ファイザー製ワクチン3回目接種で抗体価約50倍と中間報告
厚生労働省の専門部会は、ファイザー製ワクチンの3回目を接種した医療従事者らの抗体価が約50倍になったという調査の中間結果を報告しました。このニュースについて中路医師に伺いました。
監修医師:
中路 幸之助(医師)
中間結果の内容とは?
今回、厚生労働省の専門部会で報告された調査の中間発表について教えてください。
中路先生
調査の中間発表が報告されたのは、1月21日に開かれた新型コロナウイルスワクチン接種後の副反応の状況などを検討する厚生労働省の専門部会です。調査では1、2回目にファイザー製のワクチンを接種した252人について、ウイルスが細胞にとりつく際に使うスパイクタンパク質の抗体の量を確認したところ、3回目接種から1カ月で平均49.6倍になったということです。分析の結果、3回目接種から1カ月後の最終的な抗体価に男女や年代で差は出なかったそうです。また、接種後に生じる発熱の度合いと抗体価の上昇率に関連はみられなかったということです。
専門部会で示された副反応のデータは?
専門部会では3回目の接種後の副反応のデータも示されたようですが、どのような内容だったのでしょうか?
中路先生
昨年12月から3回目接種が始まった医療従事者2179人の接種後の症状を分析したところ、ファイザー製のワクチンについては37.5度以上の発熱は39.4%、38度以上は21.0%という結果が出たと紹介されています。大半が接種から2日目に生じており、2回目接種後と同様の傾向だったということです。接種部位の痛みなどは92.8%、体のだるさは69.2%、わきの下の腫れや痛みは5.3%だったということです。
専門部会が示した中間結果の受け止めは?
専門部会が示した中間結果を、どのように受け止めればいいのでしょうか?
中路先生
これらの結果は現在流行しているオミクロン株そのものを反映したものではありせんが、3回目接腫の一定の効果を示唆するものと考えられます。また、3回目の接腫の副反応に関して、脇の下や首のリンパ節の腫大による痛みは2回目の接腫より高かったとの報告もありますが、全体として2回目接腫とほぼ同程度と考えられます。
まとめ
厚生労働省の専門部会で、ファイザー製ワクチンで3回目を接種した医療従事者らの抗体価が約50倍になったという調査の中間結果が発表されたことが今回のニュースでわかりました。ただ、この抗体価がオミクロン株に対する効果をどの程度持つかはわからない状態で、今後の調査報告に注目が集まります。