【新型コロナウイルス】厚生労働省が小児ワクチンの無料接種を了承
厚生労働省の分科会は、5~11歳を対象としたファイザー製の新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、公費で無料になる臨時接種に位置付けることを了承しました。このニュースについて武井医師に伺いました。
監修医師:
武井 智昭(医師)
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
厚生労働省の分科会が示した内容とは?
まず、1月26日に開かれた厚生労働省の分科会の内容について教えてください。
武井先生
厚生労働省は、ファイザーからの申請を受けて1月21日に、5〜11歳の子どもをワクチンの接種対象に加えることを承認しています。分科会では、5〜11歳の子どもへの接種について、公費で無料になる臨時接種に位置付けることを了承しました。
また、新型コロナウイルスワクチンの接種は、法律で妊婦を除く全ての対象者の努力義務とされていますが、5〜11歳の保護者に対して接種の努力義務を課すかについては結論が出ずに、2月に再度検討されることになりました。
努力義務とは?
分科会で議論に上がった努力義務とは、どういったものでしょうか?
武井先生
努力義務とは、接種を受けるよう努めなければならないとする予防接種法の規定になります。
かつての予防接種法では義務とされており、接種しない場合は罰則もありました。しかし、個人の意思を尊重することが重要視されたために1994年には義務から努力義務に改められたという経緯があります。新型コロナウイルスワクチンは、まん延防止の観点から努力義務と位置づけられていて、16歳未満の場合は保護者が接種するかどうか判断することになっています。接種を受けなかったとしても罰則はありません。
5〜11歳へのワクチン接種で留意すべきことは?
5〜11歳の子どもに対して、ワクチン接種する際に気をつけるべきことはありますか?
武井先生
接種後には、発熱や痛みなどの副反応が数日間生じる可能性がありますので、対応できるように常備薬を準備するかかりつけ医にあらかじめ相談しておくなどしましょう。
ワクチン接種後の副反応は若年層で頻度が高く、接種部位の疼痛(とうつう)や全身反応としての発熱、倦怠感、頭痛、心筋炎・心膜炎(動悸・胸痛)にも注意が必要となります。
まとめ
5〜11歳を対象としたファイザー製の新型コロナウイルスワクチン接種をめぐり、公費で無料になる臨時接種に位置付けられることになったことが今回のニュースで明らかになりました。今後保護者の努力義務についての議論の行方も注目が集まります。