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岸田首相「脱マスク」に向けて基準見直しに着手「屋内でも一定の条件下で着用免除を検討」

 更新日:2023/03/27
日本も「脱マスク」に向け基準見直しに着手へ

日本政府は、新型コロナウイルス対策のマスク着用をめぐって基準の見直しに着手する考えを示し、「屋内でも一定の条件下では着用を免除することを検討する」とのことです。このニュースについて中路医師に伺いました。

中路 幸之助 医師

監修医師
中路 幸之助(医師)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

新型コロナウイルス対策のマスク着用の見直しについて

政府が発表した新型コロナウイルス対策におけるマスク着用の見直しについて教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

今回取り上げるのは、新型コロナウイルス対策のマスク着用の基準の見直しに関するニュースです。現在は屋外のマスク着用は一部不要としていますが、これに加えて「屋内でのマスク着用についても一定の条件下で免除するかどうかについて検討する」としています。こうした基準の見直しについて、10月6日の参議院代表質問の答弁で岸田首相は、「科学的な知見に基づき世界と歩調を合わせた取り組みを進める」と表明しています。また、木原官房副長官も10月7日の記者会見で「屋外、屋内問わず整理する」と発言しています。厚生労働省が5月に決定した基準では、「屋外で他者と2m以上の距離が保てる場合」や「距離を保てなくても会話をほとんどしない場合」、マスク着用は不要としています。また、「屋内でも会話をおこなわず、かつ周りと2m以上離れている場合」もマスク着用は不要です。

海外では欧米を中心に脱マスクが進みつつあり、アメリカでは既に全50州で屋内のマスク着用義務を撤廃し、ニューヨーク州は9月に地下鉄など公共交通機関でもマスク不要としました。イギリスでも1月から公共施設でマスク着用の必要がなくなっています。一方、基準の見直しについては、しっかりとした広報・周知が大事になります。厚生労働省の専門家組織で座長を務める国立感染症研究所の脇田所長は10月5日の記者会見で、「どういう場面で着脱するのか、分かりやすく示すことが重要」と指摘しています。

基準見直しの受け止めは?

今回、政府がマスク着用の基準見直しの検討を始めることについて受け止めを教えてください。

中路 幸之助 医師中路先生

欧米ではすでに「脱マスク」が進んでいる一方、日本では「脱マスク」による感染拡大を心配する人も多く、「脱マスク」は現時点で進んでいません。これは日本が欧米に遅れているのではなく、国民性によるところが大きいと考えます。「個人主義」的な欧米と異なり、日本において「脱マスク」を進めるには、どういう場面でマスクの着脱をするのか、行政による丁寧な説明やメディアを介しての広報が欠かせないと考えます。今後、日本流の「脱マスク」の定着が望まれます。

マスク着用が不要な場面は?

現時点の日本において、どのような場面でマスクの着用は不要なのでしょうか?

中路 幸之助 医師中路先生

現時点でも、屋外で他者との距離を2m以上確保できる場合にはマスク着用は不要です。例えば、公園での散歩やランニング、サイクリングをしている場合です。また、屋外で他者との距離が取れなくても、会話をほとんどおこなわないのであればマスクはいりません。例としては、徒歩や自転車による通勤、外で人とすれ違うときなどがあります。とくに真夏の屋外でのマスク着用は熱中症のリスクがあるので、マスクを外すことが推奨されていました。さらに、屋内でも他者との距離が保てて会話しない場面であれば、マスクは必須ではありません。例として、図書館での読書や芸術鑑賞などがあります。今後のマスク着用のルール改定によっては、マスク不要の場面がさらに増える可能性が高いでしょう。

まとめ

日本政府は新型コロナウイルス対策のマスク着用をめぐって、基準の見直しに着手する考えを示したことが今回のニュースでわかりました。今後、どのような基準で「脱マスク」が進むのか、引き続き注目が集まりそうです。

この記事の監修医師