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保育園時にマスク着用推奨、新型コロナウイルス感染症対策分科会が提言

 更新日:2023/03/27

新型コロナウイルス感染症対策分科会がオミクロン株の感染が子どもの間で拡大している現状を踏まえて保育園児に可能な範囲でマスク着用を推奨するよう提言しました。このニュースについて上医師に伺いました。

上昌広 医師

監修医師
上 昌広(医師)

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東京大学医学部卒業。東京大学大学院修了。その後、虎の門病院や国立がん研究センターにて臨床・研究に従事。2010年より東京大学医科学研究所特任教授、2016年より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長を務める。著書は「復興は現場から動き出す(東洋経済新報社)」「日本の医療格差は9倍 医療不足の真実(光文社新書)」「病院は東京から破綻する(朝日新聞出版)」「ヤバい医学部(日本評論社)」「日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか(毎日新聞出版)」。

新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言とは?

新型コロナウイルス感染症対策分科会がおこなった提言の内容について教えてください。

上昌広 医師上先生

今回の提言は新型コロナウイルス感染症対策分科会が2月4日にまとめたものになります。提言では現在の第6波について「年末年始の会食でのクラスターを起点として始まり、感染の場は学校や保育所、高齢者施設、事業所に広がっている」と分析していて、重症者の増加による医療のひっ迫に懸念が示されました。

また、保育所でのマスク着用については、可能な範囲でマスク着用を推奨するとされました。保育園での子どものマスク着用をめぐっては、分科会に提示された事務局原案では、マスク着用を推奨する対象を「2歳以上の児童」と明示していましたが、「発育状況が異なる子どもをひとくくりにできない」という慎重論が出たため、「無理なく可能と判断される児童」という文言に改められました。

学校関連では、他校との練習試合や合宿などを一時的に制限するよう提案され、学校全体の臨時休業をおこなう前にオンライン学習や分散登校、時差登校を組み合わせて実施するよう求めました。陽性者が発生していない学校の臨時休業については、否定的な立場を示しています。

高齢者施設については、レクリエーション時のマスク着用や、換気のため送迎時に車の窓を開けることなどを要請。事業所ではテレワークの活用などによる出社人数の削減や、大人数や大声の場面が想定される懇親会などの開催は自粛・延期を求めています。

保育園への新型コロナウイルスの影響は?

今回、マスク着用の提言で触れられた保育園への新型コロナウイルスの影響について教えてください。

上昌広 医師上先生

新型コロナウイルスに子どもや職員が感染し全面休園となった保育所やこども園の数を厚生労働省がまとめているのですが、今年に入ってから増加傾向にあります。最新の結果では2月3日時点で、43の都道府県で777カ所に上っており、前の週の37の都道府県で644カ所という数字から、わずか1週間で100カ所以上増えている状態です。

今回の提言の受け止めは?

新型コロナウイルス感染症対策分科会がおこなった提言の受け止めを教えてください。

上昌広 医師上先生

オミクロン株では小児の感染が大きな問題となり、世界ではマスク着用に加えて、ワクチン接種や検査の拡充などを併せた対策がとられています。ただ、2歳の小児にきちんとマスクをつけることは難しく、現実的ではありません。この結果、多くの国民の反発を招きました。

まとめ

新型コロナウイルス感染症対策分科会がオミクロン株の感染が子どもの間で拡大している現状を踏まえて保育園児に可能な範囲でマスク着用を推奨するよう提言したことが今回のニュースで明らかになりました。今後も分科会の提言には注目が集まりそうです。

この記事の監修医師