新型コロナワクチン、4回目接種の準備開始へ
厚生労働省の分科会は、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種の準備を開始する方針を決めました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
厚生労働省の分科会が決定した方針とは?
厚生労働省の分科会が決定した方針について教えてください。
工藤先生
3月24日に開かれた厚生労働省の分科会で新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について議論がおこなわれました。分科会では、オミクロン株がこのまま感染が収束しないで再び拡大する可能性について示され、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種をすべての希望者におこなうことを想定して、近く全国の自治体に準備開始を求める考えが示されました。
使用するのはファイザー製とモデルナ製のワクチンになるとのことで、接種間隔は6カ月を基本としつつ、海外の動向を踏まえて検討することになるということです。一方で、分科会では「4回目が本当にすべての人に必要なのか議論すべき」「対象者を重症化リスクの高い高齢者やエッセンシャルワーカーに絞るべき」「海外で推奨していない国もあり、データも少ないので有効性や安全性を十分に議論すべき」、「準備をしつつやめるという選択肢も持った方がいい」といった慎重な意見も出ています。
4回目接種用のワクチンの準備状況とは?
4回目接種のためのワクチン準備状況について教えてください。
工藤先生
政府は、4回目接種には、2022年中に輸入するファイザー製7130万回分と2022年上半期に輸入するモデルナ製2350万回分を利用する方針です。また、分科会の方針決定を受けて、厚生労働省は、全国の自治体に対して新型コロナウイルスワクチンの4回目接種についての接種券の発送や会場の準備を2カ月以内に進めるように通知を出しています。早ければ5月にも接種を始められる体制整備が求められています。
4回目接種の際に留意すべきことは?
4回目接種の際に留意すべきことについて教えてください。
工藤先生
4回目で新しい副反応が現れるということはほとんど考えられませんが、その副反応の程度が強くなる可能性は十分に考えられます。また、今後さらなる変異株の出現や5回目以降の接種の可能性もあるので、これまで以上に各自の判断に委ねられることも多くなるのではないでしょうか。
まとめ
厚生労働省の分科会は、新型コロナウイルスワクチンの4回目接種の準備を開始する方針を決めたことが今回のニュースでわかりました。厚生労働省は今後、有効性や安全性に関する最新のデータなどを踏まえたうえで、4回目を実際におこなうかどうか引き続き議論するとしており、引き続き注目が集まります。