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【コロナワクチン】まれに起こる心筋炎と心膜炎は「重大な副反応」 専門家検討会で了承

 更新日:2023/03/27

ファイザー製とモデルナ製の新型コロナウイルスワクチン接種後、まれに起こる心筋炎と心膜炎について、厚生労働省は「重大な副反応」として添付文書に記載することを決めました。このニュースについて上医師に伺いました。

上昌広 医師

監修医師
上 昌広(医師)

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東京大学医学部卒業。東京大学大学院修了。その後、虎の門病院や国立がん研究センターにて臨床・研究に従事。2010年より東京大学医科学研究所特任教授、2016年より特定非営利活動法人医療ガバナンス研究所理事長を務める。著書は「復興は現場から動き出す(東洋経済新報社)」「日本の医療格差は9倍 医療不足の真実(光文社新書)」「病院は東京から破綻する(朝日新聞出版)」「ヤバい医学部(日本評論社)」「日本のコロナ対策はなぜ迷走するのか(毎日新聞出版)」。

今回報じられた内容は?

まず、今回報じられた内容について教えてください。

上昌広 医師上先生

今回の報道は厚生労働省の専門家検討会で、アメリカのファイザー社とモデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンの接種後にまれに起こる心筋炎と心膜炎を重大な副反応として、添付文書に記載することが了承されたというものです。

厚生労働省によると、ワクチン接種後の心筋炎と心膜炎は、特に10〜20代の男性に起きやすく、ファイザー製では接種した同年代男性100万人あたり11.9~16.4人、モデルナ製では38.9~87.6人だったそうです。しかし、感染そのもので起こる心筋炎などの発症頻度は、同じ年代の男性の感染者100万人あたり893人となっているので、10倍以上リスクが高いことになります。このため、検討会では「接種のメリットの方が大きいことは変わらない」と結論づけていることも大事なポイントです。

また、モデルナ製のワクチンに異物が混入した問題に関する報告もおこなわれ、自主回収対象のワクチンを接種した後に死亡が報告された2例について新たに審議し、現時点で「接種との因果関係は評価できない」との見方が示されました。

今後、改善される可能性は?

ワクチン接種後の心筋炎などの副反応について、今後はリスクが減るといった改善が実現する可能性はあるのでしょうか?

上昌広 医師上先生

現在、ワクチンの接種量は年齢、性別、体重などと無関係に同じ量を打っています。ただし今後、微調整される可能性があるので、心筋炎の発症数は減るかもしれません。

10〜20代の男性はワクチン接種をどう考えればいいのか?

今回リスクが指摘された10〜20代代の男性は、ワクチン接種をどのように考えたらいいのでしょうか?

上昌広 医師上先生

今回のニュースも含めて心筋炎など副反応が指摘されていますが、コロナウイルスへの感染や後遺症を考えた場合、ワクチン接種のメリットの方が大きいと考えられます。

まとめ

今回のニュースで、ファイザー製とモデルナ製の新型コロナウイルスワクチン接種後にまれに起こる心筋炎と心膜炎について、厚生労働省は「重大な副反応」として添付文書に記載することを決めたことがわかりました。その一方で、ワクチン接種なしの場合、心筋症などのリスクが10倍以上高いという状況も伝えられています。今後も副反応の情報について、注視する必要がありそうです。

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