症学会がHP上で公開した文書では、インフルエンザの感染状況について前シーズンの定点報告が1を下回らないうちに今シーズンの患者数が増加していることを受けて、「今までに例を見ない状況」と警鐘を鳴らしています。また、国内では2020年以降、大規模な流行がなかったことで、インフルエンザウイルスに対する抗体価の低下が小児や高齢者を中心に示唆されることや、インフルエンザの発生自体が小規模ながら春・夏も持続し、現在は増加傾向にあることを指摘しています。加えて、現時点でインフルエンザ患者全体の約半数が15歳未満の小児であると推定されることや、各地で学校での学級閉鎖が数多く報告されていることにも言及しています。

日本感染症学会は、インフルエンザが流行しやすい時期以外でも流行する可能性があり、規模が大きくなる可能性があることや新型コロナウイルスとの同時流行がこれまで以上に懸念されることを背景に、「インフルエンザワクチンの接種を今シーズンも推奨」との考えを明確に示しました。特に子どもや高齢者、基礎疾患などリスクがある人へのインフルエンザワクチン接種を推奨しています。

文書ではインフルエンザワクチンの接種以外にも、肺炎球菌ワクチンや新型コロナウイルスワクチンの積極的な接種も強く推奨する考えが示されています。

文書への受け止めは?

日本感染症学会が公開した文書の内容への受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行の状態が続くようになると、「同時感染」を起こす可能性が高まります。同時感染では特定の症状が重くなり、症状が長引く可能性も指摘されており、これらを予防する上でも早期のインフルエンザワクチンの接種は重要であると考えられます。

ワクチン以外に重要なインフルエンザ予防は?

日本感染症学会が公開した文書でインフルエンザワクチンの接種を推奨する内容が書かれていましたが、ワクチン接種以外にインフルエンザ予防で重要なことを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

まず日常生活で出来る対策としては、これまでの手洗い・マスク着用などの基本的な感染対策が挙げられます。また、体の免疫力を保つため、十分な睡眠と規則的な食生活が重要です。加えて、これから冬季シーズンに入るため、空気の乾燥予防のため加湿器などを使用して適切な湿度を保つことも重要です。

まとめ

インフルエンザの感染が例年より早い時期に広がっていることを受けて、日本感染症学会は、インフルエンザワクチンの積極的な接種を推奨する文書を公開しました。インフルエンザウイルスに対する抗体価の低下も指摘されており、ウイルスから身を守ることに注意を払う必要がありそうです。

この記事の監修医師