ファイザー製コロナワクチン、5~11歳に有効性90.7%
アメリカにおける子どもが対象のファイザー製新型コロナウイルスワクチンの臨床試験で、5~11歳の発症を防ぐ有効性が90.7%に達したことが分かりました。このニュースについて工藤医師に伺いました。
監修医師:
工藤 孝文(医師)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
子ども対象の臨床試験の結果とは?
今回明らかになった、子どもを対象にした臨床試験の結果を教えてください。
工藤先生
ファイザー社がアメリカのFDAに提出した資料によると、今回の臨床試験には5~11歳の2268人が参加しました。
12歳以上が使う量の3分の1の量を2回、3週間あけて接種したグループでは3人が新型コロナを発症しましたが、同じ間隔で偽薬を接種したグループでは16人が発症したということです。有効性は90.7%でした。また、ワクチンを接種して感染した子どもたちは症状も軽く済み、深刻な副反応も起きなかったそうです。
この結果に対しては、アメリカのファウチ大統領首席医療顧問も高く評価していて、テレビ番組でも11月の最初の2週間で、子どもたちがワクチンを接種できる可能性があるとの見通しを示しています。
5~11歳の子どもの有効率が示された意義は?
5~11歳の子どもの有効率が示された意義について教えてください。
工藤先生
現在はワクチン接種ができるのは12歳以上に限定されていますが、本結果によってより幅広い年齢層に接種が可能となるでしょう。
新型コロナウイルスの感染経路として最も多いといわれるのが家庭内感染です。そのため、家庭内で感染したお子さんが学校内にウイルスを持ち込み、学校内で感染が拡がってしまうリスクの低減につながるものと思われます。
日本のワクチン接種体制への影響は?
今回の臨床試験の結果、日本国内のワクチン接種体制にどのような影響を与える可能性があるのか教えてください。
工藤先生
今年5月にアメリカで12~15歳にワクチン接種の対象が拡大したことを受けて、日本においても同様の流れを辿りました。そのため、今回の結果を受けて接種年齢が引き下げられる可能性は十分に考えられます。
まとめ
これまで新型コロナウイルスのワクチン接種の対象年齢は12歳以上でしたが、今回の結果を踏まえて、より年齢が低い子どもも対象になる可能性があります。今後の蔓延防止対策にも大きな影響を与える可能性があり、引き続きコロナワクチンに関するニュースは注目を集めそうです。