新型コロナワクチンの3回目追加接種と異種混合接種を検討
デルタ株の流行について強く懸念される状況が続いている一方で、新型コロナワクチンの接種が進む中、ワクチン接種の新たな動きが出ています。今回は、ワクチン接種の新たな動きについて中島先生に詳しくお伺いします。
監修医師:
中島 由美 医師
目次 -INDEX-
ワクチン接種の新たな動きについて
ワクチン接種について、どのような動きが見られるのか詳しく教えてください。
中島先生
政府は、新型コロナワクチンの2回接種後に追加接種する「ブースター接種」の検討を始めています。3回目の接種によって感染予防効果が持続するとの報告が海外であるため、追加の接種によって一定の効果が期待できることでしょう。
1回目と2回目でそれぞれの別の新型コロナワクチンを接種する「異種混合接種」についても話題ですが、有効性や安全性について十分な情報が集まっていませんので、注意が必要です。
ブースター接種の効果
新型コロナワクチンのブースター接種の効果について詳しくお教えてください。
中島先生
日本では、2回目接種後に新型コロナに感染する「ブレークスルー感染」が発生しています。これは、新型コロナワクチンの効果が低いのではなく、接種後に免疫機能が強化された後、数ヶ月かけて抗体量が減少するためです。
イスラエルではすでにブースター接種が始まっており、感染予防効果が86%だったとの報告があります。そのため、日本でブースター接種を行っても同じような効果が期待できます。新型コロナの流行が持続すると、デルタ株以上の感染力を持つ変異株が生まれる懸念もあるため、まずは希望者への2回目の接種を終えることが急務と言えるでしょう。
異種混合接種の効果は?
異種混合接種には、どのような効果が期待できるのでしょうか。
中島先生
河野太郎行政改革担当大臣は、日本での異種混合ワクチンの接種について検討していることを言及しました。イギリスオックスフォード大学の調査では、アメリカのファイザー製とイギリスのアストラゼネカ製のワクチンを混合で接種すると、接種の順序に関係なく、同じワクチンを2回接種するよりも高い免疫効果を得られたとの結果が発表されています。
しかし、日本で異種混合ワクチンの接種を進める場合は、国内で臨床試験(治験)を行い、効果や副反応などを確認する必要があります。
まとめ
デルタ株が流行している中、3回目の接種や異種混合ワクチンの接種が検討されています。異種混合ワクチンの効果や安全性については十分なデータが集まっていないため、今後の研究発表を待つ必要があります。政府の公式発表の内容を踏まえ、ブースター接種や異種混合ワクチンの接種を受けるかどうか検討しましょう。