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パーキンソン病、喫煙・喫茶習慣で発症リスク低下

 更新日:2023/03/27
喫煙・喫茶習慣でパーキンソン病発症リスク低下

中国の北京大学の研究グループは、喫煙および喫茶習慣がある人はパーキンソン病のリスクが低い結果が出たとする研究結果を発表しました。このニュースについて武井先生にお話を伺います。

武井 智昭 医師

監修医師
武井 智昭(医師)

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平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

研究グループが報告した内容とは?

中国の北京大学の研究グループが報告した内容について教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

今回取り上げている研究は、2022年5月2日のJournal of Parkinson’s Diseaseで北京大学の研究チームが報告したものです。喫煙と喫茶の習慣がパーキンソン病発症のリスクにどのような関係があるか51万2723例を対象に調べました。喫茶習慣については習慣なしグループ、1日1回未満グループ、毎日飲むグループに分類しました。また、喫煙習慣については、習慣なしグループ、たまに吸うグループ、過去喫煙していたグループ、現在喫煙しているグループに分類しました。中央値で10.8年追跡したところ、922例がパーキンソン病を発症しました。

喫茶習慣なしグループに対するパーキンソン発症のリスク比較として、1日1回未満グループでは0.92でしたが、毎日飲むグループでは0.68となり有意に低下しました。茶葉の量や喫茶期間は発症リスクの低下に関連しませんでしたが、緑茶以外のお茶の方がよりリスクが低くなりました。喫煙状況については、習慣なしグループに対し、たまに吸うグループと過去喫煙グループを比べるとリスクは0.96とわずかな低下でしたが、現在喫煙しているグループ群は0.66までリスクが低下していました。また、喫煙本数が多いほど、喫煙期間が長いほど、禁煙期間が短いほどリスクは低くなりました。

パーキンソン病とは?

今回の研究対象になったパーキンソン病とはどのような病気なのでしょうか?

武井 智昭 医師武井先生

パーキンソン病は大脳の下にある中脳の黒質ドパミン神経細胞が減少して起こります。ふるえや筋強剛、動作緩慢、姿勢保持障害などの主な運動症状のほか、便秘や頻尿、発汗、嗅覚の低下、 立ちくらみなどの症状も起こることがあります。パーキンソン病は1000人に1~1.5人の割合で発症するとされており、とくに60歳以上では100人に約1人と割合が高く、高齢化に伴い患者数は増加しています。また、40歳以下で発症する場合は若年性パーキンソン病と呼ばれます。パーキンソン病の治療の基本は、薬物療法となります。ほかにも手術療法では、脳内に電極を入れて視床下核を刺激する方法が最もよくおこなわれています。

研究内容への受け止めは?

今回の研究結果が、今後どのように活用される可能性があるのか教えてください。

武井 智昭 医師武井先生

今回、生活習慣によってパーキンソン病の発症率が変化しているという意外な結果が発表されました。様々な生活習慣病やがんのリスクである喫煙が、こうした難病に対してプラスの作用があることは注目に値します。ただし、喫煙の量や期間などに関しては、今後の詳細なデータの蓄積が必要と考えます。

まとめ

中国の北京大学の研究グループは、喫煙および喫茶習慣がある人はパーキンソン病のリスクが低い結果が出たとする研究結果を発表しました。パーキンソン病は人口の高齢化に伴い患者数が増加していく傾向にある病気なだけに、高齢化が進む日本では注目を集める研究だと言えそうです。

この記事の監修医師