オミクロン株対応ワクチン副反応 54.9%が3回目接種より「軽かった」と回答
岡山大学の研究グループは、新型コロナウイルスのオミクロン株に対応したワクチンを接種した後の副反応について調べたところ、54.9%が3回目接種と比べて副反応の程度が「軽かった」という回答をしたと発表しました。こちらのニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
岡山大学が発表した内容とは?
今回、岡山大学が発表したオミクロン対応ワクチンの副反応についての調査結果を教えてください。
中路先生
今回紹介する岡山大学の調査は、ワクチン接種後の副反応の頻度を評価して一般の方へ正確な情報提供をすることを目的におこなわれました。2022年11月8日~2023年1月8日の間に実施された調査回答分についてで、岡山大学に所属する教職員と学生955人が回答した内容をもとに発表されました。その結果、オミクロン株対応ワクチン接種後の副反応は3回目接種後の副反応調査と比較して、局所反応・全身反応ともに、副反応出現割合は減少していたとのことです。また、37.5度以上の発熱の割合をみてみると、3回目接種後では67.5%でしたが、オミクロン株対応ワクチン接種後では44.9%となっていました。発熱が続いた日数については、オミクロン株対応ワクチン接種後も3回目接種後と同じく、接種翌日まで続いた割合が最も高くなりました。さらに、年齢別で比較すると、30代以降では20代までと比較して発熱割合が低いという結果になりました。
オミクロン株対応ワクチン接種後の副反応の強さをワクチン接種した人の主観で回答してもらった結果、3回目接種後と比較して54.9%の人が「軽かった」という回答して、20.2%が「重かった」という回答をしました。
今回の発表内容の受け止めは?
岡山大学が発表したオミクロン株対応ワクチンの副反応についての調査結果への受け止めを教えてください。
中路先生
今回の発表では、オミクロン株対応の2価ワクチンのみの検討でしたが、ワクチン接種の回数が減るつれて、副反応も減っているという新しい知見は今後も注目されます。
オミクロン株対応ワクチンの接種率向上への影響は?
オミクロン株対応ワクチンの接種率は1月26日現在で40.8%にとどまっていますが、今回の岡山大学の調査結果が接種率に与える影響について教えてください。
中路先生
調査対象が男女ほぼ同数で、若い人が多く含まれていたため、今回の結果が今後の若い人のワクチン接種の判断にも有用であると考えられます。
まとめ
岡山大学の研究グループが、新型コロナウイルスのオミクロン株対応ワクチンを接種した後の副反応にについて、54.9%が3回目接種と比べて副反応の程度が「軽かった」という回答をしたことが今回のニュースでわかりました。オミクロン株対応ワクチンの接種率は1月26日現在で40.8%にとどまっている中、こうした調査結果は接種を悩む人にとっては1つの参考になりそうです。