「健康日本21」の数値目標を新たに設定 減塩・睡眠時間増・喫煙率減など目指す
厚生労働省が2024年度から始める「健康日本21」で、十分な睡眠時間を確保できている人の割合を2032年度に60%にしたり、食塩の量を1日あたり7g未満に減らしたりする数値目標を固めたと読売新聞が報じています。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
「健康日本21」での数値目標とは?
2024年度から始める「健康日本21」で定める数値目標について教えてください。
中路先生
「健康日本21」は、健康寿命を延ばすことを目的とし、生活習慣病の予防や食事、運動などの目標を設定しています。今回取り上げるニュースは、読売新聞が2024年度から始まる「健康日本21」の数値目標について報じた内容です。報道によると2032年度に達成したい数値目標を挙げていて、1日あたりの野菜摂取量を現状の281gから350gに、1日あたりの果物摂取量は現状の99gから200gに増量、食塩摂取量は現状の10.1gから7gに減量を目指しています。また、20歳以上の喫煙率を現状の16.7%から12%に減らし、6~9時間(高齢者は6~8時間)の睡眠時間を取る人の割合を現状の54.5%から60%に増やすことを目指しています。さらに、足腰に痛みのある高齢者の割合は、人口1000人あたり232人である現状に対して、210人まで減らすとしています。加えて、地域の人とのつながりが強いと思う人の割合を、現状の40.1%から45%まで引き上げることを目標に掲げています。
数値目標への受け止めは?
ニュースで報じられている2024年度から始める「健康日本21」で定める数値目標について教えてください。
中路先生
これらの数値目標は、日本における健康状態の改善を目的に定められた数値です。目標を定めることで国民の健康意識を高めて、健康に悪影響を及ぼす生活習慣を是正する機会を設け、より健康的な生活を目指します。また、数値目標を定めることで、より具体的な行動がとりやすく、その進行状況が国や国民が把握しやすくなるでしょう。
健康に生活する上で大事なことは?
今回のニュースで健康のための数値目標を紹介しましたが、こうした数値目標以外に私たちが健康に生活することで大事なことを教えてください。
中路先生
個人の健康状態はばらつきがあるため、数値目標には限界があります。数値目標を意識しつつも、普段の生活習慣の改善(食事・運動・睡眠)や趣味を持つなどのストレスマネジメントなどへの取り組みが重要です。また、定期的な健診を受けることも大切でしょう。
まとめ
厚生労働省が2024年度から始める「健康日本21」で、十分な睡眠時間を確保できている人の割合を2032年度に60%にしたり、食塩の量を1日あたり7g未満に減らしたりする数値目標を固めたと、読売新聞が報じました。次期計画は専門家部会の了承を経て、6月に決定される見通しとのことです。